東芝赤盤里帰り

石立鉄男風に「おまえはどこのレコードじゃ？」ということでいつも愛聴している東芝赤盤の故郷を一目見ようと訪ねてみた。

埼玉県川口市領家ということだけ判っていたのでJR川口駅を下車して交番で尋ねてみた。

３０代後半位と２０代の男女計４名の警官が居た。
尋ねるや全員がスマホ検索を始めた。

私は「アッ、こりゃダメだ！」と直感。
東芝が川口に？　初めて聞いたぞって感じで結局お役に立てずということで。

即、交番を後にして駅前の図書館へ向かった。

警官とは言え、所詮令和の若者達である。食い下がったところで…
あの東芝ＥＭＩが川口にあったとか訳の分からないことを言う認知症なりかけの徘徊オヤジだと思われるのが関の山だ。

あ、東芝ＥＭＩじゃなくてユニバーサル・ジャパンと言わねば通じなかったか？

いやいやいや、そう言う問題ではない。
下手をしたら保護されてしまいかねないぞ。

まるで俺は映画「A HARD DAY'S NIGHT」で警官を煩わせるポールのおじいちゃん扱いか？

とバカなことを考えてる間に図書館到着。

キューポラの街川口の歴史本も目を引いたが今回はパスしてゼンリン住宅地図の６０年代、８０年代と現在のを調べた。

６０年代のに東芝工場を発見！他の資料も合わせて調べた結果、１９７４年に東芝ケミカル(株)になり、２００２年に京セラケミカルに変わった。

２０１５年に京セラケミカルが移転してその跡地が大和ハウス工業が建設した「DPL川口領家」と言う複数の企業が入居できるテナント型の物流施設が現在の姿。

川に挟まれた長閑な環境ながら物流トラックが頻繁に出入りする。

今日は１９７０年５月産まれの赤盤君を連れてきた。
５４年ぶりにGET BACK TO HOMETOWN。

かつてここで生産されて日本全国に出荷されていたけど今は海を越えて全世界に流出中。

当時の工場の様子は知る由もないが、およその環境は知ることができたので市街地に戻る。



川口と言えば埼玉スイーツの雄のひとつである「シャンドワゾー」
マツコの知らない世界でも紹介されたスイーツ好きには有名な店で相変わらずの人気。

店内にも待ち客の行列がヘアピンカーブを成している。
人気店に共通しているのはオヤジ客も負けずに居るということでしょうか。

ただ実態は家族の分を買ってくるよう奥さんから命ぜられたパシリおやじも少なくないようだ。

このパリ風ムードの白亜の「シャンドワゾー」の隣は職人の街川口らしいシュールな対比が素敵。💛

順番待ち中に「サントノーレ・ピスターシュ」を選択。
順番が来て即刻会計を済ませ、近くの２号店でイートインをキメた。

「サントノーレ・ピスターシュ」、サントノーレとはパイ生地の上にカラメルを塗った小さなシュークリームを積み上げたフランス菓子で、これは中にフランボアーズが埋蔵されており、これが佳きアクセントとなりピスタチオ・クリームと抜群のハーモニー。

ホットハーブティもベストマッチング。
フランボアーズの赤が赤盤のカラーでより美味さを感じてしまうのは私だけ。（ケーキ喰いながらレコード眺める変人）←見っともないからお止めなさい。


しばしハーブティーの風味を味わいながら旧東芝工場環境に想いを巡らす。

当時はもっと長閑な雰囲気だっただろう。周りの土手も未舗装で、３年Ｂ組金八先生のオープニング・シーンのような。

あの跡地は東京都に隣接したエリアにあり、最寄りのインターチェンジからは１キロメートルの位置にあるので現在の物流施設にとっても都合が良いようだ。

跡地に想いを巡らしながらもここのスペシャリテのケーキも買ってくればよかったなと雑念がよぎる。

何度も食ってる「ミゼラブル」。フランス産のバターを使ったバター・クリームがウマ過ぎるのだ。

まぁ、また来よう。
家に帰って赤盤をしみじみ聴くことにして本日の川口活動は終了です。

終わり。