RAYSTORM -NEU TANZ MIX-

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レイストームがPSへ移植された際に追加されたゲームモード「EXTRA MODE」で選べる楽曲「TANZ MIX」を収録したサウンドトラック。

作曲者の河本圭代は、後にボーカルのCyuaとトライバル・テクノユニット「BETTA FLASH」を結成するが、このアルバムでのアレンジはその原点と言えるような仕上がり。

シューティングゲームにおいて第一ステージ楽曲というのは、いわばゲームの「顔」であり特に重要な楽曲であるが、この作品での「GEOMETRIC CITY」の果たしている役割は素晴らしい。
民族音楽風のギターらしき音と神秘的な笛らしき音が冒頭から鳴り響くと、一気に四つ打ちドラムで持っていき、その後に華麗なアコースティックピアノがメロディを奏で、レイストームという物悲しくも壮絶な作品を、退廃的に、しかし華麗に彩っている。

PS移植版には「13機モード」という、文字通り残機13機でゲームクリアーを目指すモードがある。
R-GRAY0という試験機体を加えた13機による、破滅へと向かうストーリーにこの「GEOMETRIC CITY」のメロディが切なく響くのである。
この退廃的な世界観こそが、ZUNTATAの真骨頂であり、ZUNTATAがZUNTATAである所以である。

ZUNTATA作品の中でも最重要作の1つであり、3Dグラフィックシューティングの最高峰となったのは、他社には真似の出来ない世界観とこの比類なき「黄昏のメロディ」あってこそなのである。

フレンチポップなボーカル曲に生まれ変わったED楽曲「CERAMIC HEART」が宇宙の残骸と共に漂い始めた時、胸の内に言い知れぬ感動と幾ばくかの虚無感が押し寄せていることだろう。
ZUNTATA作品が他のゲーム作品と一線を画す理由は、そこにある。

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