popy-kingzaurus Museum

ポピー『キングザウルスシリーズ』（販売期間1978～1981）
バンダイの姉妹会社であった「ポピー」の商品である。
1978年（TBS系6：30～7：00）「ウルトラシリーズ」の再放送が始まった。
再放送は早朝にもかかわらず当時の子供たちと懐かしさで観る大人たちで高視聴率を獲得。新作のウルトラシリーズが放映されていないのに児童雑誌や少年雑誌では特集・付録等で歴代のウルトラマンや怪獣達が数多く特集されていた。
この頃からMOOK本と呼ばれる専門書籍が数多く出版されるようになりこの書籍の影響でファンの知識は高められた。専門知識に明るい人たちを「〇〇マニア」とか「〇〇おたく」と呼ぶようになったのもこの頃だ。
「パソコンおたく」「特撮マニア」「アニメおたく」もこの頃から呼ばれるようになった。専門知識のあるファン層いわゆる「おたく層」からブームに火が付き「ウルトラマン」の再編集映画が公開される等して「第3次怪獣ブーム」が沸き起こった。

同時期にアニメ番組「宇宙戦艦ヤマト」の再放送が始まり大ヒット。劇場版「宇宙戦艦ヤマト」が大ヒットとなりアニメブームに火が付く。盛り上がるアニメブームの中、ウルトラシリーズにも初のアニメ版ウルトラマン「ザ・ウルトラマン」が新作として制作された。アニメーション制作にはあの「ガンダム」等で有名なアニメーション制作会社日本サンライズが制作協力で参加している。
また、1979年には学園ドラマ「3年B組金八先生」が大ヒット日本全国で話題となった。
1980年にはウルトラシリーズも学園ドラマを取り入れ担任教師がウルトラマンに変身する実写版の新作「ウルトラマン80」が制作された。
時代の流れと共に歩む「ウルトラシリーズ」はまさに時代を映す鏡のような存在であった。

第3期怪獣ブームに玩具商品を打ち出したのは「超合金」や「ジャンボマシンダー」といった人気キャラクター商品でその名を高めた「ポピー」。キャラクター物の玩具と言えば当時の「ポピー」は圧倒的であった。
その「ポピー」が満を持して臨んだ新しい怪獣ソフビシリーズ、それが「キングザウルスシリーズ」である。
朝の「ウルトラシリーズ」再放送時に流れるCMはウルトラマンと怪獣の対決の名シーンで構成され音楽は帰ってきたウルトラマンのBGMが使用されていた。再放送の番組中にこのCMが流れファンの商品購入意欲も高められたと思う。

「キングザウルスシリーズ」のビジュアルイメージは、膨大な数の怪獣達（ソフビ）に埋め尽くされたウルトラ兄弟達（ソフビ）。カタログのキャッチコピーも「こんなにいっぱいそろってるよ。きみはいくつもってる！？」と、コレクターの収集意欲を掻き立てさせる見事なビジュアル戦略だった。

キングザウルス一体に一枚「足型シール」と呼ばれる各怪獣の足型がプリントされたシールが同梱されていて、「足型シール」を20枚集めて送ると「ウルトラマン怪獣百科」（ケイブンシャ）がもれなくもらえた。
ウルトラ怪獣だけではなく東宝怪獣も網羅した図鑑で、怪獣ソフビの製作工程の説明等の頁も有る個性的なミニ百科である。

キングザウルスシリーズの最大の特徴はウルトラ戦士や怪獣一体一体に其々の足型が足裏に刻まれていること。
ゆえにこのソフビシリーズを足型シリーズと呼ぶファンもいる。
そんなキングザウルスシリーズを可能な限りご紹介するコレクションルームです。

思考錯誤して商品化された新しい怪獣ソフビ「キングザウルスシリーズ」はその後のバンダイ「ウルトラ怪獣シリーズ」「東宝怪獣シリーズ」（1983年～発売）に価格やサイズが引き継がれていった。
バリエーションも豊富でスタンダードサイズに加え、ビッグサイズの「ウルトラマンビッグシリーズ」全9種や「グレートザウルス」全3種、ミニシリーズ全7種、台湾製の海外版「GODZILLA‐GANG」シリーズ全8種、シリーズ後期には「ザ・ウルトラマン」「ウルトラマン80」の怪獣も販売されている。また当時のロッテフーセンガムの懸賞品（クリア版）約10数種を含めると100種類以上に及ぶ膨大なものになっている。
また講談社からは「おともだち」テレビまんが絵本としてキングザウルスソフビを使用して作られた絵本まで発売されていた。
1983年にバンダイから発売されるウルトラ怪獣シリーズと続いていきます。この時期には究極造形のガレージキットに追いつこうとソフビの造形は更に着ぐるみを意識した物となりリアル傾向になって行きます。

ウルトラＱより
隕石怪獣ガラモン

成形色：深緑（2パーツ）
目：白に黒目
口：赤ライン
顔・手・足に肌色
身体に赤でポイントスプレー

可動部分が首のみ。

ウルトラＱより
コイン怪獣カネゴン

成形色：緑（5パーツ）

カラーバリエーション①
目：黒
口：赤
歯：黄色味が強い金
体：緑・濃緑スプレー　　　　　　

カラーバリエーション②
目：無塗装
口：赤
歯：淡い金
体：緑・ガンメタスプレー

かなり愛嬌があります。

ウルトラQより冷凍怪獣ペギラ
成形色：茶色（2パーツ）
目：黒目
口：赤メタリック
体：銀スプレーと赤ドットスプレー
バリエーションは銀スプレーの量が多いか少ないかくらい

おとぼけ顔

ウルトラＱの怪獣が3種類なのは少し淋しい。ゴメスやパゴス、キングザウルス版のナメゴンも見てみたかった。

ウルトラヒーロー3体と怪獣7体がセットになったデラックスボックス。
その名も『ウルトラマン　ザウルス　ファミリー　デラックスギフト』とこれでもかというくらいゴージャスな商品名がついています。このシリーズでは何故「怪獣」を「ザウルス」と呼びたがるのかが謎です。そういえば70年代のおじいちゃんは「怪獣」と「恐竜」の区別がつかない人が多かった気がします。
ウルトラヒーロー3体はウルトラマン・セブン・タロウのみで怪獣7体はウィンダム・マグネドン・ゴドラ星人・アギラー・ペガッサ星人・リッガー・ムルチ・ギエロン星獣・サドラー・テロチルス・ノコギリン・ヒドラの中からランダムに7体がセットされています。
怪獣には一回り小さくなった足型シールが本体につけられていました。おまけにポスターが付いています。ポスターの裏面は何故かすごろく。

このシリーズにもミニサイズがあります。
可動部分はどれも両腕と腰だけです。
造形ものリアルとカワイイの中間です。
ウルトラヒーローと怪獣をいくつか紹介します。
センターの少年タロウはバンダイ製。可愛いので親子で並べています。怪獣はスタンダードサイズでウルトラヒーローはこのミニサイズで並べると怪獣の迫力も増し対決シーンが良い感じになります。

ポピーキングザウルスシリーズの『ウルトラマン12人怪獣スペシャル』というウルトラヒーロー12人と怪獣2体のセットです。
『ウルトラマン　ザウルス　ファミリー　デラックスギフト』に続くゴージャスタイトルのBOX商品でバブル時代到来の予感が子供向け玩具にも見え隠れしています。

キングザウルスシリーズを使用してバトルシーンを再現。
この写真で構成されたおもちゃブックが講談社から出版されていました。

これがミニサイズを真っ二つにしたような指人形セットの「ウルトラマン指人形バトルアクションセット」です。
ウルトラヒーローはポーズが決まっているので下半身を付けてミニサイズとして出してほしかった。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマンです。
バリエーションは大きくは初期版と後記版です。
初期版が目とカラータイマーが完全に別パーツとなっていて材質もソフビではなくゴム？でできています。後期版はソフビ性の一体成型です。初期版はカラータイマーの左右に胸のシルバーが被っていますが後期版はカラータイマーの周りは塗装されていません。
ボディのシルバーカラーバリエーションが存在します。
初期の物はガンメタリックに近いものが多く後期はシルバーとなります。
後期版の目の塗装もスプレーと手塗りの物が確認できます。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラセブンです。
バリエーションはウルトラマンと同じく目が別パーツの初期版と一体成型の後期版です。
また目のカラーがゴールドと黄色があるようです。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズ帰ってきたウルトラマンです。
バリエーションはウルトラマンと同じく目とカラータイマーのパーツが別パーツの初期版と一体成型の後期版です。
何故かこのレギュラーサイズの帰ってきたウルトラマンは成型色が赤ではなくグレーです。
帰ってきたウルトラマン特有の二重ストライプの表現に難関があったのか？ウルトラマンとの差別化を図ったのか？本当の理由はわかりません。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマンAです。
バリエーションはボディのカラーがガンメタリックとシルバーの物があります。
目がゴールドと黄色があったと思います。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマンタロウです。
シルバー部分がガンメタリックとシルバーの2種類あり、目のカラーがゴールドと黄色の物があります。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマンレオです。
バリエーションは特に無いように思います。

バリエーションは特にないと思います。
ウルトラマンレオの実の弟だけあって造形も似ています。
複雑な頭部にシンプルなボディはレオと同じデザインコンセプトでしょうか。
囚われの身であったため腕と太ももに枷が付けられています。
現代版のウルトラマンシリーズに突然アストラがゲスト主役の話が作られても面白そうです。

バリエーションは目の色が金色と黄色があります。
ボディがガンメタリックの物を見たことがありません。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラの父です。
バリエーションは特にないようです。
グローブとブーツが赤くないのが少し残念です。
マントがあれば少しは迫力が出ると思います。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラの母です。
母の優しさ柔和な表情はそのままです。
角度によっては笑顔にも見えるアルカイックスマイルです。

キングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマンキングです。
成型色がグレーに銀のラメが入っています。
バリエーションに見えるのはシルバースプレーの量かと思います。

放送当時に発売されたソフビです。
バリエーションは特にありません。
「宇宙戦艦ヤマト」の再放送が始まり劇場版「宇宙戦艦ヤマト」が大ヒットしたアニメブーム到来時に制作されたシリーズ唯一のアニメ作品です。
実写作品でなかった為賛否両論ありましたが個人的には素敵なウルトラマンだと思います。
デザイン的にも独特の切れ長の目とシンプルなボディはソフビになってもとても魅力的です。
アニメーション制作にはあの「ガンダム」を制作した日本サンライズが手掛けたようです。
珍品で主人公のヒカリ超一郎のミニソフビに一回り大きいザ・ウルトラマンのソフビ、そのまた一回り大きいザ・ウルトラマンのソフビと変身巨大化を立体的にソフビで表現した商品がありました。

ポピーキングザウルスシリーズのレギュラーサイズウルトラマン80です。
放送当時の商品です。
バリエーションは特にありません。
プロポーションが逆三角形でマッチョです。カッコイイ！
こんな逆三80はこの時代の商品だけです。

ウルトラマンより毒ガス怪獣ケムラーです。
四つ足で羽を閉じた状態です。
成型色：水色（6パーツ）鮮やかな水色と灰色っぽい水色が存在します。
目：白に黒目
口：赤
歯：白
体：黒と茶のスプレー

ウルトラマンより古代怪獣ゴモラです。
成型色：アイボリー（6パーツ）
目：白に黒目
口：赤
歯：白
体：濃緑と茶のスプレー
体のスプレーの吹き方にバリエーションがあります。
スタンダードサイズの他にミニサイズが存在します。

ポピーキングザウルスシリーズのドクロ怪獣レッドキングです。
ゴモラと同じくウルトラマンの中でも人気怪獣です。
成型色：茶（6パーツ）
目：金
口：赤（赤くないものも存在します）
歯：白
体：濃緑と明緑スプレー
スプレーの吹き方にバリエーションが存在します。
スタンダードサイズの他にミニサイズとビッグサイズが存在します。

ウルトラマンより宇宙忍者バルタン星人です。
全ウルトラシリーズ中最も知名度が高い怪獣（宇宙人）です。
成型色：茶（4パーツ）
目：赤
体：焦げ茶とメタリックブルースプレー
このレギュラーサイズの他にミニサイズとビッグサイズがあります。

ウルトラマンより高原竜ヒドラです。
成型色：オレンジ（4パーツ）
目：白に黒目
体：胸が赤、その他茶とシルバーがスプレーされています。
それぞれの色の濃さと艶の有り無しくらいのバリエーションだと思います。
尚私の物はタグの表記が帰ってきたウルトラマンに登場するブラックキングのタグとなっているエラー品です。
静岡県伊東市の伊豆シャボテン動物公園に行くと巨大なヒドラ像を観られます。

ウルトラマンよりえりまき怪獣ジラースです。
成型色：黄色（6パーツ）
目：銀に黒目の物とアイボリー系に黒目の物があります。
歯：銀の物とアイボリー系の物。
口：赤
体：茶に朱色のスプレーが多いですが茶色が濃かったり薄かったり、朱色が無かったり、艶があったりなかったりといったバリエーションがあります。
ゴジラの着ぐるみを改造して作られた怪獣ですがキングザウルスシリーズではソフビの造形も似ています。

ウルトラマン、ウルトラセブン、ガラモン、バルタン星人、エレキング、タッコング、バキシムの7種が2003年頃復刻版としてバンダイから発売されました。
サイズは一回り小さくなっています。せっかく復刻するなら全種復刻すれば良かったのに中途半端なラインナップで終了しました。残念。
当時のラインナップに無い商品を出してほしかったですね。

自分好みのあったら良かったラインアップを勝手に並べてみました。
ウルトラQ：ナメゴン・ゴメス・ピーター・ケムール人
ウルトラマン：ドドンゴ・ドラコ・マグラ・ザラガス・アボラス・バニラ・キーラ・サイゴ・ザラブ星人・ニセウルトラマン・ダダ・ブルトン
ウルトラセブン：ギラドラス・メトロン星人・アイロス星人・プロテ星人・ワイアール星人・ボーグ星人・ガンダー・シャプレー星人
帰ってきたウルトラマン：キングザウルス3世・グドン・ツインテール・グロンケン・ナックル星人・シーゴラス・シーモンス・レオゴン
ウルトラマンA：ブロッケン・カメレキング・カウラ・ギロン人・ザイゴン・ユニタング・ヤプール人
ウルトラマンタロウ：コスモリキッド・オイルドリンカー・デッパラス・
ウルトラマンレオ：マグマ星人・ブラックギラス・レッドギラス・ギロ星獣・ツルク星人・ロン・セブンガー・ボーズ星人・
ザ・ウルトラマン：タフギラン・ジャニュール・ザローム
ウルトラマン80：ユリアン・ガモス・ギマイラ・アルゴン・プラズマ・マイナズマ・マーゴドン
番外編：各隊員・ブースカ・チャメゴン
東宝怪獣：モスラ（幼虫・成虫）・エビラ・ゴロザウルス・キングコング・メカニコング・バラン・サンダ・ガイラ
皆さんはいかがでしょうか？