8mmカメラ用広角レンズ選手権 6.5mmハイスピードクラス
初版 2024/03/30 10:59
8mmムービーカメラ用の広角レンズはデジカメQ-S1(撮像素子サイズ 1/1.7型)では周辺部に暗角(ケラレ)がでます。その程度がどんなものか?を記録しておきます。
レンズ本来は8mmフィルムのフォーマットをカバーできさえすればよく、設計保証の外側を比較するということになります。レンズ設計者的には ’そんなん知らんがな’ というべき領域です。レンズの本質的な評価ではないということ、念のため。
撮影条件
カメラQ-S1、アスペクト比4:3
遠景定点(散歩コース中の人気のない場所)
日時は不特定(季節、天気、時間帯で絵の印象は違いますが、あくまで暗角量の比較)
しぼり値開放(せっかくのハイスピードなので開放で、多くがあやうい絵ですが、あくまで暗角量の比較)
フードなど脱着できるものは全て脱いだ状態(フレアやゴーストは気にせず、あくまで暗角量の比較)
6.5mmハイスピードクラス(6.5mm-f1.4前後と定義)エントリー
・CINE-W ARCO 6.5mm-f1.4
・REXER WIDE 6.5mm-f1.2
・REXER WIDE 6.5mm-f1.4
・Rodenstock Heligaron 6.5mm-f1.6
・Sankyo WIDE 6.5mm-f1.4
・WALZ WIDE ANGLE 6.5mm-f1.4
・YASHICA CINE YASHINON 6.5mm-f1.4
・YASHICA CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4
・Zunow Opt. ZUNOW CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4
・Zunow Opt. ZUNOW-ELMO Cine 6.5mm-f1.1
結果 ケラレ度合いを6段階(ケラレ小S~Eケラレ大)でグループ分け
Sグループ ナシ
Aグループ Zunow Opt. ZUNOW-ELMO Cine 6.5mm-f1.1
REXER WIDE 6.5mm-f1.2
Bグループ CINE-W ARCO 6.5mm-f1.4
REXER WIDE 6.5mm-f1.4
Sankyo WIDE 6.5mm-f1.4
WALZ WIDE ANGLE 6.5mm-f1.4
YASHICA CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4
Cグループ YASHICA CINE YASHINON 6.5mm-f1.4
Zunow Opt. CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4
Dグループ ナシ
Eグループ Rodenstock Heligaron 6.5mm-f1.6
より口径が大きい、ZUNOW f1.1、REXER f1.2 がケラレが小さいという意外な結果でした。無理やり大口径にしたのではないということがうかがえます。高級レンズの面目躍如といったところ。
1960年頃の国産シネレンズプライスリストにおいて、一般的な6.5mm広角レンズは 10,000円以下(例えば YASHINON 6.5mm-f1.4:7,500円)のところ、 ZUNOW 6.5mm-f1.1:15,000円、REXER 6.5mm-f1.2:13,650円 となっています。
エントリーの中で唯一の舶来レンズ Rodenstock Heligaron はこの時代のドイツ製ということもあって、一番高価なものだったと想像しますが、Q-S1でケラレるという点においては、最下位でした。
作例は省略しますが、CINE-W ARCO 6.5mm, WALZ WIDE ANGLE 6.5mm, YASHICA CINE YASHINON-V 6.5mm, Zunow Opt. CINE YASHINON-V 6.5mm は少し絞るとさらにケラレが大きくなります。
新顔きたら、更新いたします。
以下記録
・CINE-W ARCO 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・REXER WIDE 6.5mm-f1.2 撮影f1.2
・REXER WIDE 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・Rodenstock Heligaron 6.5mm-f1.6 撮影f1.6
・Sankyo WIDE 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・WALZ WIDE ANGLE 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・YASHICA CINE YASHINON 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・YASHICA CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・Zunow Opt. CINE YASHINON-V 6.5mm-f1.4 撮影f1.4
・Zunow Opt. ZUNOW-ELMO Cine 6.5mm-f1.1 撮影f1.1