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1990-1991年頃製作 ニューポート(パンチドキャップトゥ) チェスナッツ
1990-1991年頃製作のチェスナッツのパンチドキャップトゥ、ニューポートです。ラストはスクエアトゥの88で、黒のニューポートと同じです。バークレーのアイレットの両サイドに、L字のパンチングが打たれたデザインになっています。ニューポートの特徴としては、画像7のように履き口の周りをギザギザのカッティングで、他の内羽根靴にはまず見られない仕様です。アッパーはフレンチカーフ、インソックのロゴは筆記体で、アウトソールの刻印も筆記体のMADE IN ENGLANDになっています。 黒、ダークオークのニューポートは持っていたのですが、チェスナッツのこの靴は長らく入手出来ずにいました。最近ようやく入手できて喜んでいます(笑)。
グリーン参る
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1986-1987年頃製作 フルブローグモンクストラップ ハンプトン
1986-1987年頃製作のフルブローグのモンクストラップ、ハンプトンです。ダークオークとチェスナッツのコンビになっています。ラストは細身のラウンドトゥの32ですが、この靴はウィズがDなのでさらに細い木型になっています。つま先のメダリオンはチャーチのもの(画像7)に似ていますが(画像6)、ハンプトンの羽根のパーツは大変小さくなっています。インソックはMADE BY~のロゴ、アウトソールの刻印は大きなブロック体です(刻印が深く1986年前後の製作と判断しました)。 ハンプトンには黒、チェスナッツ、ダークオークの単色がありますが、コンビには他にもツイルを用いたものもあります。
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1970年代製作 クードゥー製プレーントゥ「ENTEBBE」
1970年代製作のKUDUクードゥーの革を用いたプレーントゥ「ENTEBBEエンテベ」(ウガンダの都市の名前)です。ラストはセミスクエアトゥの54です。スクエアの幅は「73と50の中間くらい」の感じでしょうか。インソックはロンドン、ニューヨークの二都市です。 クードゥーはアフリカに広く生息するウシ科の動物(画像8)で、体の大きなクードゥーは肩までの高さが1.5メートルになるそうです。生息時の傷がたくさん刻まれている野性味溢れる銀面が特徴です。革の拡大画像を載せましたが、アザラシの雰囲気に少し似ています。赤みが強くイクラを作る前の「生筋子」のようですが(笑)、革は大変に水に強く頑丈です。
グリーン参る
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1960年代製作 ハロッズ別注 ハンドウェルト フルブローグ
1960年頃の製作と思われるハロッズ別注のフルブローグです。コバの張ったチャーチのような靴ですが、チャーチの製作ではありません。やや幅のあるスクエアトゥです。厚みはありますが、柔らかいカーフです。サイズとウィズが腰裏に手書きの文字で書かれているので既製靴なのですが、画像8で分かるとおりハンドウェルトの凹凸が見られます。 ハロッズは1910年代頃からビスポークの注文を受けていたようですが、この靴のように手縫いの既製靴を手掛けていたことがわかります。1960年代からグリーンにも別注を掛けていました。
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1980頃製作 ファイテングシール製 キャノン
1980年頃製作のファイテングシール(アザラシ)製シングルモンク、キャノンです。ラストは幅広スクエアトゥの50です。ウィズはDで細身、甲も薄い靴になっています。荒々しいアザラシ革の皺が印象的です。インソックのロゴはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市です。ファイテングシールの刻印がうっすら見えます(画像7)。 インソックが剥がれかかって貼り直したのですが、インソールの革にサイズとウィズが刻印されていることがわかりました(画像8)。
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1980年代前半製作 コードバン製グラフトン
1980年代前半製作のコードバン製グラフトンです。ラストはセミスクエアの73です。ウィズはDなのでかなり細い靴です。インソックのロゴはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市です。赤みをやや抑えた小豆色ですが、乳化性クリームを薄く塗るだけでピカピカに光ります。フローシャイムなどによく見られるロングウィングですが、アメリカのコードバンシューズより涼しげな靴に見えます(私の勝手な印象ですが)。 1989年のブルータスでもコードバン製のこの靴が紹介されており「グラフトン・クラップ」と呼ばれています(画像8)。£192ですからブックバインダー製より高いですが、当時のレートでも5万円以下ですね。
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1980年代製作 フォスター製 ビスポークサイドレースシューズ
1980年代製作のフォスター製ビスポーク、サイドレースシューズです。チェスナッツの色が微妙に抜けて、ベルルッティのパティーヌのようになっていますが、カーフのハリ、ツヤは見事です。甲の低いスクエアトゥのスマートな木型で、コバの張り出しも少なく、アウトソールも薄目です。 インソックはキツネの絵の付いたロゴです(元々はBartley&sonsのロゴ)。さすがはビスポークという仕上がりで、画像8のつま先部分で分かるとおり出し縫いのピッチが大変細かいです。 サイドレースシューズは、その紐で締める部分が横にあるため、甲の高さがぴったり合っていないと靴の中で足が遊びやすく、より慎重な採寸が必要になります。 ちょっとスカした靴ですが、挑戦してみました(笑)。
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1990-1991年頃製作 ファルカーク ダークオーク
1990-1991年頃製作のダークオークのファルカークです。ラストはラウンドトゥの202です。フルブローグの中では、つま先やヒール部分の凝ったメダリオンなど装飾性の強い靴です。画像5に見られるとおり後姿も非常に個性的。ブレーマーと似たデザインですが、「履き口周りのパンチングが緩やかにカーブしている(画像8矢印)、サイドのアザミのパーフォレーションがない」点がブレーマーと違います。 インソックは筆記体のロゴ、アウトソールの刻印も筆記体です。
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1980年代前半製作 ファイティングシール製 エラスティックスリッポン
1980年代前半製作のファイティングシール(アザラシ)製のエラスティックスリッポンです。ラストは幅広スクエアトゥの50です。ウィズEですがあまり細く見えません。インソックはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市です。6枚目の側面画像で分かりますが、チャーチには珍しい細かなパンチングが見られます。荒々しい革の皺とのミスマッチがおもしろいですね。 入手直後はコバが色落ちしており(画像8)締まりがありませんでしたが、コバインキで修正しました。いくぶん精悍になったような気がします。
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1980年代前半製作 トランピングブローグ「250」黒
つい先日79ユーロで購入した、1980年代前半製作と思われるトランピングブローグです。60年代のカタログでは"250"という型番が付けられています。ラストはボールジョイントが絞られたラウンドトゥの58です。60年代のカタログとは違いストームウェルトにはなっていません。以前もご説明したことがありますが、強力な耐水性を持つマーチン社のZUGレザーを使用したものです。画像7枚目のような細かなツブツブの表面が特徴です。厚みはあまりありませんが、強靭な素晴らしいグレインレザーです。 インソックはMADE BY~のロゴ、初期フルスティック時代に「WOODBRIDGE」とペットネームが付けられますが、カントリー色が強すぎたためか間もなく製作されなくなりました。
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明治18年製作 若狭塗辦當四重「玉蔓(たまかずら)」
最近入手した明治18年(1885年)製作の四段辦當です。縦三寸横四寸、高さ五寸ほどの小さな辦當です。紐と菜種を使った「玉蔓(たまかずら)」という変り塗です。木地は薄いですが狂いは全くありません。内朱で底は黒塗りです。二方桟は非常に繊細で華奢な作りです。140年ほど経過していますが、見事としか言い様のない仕上がりです。慳貪蓋の裏に住吉町の「村松精一」さんという方が「明治18年8月に求めたもの」と書かれています。大事に使われていたのでしょうね。
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1948年 オリバー・ムーアのフルブローグ リプロダクション
オリバー・ムーアのアデレード型のビスポークのリプロダクション、1948年のリーガルの広告です。オリジナルは$75、リプロダクションは$8.95です。出し縫いの糸が白いコットンで、ラストもスマートで洒落ています。羽根の後方まで凝ったパーフォレーションが施されています。 「Prescription fitting」と銘打ったリーガル独自のフィッティングシステムで、より個人の足に合った靴を提供しようとしています。 バックの摩天楼の写真がアメリカらしくていいですね。
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1986-1987年頃製作 エイボンハウス別注 スタッグ製ウェストミンスターⅠ
1986-1987年頃製作と思われるエイボンハウス別注のスタッグ製ダブルモンク、ウェストミンスターⅠです。ココア色の手触りの良い鹿皮が使われています。ラストはウェストミンスターでは珍しい細身のラウンドトゥの32です。ソールの刻印は深めの大きなブロック体になっています。画像5に見られるようにヒールの形状が実に立体的で、人間の踵に良く合ったものになっているのが分かります。ロブのダブルモンク、ウィリアムと比べても、私にはウェストミンスターはとても美しい靴に見えます。 エイボンハウスは日本で最も古くからグリーンに別注を掛けていたブランドです。この靴も「ダブルモンクでスタッグ製」という同社の強いこだわりが見られます。エイボンハウス社長の林勝太郎氏の紹介文が1989年のブルータスに載っています。 https://muuseo.com/shinshin3/diaries/230
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1980年代前半製作 コードバン製フルブローグ
1980年代前半の製作と思われるコードバン製フルブローグです。ラストは外側の張り出しがやや強い大変スマートなラウンドトゥの149です。チェットウィンドとほぼ同じスタイルですが、アイレットは6つです。ペットネームは分かりません。インソックはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市です。 バーガンディーのアッパーですが、オールデンのコードバンより一層輝きが強く見えます。ただコードバンの弱点ですが、タン部分、パイピングの薄くすいたコードバンの革は割れやすく、この靴にも亀裂が散見します。オールデンではこうしたトラブルはほどんどなく、このあたりがチャーチのコードバン靴の弱点かとも思います。
グリーン参る
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1980年代初期 ヌバック製チャッカブーツ CHALFONT
1980年頃製作と思われる白いヌバック製のチャッカブーツCHALFONTで、アイレットは2つです。本来チャッカブーツは2アイレットが基本ですから、「古式ゆかしい正調チャッカ」ということになります(グリーンのチャッカは3アイレット)。 ラストは54と書かれているようですが、聞いたことがないのでよくわかりません。きれいなラウンドトゥ(上から見るとわずかにセミスクエアでしょうか)のブーツです。インソックはロンドン、ニューヨーク、パリの三都市。 ヌバックは汚れが付きやすく、乱暴に扱うと銀面が荒れるのでなかなかお手入れが大変です。
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