人を信じるということ

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出版社 ‏ : ‎ 晶文社
発売日 ‏ : ‎ 2004/9/1
単行本 ‏ : ‎ 244ページ

日本の文化の中で「人を信じるということ」はどのように位置づけられてきたのか。歌舞伎の「勧進帳」にみる「ゆだねる」関係、日常生活に根ずく「おまかせ」のシステム。その「人を信じる」仕組みは、村社会という共同体の原理を基盤に形作られてきた。ところが、近代化にともない、人々は共同体から切り離され、「信じること」は容易でなくなってしまった。漱石が『こころ』で描いた裏切りの悲劇。「空」と「無」に救いを見いだす知識人、新興宗教に絆を求める人々。今、若者たちは共同体を拒否しながら、居場所を求めて漂い続ける。もう一度、「人を信じるということ」を取り戻すためには、何が必要なのか。

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