もうすぐなくなる(かもしれない)タバコのパッケージについて。

初版 2020/01/19 20:50

どこかで見かけたようなタイトルですが、遅ればせながらご挨拶までに一文差し上げます。

昨年9月に開設以来、大勢のご来訪とたくさんの「いいね!」をいただきましてまことにありがとうございます。また、フォローをいただいた先輩方、ありがとうございます。こちらからお伺いする機会の少ないことを恥じるばかりです。


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タバコは「四大嗜好品(酒・タバコ・茶・コーヒー)」の一角を占めます。コーヒーそのもののわが国での歴史は浅いため、酒・タバコ・茶を「三大嗜好品」として一括りにして論じられることのほうが多いでしょう。それら「嗜好の発生」が、人間生活とのかかわりを通じてさまざまな文化を作り上げてきたことは、ここで論じるまでもありません。中でも「酒・タバコ」は洋の東西を問わず「飲み過ぎ・吸い過ぎ・マナーの悪化」と非難の対象になったかと思えば、「高い収益・生活の潤滑油」と奨励の対象にもなり、この繰り返しでした。1950年代早々には、呼吸器関連の疾病との関連性が指摘され「健康問題」という「錦の御旗」を得るに至りました。喫煙文化の衰微は避けられません。


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「タバコ」は、銘柄を備えて一定量のパッケージングで発売された最初の品物であると言われています。専売制度確立までのタバコ業界では、広告やパッケージをもとにした熾烈な販売競争が行われました。やがて専売制度が確立し、事業として競争相手のない状況を迎えても、国家による専売制度下によるものであることから、それなりの風格をもたせるべきであるという考えが生まれました。そして「和魂洋才」よろしく日本画風からアール・ヌーボー、モダニズムなどさまざまな美術傾向が影響しあい、独自の「デザイン文化」を作りました。


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翻って今、「健康問題」という「錦の御旗」はタバコのパッケージを変えてしまいました。わが国では表面の大部分に警告文が刷り込まれています。心血を注いでそれらのデザインを作成してきた、作者への冒涜のような印象を受けます。尖鋭的ですがある国では、より警告内容を強調するため、肺がんの患部などを大写しにしています。近年みられる「電子タバコ」の類は、箱そのものが小さくなったため、デザインと言うよりも「目視での区別」を優先した没個性なものになりました。そのうち、電池パックのようにミシン目の入ったビニール包装になるのではないしょうか。


「むかしのタバコ」のデザインが、いかに個性的で面白いものであったかを、少しでもお伝えできればと思います。


#タバコ

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