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巻上公一 “民族の祭典”
今回は、ヒカシューでもお馴染みの巻上公一さんのソロアルバム「民族の祭典」を紹介します。この作品はソロとしてはファースト・アルバムになります。1978年にヒカシューを結成し、独特のヴォーカル・スタイルで異色の「テクノ御三家」の一つとなっています。その時は、巻上さんはベースも弾いており、時にはトランペットも吹いていました。その後、ヒカシューはサード・アルバム「噂の人類」にて脱テクノ化をはかり、メンバーチェンジを経て、現在は即興と楽曲の間を行き来する特異なポジショニングを得て、世界中でフェスなどに参加、好評を得ています。そんなヒカシューのメイン・ヴォーカルの巻上さんですが、現在は、口琴やテルミンも演奏しており、トゥパホーメイの日本支部にも携わっている活動家でもあります。それで、今回、ご紹介するのは、巻上さんのファースト・ソロ・アルバム「民族の祭典」です。参加者は、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 泉水敏郎 (Drs), 立花ハジメ (G, Alto-Sax[B3, B5]), 海琳正道 (G), 板倉文明 (特殊チューンドG [A4,B3]), 上野耕路 (A-Piano [A5], Synth [A3, B1]), 柿崎譲二 (A-Piano, Accordion [A2]), 山下康 {Piano, Vibraphone, Perc, Alto-Sax), 井上誠 (Synth), 戸川純 (Vo [B2])で、アレンジは巻上さんが、プロデュースは巻上さんと海琳でやっています。まあ選んだ曲もヴァラエティに富んでおり、民族音楽から民謡や古い歌謡曲、更にはヒカシューの曲の別アレンジまで含んでいます。A1 「森の小人」ではエセ民族音楽風のシンセや途中にフリーな部分も含みます。A2「国境の町」やA3「桑港のチャイナ街」は古い歌謡曲ですが、巻上さんのヴォーカルが良く合っています。A4「アルタネイティヴ・サン」はヒカシューのセカンドアルバム「夏」に収録されてた曲をアコースティックかつスローかつインド音楽風にアレンジし直した曲。A5「私の青空」は米国音楽家Walter DonaldsonとGeorge Whitingと”My Blue Heaven”をアレンジしたシャレ乙な曲ですが、最後にパンク調に。B1「イヨマンテ(熊祭)の夜」は巻上さんのヴォーカリゼーションが最もマッチした民謡。B2「おおブリネリ」では戸川さんと巻上さんのVoのせめぎ合いとそのバックの即興演奏が如何にもな出来です。B3「マヴォの歌」は民謡(?)をアレンジした曲で少しコミカルにアレンジしてあります。B4 「赤い靴」は民謡ですが、かなり不気味にアレンジされてます。B5「不滅のスタイル」はこの頃のヒカシューとしても良い曲で、これで締めています。もし、巻上さん初期の活動に興味がある方は、是非とも押さえておくべき作品だと思いますよ。 https://youtu.be/DZFDF1XmPjU #巻上公一 #民族の祭典 #Eastworld #東芝EMI #SoloAlbum #First #ヒカシュー #Vocalist #民謡 #民族音楽 #WorldMusic #Folk #歌謡曲 #Self-Arranged #泉水敏郎 #立花ハジメ #海琳正道 #板倉文明 #上野耕路 #柿崎譲二 #山下康 #井上誠 #戸川純
Experimental Pop / Vocalization Eastworld (東芝EMI) 2500円位?Dr K2
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P-MODEL “Perspective”
そろそろ、ネタ切れかな?今回もP-MODELの4枚目のアルバム”Perspective”です。これはホント、問題作ですね。前作で「脱テクノ宣言」して、レコード会社も変わってリリースされたのですが、ほぼほぼ単調でミニマルなコード進行で進み、オルガンは殆ど使われておらず、シンセもピコ音もなく、ずっと同じフレーズを弾き続けています。しかも歌詞は更に抽象的で難解になっています。実は私はこの作品のカセット”Perspective II”も持っていたのですが、 Voのミックス違いの曲”のこりギリギリ”が入っていたり、”Mercator”や”Blümcale”と言うボーナストラックが入ってました(今はカセット作品はどっかにやってしまいましたが)。メンバーは平沢進 (Vo, G)、田中靖美(Kbd), 菊池達也 (B), 田井中貞利 (Dr)ですが、このアルバムの画期的なところは、ドラムの録音を階段の踊り場でやったそうなので、ドラムの残響音が凄いです。これはドラムと歌詞の為に使ったと言っても言い過ぎではないでしょう。ここまでの変遷の内、これは「内側に開き切った」アルパムと平沢進氏は述懐しています。そして平沢進氏の盟友田中靖美氏は「アイデアが枯渇した」と言う理由でリリース後、脱退します。そんなことは別として、テクノポップからの流れで、この作品を聴くのではなく、単体で聴いて欲しいですね、因みに、私の好きは曲は”Heaven”, “Solid Air”, “のこりギリギリ”辺りですかね、皆さんはどうですか?それから、この頃のライブでは「ヘヴナイザー」と言う自作楽器(サンプラーみたいなもの)を使用しています。 https://youtu.be/aFwmh3PvZN8 #P-MODEL #Perspective #JapanRecords #Drum #Minimal #ExperimentalPop #HirasawaSusumu #TanakaYasumi #TainakaSadatoshi #KikuchiTatsuya #Lyrics
Techno pop, New Wave Japan Records 2500円Dr K2
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Cabaret Voltaire “Red Mecca”
ご存知 CabsことCabaret Voltaireの4枚目のフルアルバムです。Cabsは英国の工業都市シェフィールドで1973年結成、1978年にRough Tradeと契約したインダストリアル・ミュージックを奏でるトリオ。メンバーはB/VoのStephan Malinder, G/ClarinetのRichard H. Kirk(最近、亡くなった)とelectronics/tapes担当のChris Watson(現在はBBCの音響技師にしてフィールド録音の達人で、本作発表後、脱退)。本作でも鬱々とした天気の悪い工業都市を思い起こさせる音楽を収録しているが、特筆すべきはドラムが比較的多くフィーチャーされており、曲に躍動感を与えている点です。この直後に初来日しましたが、Chris Watsonは抜けており、代わりにドラマーが加入した編成になっていました。これもJapan Recordsの配給で日本盤が出ていたので、即、レコード店で購入しました。余り重要視されていないアルバムですが、過渡期の作品としては面白いと思います。なお、日本盤には当時売り出し中だったRough Tradeのポストカードが付いています。 https://youtu.be/UZJXJjM2C3I #CabaretVoltaire #Cabs #Industrial #RedMucca, #RoughTrade #JapanRecords #Drums #RhythmMachinr #Bass #Guitar #Keyboards #Clarinet #Bongos #Tapes #EffectedVoice #StephanMallinder #RichardH.Kirk #ChristopherR.Watson #NikAllday
Industrial, experimental Rough Trade (Japan Records) 2500円Dr K2