1938-39 Round Polished Model 【Part1】

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この修理品収蔵のコレクションルームのトップ画のジッポーである。

実はこれ、某大手オークションサイトで或る方が出品された物を落札したのだが、出品者自体がこの年代のジッポーの価値があまり分かっていなかったようである。

商品説明にも『インサイドユニットがオリジナルの年代かどうか不明…』といった記述があり、出品画像が不鮮明だった事も祟り、最低落札額でゲット。

えらく安かった…。確か1.5栄一程で、久々の掘り出し物である。カムとホイールが50年代の物に修理交換されてはいるものの、カムクリップも、コの字型別体部品がロウ付けされた初期型で、4バレルヒンジはオリジナルが健在。

ケースとインサイドユニットの年式マッチングは元々のペアかどうかは別として矛盾はないし、腐っても鯛…あれほど衆目を集める巨大オークションで、誰の目にも止まらなかった事が不思議でならない。

ただ、これ…届いてみてから判明したのだが、『クセ強』の個体だった。

値段が値段なので、はじめから問題のない完品だとは思っていなかったが、とにかくケースのボトム側ヒンジ面内側とインサイドユニットの接触面との間に約1ミリのすき間があり、どうにもガバガバである。キャップを開く度にチムニーが競り上がってくる…。そして、波形スプリングが絶賛折損中だった…。

どうも、私は『波型カムスプリング運』に恵まれない運勢らしい(笑)

これも…普段使い用候補生として我が『自己流炸裂!ジッポー・クリニック』入りとなった…。まずはウィックホール兼、カムスプリング固定アイレット(ハトメ金具)を抜き、スプリングを外した(画像5)。

さらにチムニー外面のキャップ擦れが酷く、真鍮地がかなり露出していたので表面研磨後ニッケルメッキし直し、何とか見れるレベルにした(画像3)。

ただ、このような『新品仕上げ』は、レストアの方針として賛否の分かれるところで、使い古した擦れなどのボロさも個体の風合いとして尊重し、手を付けないという向きもある事は承知している。

そして、画像6が、『小生謹製!波型リーフ・スプリング復刻版』である。1941年製のプレ大戦スチールモデルで実装済みで、オリジナルと遜色無く機能することは確認出来ている。

ただ、この年の瀬…『師が走る』と書く暦。文字通り、私も仕事に私事に忙殺し、年内の着手は…と言う所で、この拙い展示をご覧頂いている諸貴兄方には誠に申し訳ない限りである。

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