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Peter Baumann “Trans Harmonic Nights”
元Tangerine Dream (1971年〜1977年間在籍)のシンセ奏者で、プロデュースや作曲も手掛けるPeter Baumannのソロアルバム第二弾”Trans Harmonic Nights”を今回はご紹介します。彼のバイオグラフィーは前回、書きましたので、今回は省略させて頂きます。今回のソロアルバムでは、Peter Baumann以外に、Wolfgang Thierfeldt (Drs)とBernhard Jobski (Horn)がゲスト参加しています。録音・制作は、Berlinにある彼自身のスタジオParagon Studioで行われていますが、ここは、Conrad Schnitzler先生も良く利用していますね。Baumannのセカンドは、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “This Day” (5:10)では、徐々に立ち上がるシーケンスとキックに柔らかなGとシンセが次第に絡んで、更にはVocoder-Voまで挿入され、またGも!何とも落ち着いた雰囲気の曲になっています。 ★A2 “White Bench And Black Beach” (5:30)も、落ち着いたリズム隊(ドラムマシン?)に、簡素なシンセによるメロディと思っていたら、劇的に生Drsとピアノとシンセによって躍動感ある曲へと変化します。 ★A3 “Chasing The Dream” (4:34)も、可愛らしいシーケンスに合わせて、笛のようなシンセがメロディを取っていき、やがて説得力のある強い電子音の合奏になります。Gもメロディを奏でています。 ★A4 “Biking Up The Strand” (2:26)は、3拍子の電子ワルツで、Vocoder-Voもシンセと共に歌っています。何とも優雅で落ち着いた曲調です。 ★B1 “Phaseday” (5:50)は、簡素なシーケンスとキックとシンプルなメロディで始まるドリーミーな曲ですが、途中のDrsとVocoder-Voが良いスパイスになっています。電子音の優しさに溢れています。 ★B2 “Meridian Moorland” (4:34)は、跳ねるような軽めのマシンリズムとシーケンスと簡素なシンセで始まります。途中の生Drsで一旦雰囲気は変わりますが、やがて元に戻ります。 ★B3 “The Third Site” (5:10)では、元気一杯のリズム隊とシーケンスに、勇ましささえ感じるシンセのメロディが乗ってきます。途中ピコる部分やDrsとかVoをパンする場面もありますが、最終的には、中々勇壮な曲に仕上がっています。 ★B4 “Dance At Dawn” (4:02)は、Drsとホーンによるイントロ後、細かいシーケンスや波状のシンセ、コーラスなんかで静かに盛り上がります。特にマーチングDrsが効いています。インスト曲故に、次々とメロディやリフが出てきて、バラエティーに飛んだ曲となっています。 セカンド・ソロアルバムは、前作B面とは変わり、再び、電子音楽系クラウトロックに戻って、生楽器(特にDrs)も効果的に使っているようで、Tangerine Dream以来のファンとしては嬉しい限りです。相対的に柔らかな曲が多いですが、シーケンスやドラムマシンも多用しており、個人的には、大いに楽しめました。Peter Baumannは、やっぱり、この路線で行って欲しいです。前回はNew Age云々と言っていましたが、本作品ではまだそこまでの抽象性はなく、程良いメロディラインが堪能できることもプラス10点ですね。そんな彼のソロアルバムは本当に心地良い音楽に満ち満ちていますので、聴かない手はないですよ! A3 “Chasing The Dream” (4:34) https://youtu.be/C6LuKLwMkN4?si=CTxkKZalG22bbro- [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLUxYysXweZEzXqWInwg2yTYS4HBq1EYFv&si=GZq-jtwKbVG5gJ9a #PeterBaumann #TransHarmonicNights #VirginRecords #2ndAlbum #SoloAlbum #TangerineDream #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Horn #Drums #Guests #WolfgangThierfeldt #BernhardJobski
Krautrock / Electronic Virgin Records 880円Dr K2
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Klaus Schulze “Moondawn”
いつも、独モノが多くてすいません。でも買っちゃうんですよね。プログレでも、こう言うエレクトロ物は。と言う訳で、今回は、Klaus Schulzeのソロ名義としては6枚目のアルバム”Moondawn”を紹介します。この作品で、初めて、Schulzeは巨大なMoogシンセ (いわゆるタンスでしょうか?)を使って制作したと言われており、噂ではPopol VuhのFlorian Frickeから譲り受けたとのことです。まあ、インナーのジャケ写で、多量のシンセに囲まれているSchulzeは、正直、カッコ良いっす!彼のバイオグラフィーは以前にも書いてありますので、そこら辺をご参照下さい。今回は、1976年1月に、FrankfurtのStudio Panne-Paulsenで、制作されています。先ずは、参加者ですが、Klaus Schulze (Synth, Organ, Kbd, Sequencer)だけで、ゲストにHarald Großkopf (Drs)を迎えての制作となっていますが、Schulzeの機材について、もう少し詳しく書きますと、シンセはBig Moog, ARP 2000, ARP Odyssey, EMS Synthi A, Farfisa Synthorchestraで、オルガンはFarfisa Professionalで、キーボードはCrumarで、シーケンサーはSynthanorma 3-12を使っています。これだけ見たら、ご飯3杯はいけますね。まぁ、冗談はさておき、両面1曲ずつと言う長尺の曲をそれぞれ紹介していきたいと思います。 ★A “Floating” (27:15)は、微かな電子音から始まり、Drsのキックとシーケンスへと移行、EMSシンセらしきSE音も加わり、次第に盛り上がっていきます。とにかく反復するシーケンスと滑り込んでくるストリングス風のシンセ音が心地良い。Drsによるビートと言うよりシーケンスによるビート。更に入れ替わり立ち替わり、シンセ音のメロディが挿入され、やがてリズム隊が前面に出て、盛り上がってきます。Drsも手数が増えてきます。ここら辺は確かに「浮遊感」がありますね。そして、フェイドアウトしていきます。 ★B “Mindphaser” (25:22)は、這うような電子音とホワイトノイズで始まり、ゆったりとしたメロディも、SE的な雷鳴音と共に、明瞭化してきます。ストリングスらしきアナログ・シンセの音が耳に優しく、ジリジリと大きくなっていき、一気に、Drsとオルガンのパートに切り替わり、EMSやMoogシンセ音が飛び交い、頭の中を擽ぐられるようです。ほぼ単一コードで進行していますが、多彩なシンセ音が次々に立ち現れ、またDrsも叩きまくられ、シーケンスも挿入されます。電子音は重層化し、小宇宙の大セッションへと。そうしてカオスとなって曲は締められます。 いやー、聴き応えのある作品ですねー。2曲とも一代電子音絵巻の如く、じっくりと聴くことができます。シーケンスも手弾きシンセもDrsも、非常に上手く絡み合っており、また、ミックスも秀逸です。Suezan Studioの小柳カヲルさんによると、本作は、”Picture Music”からのロマン主義的作風の頂点とのことで、なるほど!と納得してしまいます。各曲に物語性があり、そのピークの前後のミックスが見事です。電子音は決して無機質ではないとの証明が、本作品には溢れていますので、そんな音楽を体験するにはもってこいです!さあ、聴いてみましょう! https://youtu.be/BfZr-mUxOlU?si=rFgfOzJVQnQreY9M #KlausSchulze #Moondawn #BrainRecords #Repress #1976年作 #6ThSoloAlbum #Krautrock #Electronic #Romanticism #Synthesizers #Moog #Arp #EMSSynthiA #Sequencer #Organ #Drums #HaraldGroßkopf
Krautrock / Electronic Brain Records 1780円Dr K2
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Harmonia “Live 1974”
またまた、来ましたよー!独のHarmoniaの1974年のライブ音源”Live 1974”です。本当は購入するつもりはなかったのですが、送料の関係で、一緒に注文してしまいました。Harmoniaのバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。簡単に言ってしまえば、Cluster+1/2Neu!って感じでしょうか?これじゃあ、ザックリし過ぎですかね。まぁ、メンバーは、Michael Rother (G, E-Perc, Piano, Organ), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Piano), Dieter Moebius (Synth, E-Perc)の3人です。今回は、1974年3月23日に、独逸GriessemのPenny Stationでのライブ音源から、A面2曲/B面3曲と言う内容になっています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Schaumburg” (10:45)は、淡々とE-Percのリズムが刻まれる中、Rotherが伸びやかにGを弾きまくり、それに絡むようにエレピやシンセも入ってくる心地よい極楽浄土な曲です。ミックスがまた「変」なところもあって、それぞれの音量が微妙です。 ★A2 “Veteranissimo” (17:25)も、可愛らしいE-Percのフェイドインから始まり、オルガン?シンセ?の音が微かに聴こえてくると同時に、低音リズムが強調されたり、Gやエレピが入ってきたりしますが、基本のリフは一定ですので、心地よいです。しかしミックスが変! ★B1 “Arabesque” (5:20)では、手弾きシーケンスにGが絡んでいきますが、微かにE-Percの音も聴取できます。どちらかと言うとG主体の曲ですね。 ★B2 “Holta-Polta” (15:00)は、一転、強力なE-Percのリズムに、ヴァイオリンのようなヒュルヒュルしたシンセやGが入ってくる曲で、何か催眠的な雰囲気になります。 ★B3 “Ueber Ottenstein” (9:30)は、ちょっとエスノなリズムとGとシンセの混合物のような曲で、どの音も自由に放射されています。この曲でもRotherのGが効いてますね。 このアルバムで面白いと思ったのは、ミックスですね。E-Percなのに、全然「機械的」な感じではなく、それぞれの楽器の音量を上げたり下げたりして、意図的に音同士の距離感を錯覚するように操作され、それにより、曲としては、何か「生き物」のような(有機的)音楽として成立しています。このミックスを実際のライブで行っていたのか?後でミックス・ダウンしたのか?は分かりませんが、面白い効果だと思いました。目から鱗!それと、全体的にはRotherの演奏が目立つようにも思いましたが、そこら辺は好き好きかと。スタジオ盤とはまた違う印象なので、気になる方には、一聴をお勧めします❗️ https://youtu.be/1Tl5fvP7LBM?si=IqBDtvFp2AZPfoXO #Harmonia #Live1974 #GrönlandRecords #Reissue #LiveAlbum #Krautrock #Electronic #Mixing #ElectronicPercussions #Guitar #Piano #Organ #Synthesizers #PennyStation #Germany #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Grönland Records €18.00Dr K2
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Moebius & Plank “Material”
またまた、出ました!独逸を代表するエレクトロニクス・デュオClusterのMoebiusことDieter Möbiusと独逸が産んだ最高のエンジニア/プロデューサーConny Plankのコラボ作品第2弾”Material”を、やっと入手しましたので、紹介していきたいと思います。前回は、ファースト・アルバム”Rastakraut Pasta”を紹介しましたので、彼等2人のバイオグラフィーはそちらを読んでみて下さい。ここでは、このデュオのバイオグラフィーは省略しますね(省略しなくても皆んな、知ってますよ!)。本作品の内容はA面2曲/B面3曲となっていますので、各曲についてご紹介していきます。 ★A1 “Conditionierer” (8:49)は、いきなりノリの良いGとDrsのビートに、Bも加わってきて、更にはSlide-Gも、と言う意外過ぎるミニマルな曲です。一体、誰が弾いているの?と思ったら、Saxまで入ってきます。 ★A2 “Infiltration” (7:41)では、スローなリズムマシンとミニマルなリフを引き続けるシンセBで始まりますが、お気楽な電子音やラジオ音等が塗されて、テク無視のGやSaxや変調Vo(?)なんかも混ざってきで、最後は盛り上がります。 ★B1 “Tollkühn” (6:12)は、ちょこまかしたシーケンスとシンセBから成る曲で、時にシンバルやGっぽい音やSE風電子音も入ってきます。頭の中で鼠が走り回るような曲? ★B2 “Osmo-Fantor” (4:27)は、チープなリズムマシンとBとGらしき音から成る曲で、所々で、好き放題のSE電子音やGが混入してきます。 ★B3 “Nordöstliches Gefühl” (7:21)も、割とスローなリズムマシンとシンセBとエレピから成るミニマルな曲ですが、笛の音のようなシンセ音が「通奏高音」になっており、それに絡まるようにシンセのメロディが爪弾かれます。エレピが良い仕事してます。 ジャケ写のイメージから、環境問題とかのもっと重めの音楽を想像していたのですが、やはりMoebiusが関わっているので、そんなシリアスな音楽ではありませんでした(敢えて言うならB3が一番シリアスかな?)。そこら辺は裏切ってくれませんねぇ。A2なんかは、Plankの手腕が遺憾無く発揮されていると思います。そう言った意味で、エンジニアのPlankの名前も冠したのは、やはりエンジニア以上の何かをしたからでしようね。確かにコミカルとも言える曲調はMoebius的ですが、それをPlankが上手くコントロールしているのではないでしょうか?でも、そんな2人ももう他界しているんですよね。合掌!そしてLet’s Listen!l❗️ [full album on 2010 reissue/remastered version] https://youtu.be/76Pj-tijsWA?si=WR9bSRLmRJnmpPN1 #DieterMoebius #ConnyPlank #Material #SkyRecords #SecondAlbum #Collaboration #Krautrock #Experimental #Electronic #Synthesizers #HammerBeat #RhythmMachine #Guitar #Bass
Krautrock / Electronic Sky Records 5750円Dr K2
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Harmonia “Deluxe”
久々ですねー。今回は、Harmoniaのセカンド・アルバム”Deluxe”を紹介します。元々、Neu!に居たMichael Rotherがもっとライブをしたいと思っていて、Clusterの2人(Hans-Joachim RoedeliusとDieter Möbius)に話を持ちかけて出来たのが、Harmoniaです。そして、今回は、Guru Guruのドラム魔人Mani Neumeierもゲスト参加しています。Harmoniaのバイオグラフィーは、以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回の参加者は、Michael Rother (G, Kbd, Vo), Hans-Joachim Roedelius (Kbd, Vo), Dieter Möbius (Synth, Nagoja Harp, Vo)で、ゲストとして、Mani Neumeier (Drs)も参加しています。エンジニアとして、今回もConny Plankが起用され、プロデュースは、PlankとHarmoniaで行っています。また、今回は、1975年6月に、Forst村のCluster/Harmoniaのスタジオに、Conny Plankが移動用機材(と言っても16トラックのレコーダー)を持ち込んで、同年7月にケルンにある自身のスタジオでミックスをしており、ファーストよりも格段に音は良くなっています。と言う訳で、本作品(A面2曲/B面4曲)の各曲をご紹介していきますね。 ★A1 “Deluxe (Immer Wieder)” (9:45)は、チープなリズムマシンに、シーケンスと多幸感のある柔らかいシンセのメロディが乗って、更に反復呪文のようなコーラスで昇天しそうになる曲です。時に入るGやシュワシュワした電子音も絶妙。 ★A2 “Walky-Talky” (10:35)では、生Drsにシーケンスと伸長したGが骨格を作り、そこにメロディアスなシンセやエレピも絡んできます。様々なメロディが立ち上がっては消えてを繰り返す反復が、聴く人の心に染み渡りますね。また、Gと他の楽器とのミックス具合が最高ですね(流石、Conny!)。 ★B1 “Monza (Rauf Und Runter)” (7:07)は、イントロは伸長したGで始まり、ゆったりと進行しますが、いきなりDrsのハンマービートで、急展開になります。La Düsseldorfような感じに近いです。なので、この曲はめちゃカッコ良いです! ★B2 “Notre Dame” (4:15)は、ポリシンセのアルペジオとリズムマシンのキックから成りますが、やがて、非常にゆったりとしたシンセの海の中に居る自分を感じることができる曲です。 ★B3 “Gollum” (4:35)は、不思議なシーケンスと生Drsに加えて、柔和なシンセ音が反復し、多層化する電子音がとても心地良い曲です。 ★B4 “Kekse” (5:35)では、シンセとエレピの合奏で始まり、やがて微かなキックと優しいシンセのメロディと会話らしき音がフェイドインして、そして会話らしき音だけになって本作品を締めます。 いゃ〜これは名作ですね!特にHarmoniaの3人の出す音とゲストのNeumeierのDrsがバッチリ合っていて、良い具合にスパイスになっています。多分、リハをそのまま録音したファーストと比べると、やはりConny Plankの手腕が存分に活かされていると思います。私はもっとアンビエントなのかなぁと想像していたのですが、内容は全然違いました。Clusterを更に進化させたような趣きです❗️なので、ジャーマン・ロックに興味のある方は必聴ですよ!マスト! https://youtu.be/bhI9b5vGfUs?si=UJQht24R2-SyXbv7 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lG3xMyEO10IoO9ULhMD6lJnH_jXxLwxbw&si=23isqjhdiR6saNzl #Harmonia #Deluxe #BrainRecords #GrönlandRecords #Reissue #Remastering #1975年 #2015年 #Krautrock #Electro #Synthesizers #Guitar #Drums #16TrackRecorder #Engineer #ConnyPlank #Neu! #Cluster #GuruGuru #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMöbius #Guest #ManiNeumeier
Krautrock / Electronic Brain Records / Grönland Records 3630円Dr K2
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Edgar Froese “Ages”
今回は、独電子音楽界の巨匠でもあるEdgar Froeseの4枚目のアルバム”Ages”のRecord Store Day用の特別盤を紹介しようと思います。内容が大きく変わっている訳ではないですが、まあ特別盤と言うことで、装丁はえらく豪華になっています。今回のリリースは、仏のレーベルCulture Factoryからとなっています。Edgar Froeseのバイオグラフィーについては、以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。 本作品は、元々は、1978年にVirgin Recordsより2枚組LPとしてリリースされていた作品で、彼にとって、ソロアルバムとしたは4枚目に当たります。皆さん、ご存知の通り、彼は、Tangerine Dreamを率いていた訳ですが、ソロでも音楽制作を行っていました。本作品では、Klaus Krügerがパーカッションでゲスト参加していますが、それ以外は全てFroeseが演奏しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️LP1 ★A1 “Metropolis (Inspired By Fritz Lang's Movie)” (5:41)は、淡々としたシーケンスに様々な音色の上物シンセが波状に被さっていくドラマチックな展開の曲で、シンセの音作りが素晴らしい。そしてDrs(又はPerc)が加わり、躍動する音が曲を生き生きさせています。 ★A2 “Era Of The Slaves” (8:11)は、怪しい雰囲気のミニマルなシーケンスと、それに攻めぎ合うフルートっぽい/横笛っぽいシンセのメロとサブ・メロのシンセが秀逸な曲です。やがて、僅かながらリズムマシンや生Percも入ってきて盛り上がります。 ★B1 “Tropic Of Capricorn” (20:47)は、いきなりドラマチックなシンセとベース・シンセのコンビに、オペラのようなサブ・ シンセから成るイントロから一気に流れ込んでくる一大電子絵巻物です。 ◼️LP2 ★C1 “Nights Of Automatic Women” (10:06)は、交響楽のような分厚い電子音の壁で、やがて、リズミックなシーケンスと生Drsが曲を引き締めます。それらが複合して、遠くまで飛んで行きそうな躍動感を感じますね。 ★C2 “Ikarus” (9:14)では、ダークなシーケンスから始まり、天女の歌声のようなシンセ音が絡み、その反復によるトランスが心地良く、叩きまくる生Drsと弾きまくるGが、Froeseはロック側の人間であることを如実に証明しています。 ★D1 “Ode To Granny A” (4:43)は、やや牧歌っぽいハーモニーを奏でるシンセとシーケンスから成る曲で、タンバリンの鈴の音が心に響きます。 ★D2 “Pizarro And Atahuallpa” (8:15)では、土俗的Percで始まり、伸びやかなシンセの電子音が重層化して響き渡ります。そうして、シンカッションも加わり、次第にノリも良くなってきます。 ★D3 “Golgatha And The Circle Closes” (9:36)になると、ポツポツとしたシーケンスの上に、すっかり落ち着いた雰囲気のシンセの音色とフレージングが乗ってきて、少しのばかりの高揚感と共に、弾きまくるGも印象的で、最後のDrsも含めて! 今まで、Edgar Froeseのことを、確かにKrautrockだが、そんなに「ロック・ミュージシャン」とは思ってはいなくて、アンビエント作家の印象で見ていましたが、本作品を聴いてみて、Froeseの根っこにはロックの血が流れていることに気づかされました。そう言う意味で、彼の本性を理解していなかったと考え直すキッカケになったアルバムでした。そこら辺も含めて、目から鱗の作品ですので、Edgar Froeseの本質を知りたい方は、このアルバムは必聴でしょう❗️ [original full album] https://youtu.be/ro0QMknW7Ak?si=mG-cbOhsRHgslfbE #EdgarFroese #Ages #CultureFactory #VirginRecords #Reissue #Remastering #RecordStoreDayDexuleVersion #4ThAlbum #ColorVinyls #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Sequencer #Guitar #SoloAlbum #Percussions #KlausKrüger #Founder #TangerineDream
Krautrock / Electronic Culture Factory (Virgin Records) 3608円Dr K2
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Conrad Schnitzler “Con ‘72”
ついつい買ってしまうんですよ、Conrad Schnitzler先生のレコード。本作品”Con ‘72”は、英国の独逸会館でのライブ音源のようです。しかも、まだカセット・コンサートではなく、EMSのSynthi Aでの実機でのライブのようです。取り敢えず、曲名は無く、両面共1曲ずつ収録されていますが、恐らくは一連の曲を無理に2つに分けたのだと思います。Schnitzler先生のバイオグラフィーは今まで散々書いてきましたので、そちらをご参照下さい。それでは、内容のご紹介をしたいと思います。 ★A “Untitled” (20:52)は、驚異の「変態シンセ」こと、EMS Synthi Aを使い倒して、変な電子音を次々と放出しています。メロディもリズムもハーモニーも無いです。ひたすら、純培養された電子音そのものです。時に、無音になっても構わず、演奏し続ける気迫が素晴らしい。 ★B “Untitled” (22:29)も、A面の続きみたいですが、途中で無音になって、「えっ、もう終わり?」と思っていたら、見事に復活。Schnitzler先生と言うと、カセット・コンサートが有名ですが、初期では、このように生演奏もやっていたんですね。そう言う意味では、貴重な記録だと思います。 とにかく、シンセ、触って、気持ちの良い音を探して、ノブやスイッチをこねくり回している姿は、まるで、子供が何かスイッチとかで動くおもちゃを最初に買ってもらった時の衝動そのもののようで、Schnitzler先生の満面の笑顔が直ぐに頭に浮かびます。そんな、貴重な記録が残っていたことに感謝ですね。Space Machineとか好きなリスナーさんはきっと気にいると思いますので、是非❗️ A “Untitled” (20:52) B “Untitled” (22:29) う [本作品はYouTubeには上がってなかったので、参考までに同じレーベルの他の動画を貼っておきます] https://youtu.be/A1pMhAKvmBQ?si=4MoAFG3-vTRszsEg #ConradSchnitzler #Con72 #Qbico #Krautrock #Electronic #LiveAlbum #London #1972年 #EMSSynthiA #Synthesizers #SynthSoloPlay
Krautrock / Electronic Qbico 2280円Dr K2
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Edgar Froese “Aqua”
“Aqua”は、Tangerine DreamのメンバーのEdgar Froeseのファースト・ソロ・アルバムですが、今回、購入したのは、それのRecord Store Day用の最新ヴァージョンで、2005年にViennaで録音し直した曲をリマスタリングしての「再発」盤となります。また、今回のリリースの際には、ボートラとして、B2”Upland”に対するアンサーソングらしきB3 “Upland Down”が追加されています。Edgar Froeseに関しては、以前にも紹介していますので、彼のバイオグラフィーについては、そちらをご参照下さい。 それで、本作品ですが、先述のように、A面2曲/B面3曲となっています(勿論、B3はボートラです)。それだは各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Aqua”は、タイトル通り、実際の水音から始まり、ゆったりとしたテンポで、シンセによる「水音」も含めて、ミニマルな電子音が続いていきます。リズムマシンの打ち込みパターンにはプレイクビーツと思われるものも混在しており、アップデートされていますね。そうしていると、いつの間にか、シーケンスも聞こえてきて、ゆったりとしたシンセ音に包まれます。 ★A2 “Panorphelia”でも、シーケンサーは使われていますが、リズミックと言うよりも音の背景のような使い方で、柔らかいシンセのメロディと通奏低音的ベースラインが曲の主軸となっています。ここら辺のセンスが、如何にもFroeseらしいですね。 ★B1 “NGC 891”は、「飛行機」の音から始まり、緩やかなれど、多彩な電子音の輪舞を思わせるような曲で、ここでもミニマルなシーケンスが使用されています。個人的には、この位のシーケンサーの使い方が気持ち良いです。また、ミックスが絶妙で、その為か、全然飽きませんね。 ★B2 “Upland”も、泡を思わせる電子効果音とオルガンらしきポリシンセの荘厳な導入から始まり、やがて、LFOを効かせた電子効果音に取って替わられるかと思いきや、冴えたミックス操作で乗り切っています。最後には逆回転が!それから、この曲では、バイノーラル録音の為に、dummy head (別名artificial headとかKunstkopfまたはHead & Torso Simulator)を使っての録音が行われています。 ★B3 “Upland Down (bonus track)”でも、オルガンらしき音と泡のようなSEに加えて、何と!ドラム(生Drsか?ドラムマシンかは不明)によるディスコ調のリズムとオルガンのリフがミニマルに鳴り響きますが、ボーナストラックなので、短い曲になっています。 私は、原曲と聴き比べてはいませんので、はっきりとは言えませんが、多分、初盤リリース当時の機材よりも、格段に、テクノロジーは進歩していますので、その分、表現も豊かになっているのでは?と想像します(妄想します)。しかしながら、過去に作曲した曲を再録できると言うことは、譜面があると言うことで、そっちの方にビックリしました❗️(当たり前と言えば、当たり前か?) また、彼の表現力にはいつも驚かされますね。このヴァージョンを聴くのは稀かもしれませんが、両方持っている方は、その違いについて教えて下さい! [full album] https://youtu.be/DZ2oCrCxotU?si=siJkJzsZylXv2ty2 #EdgarFroese #Aqua #CultureFactory #VirginRecords #Re-recording #Vienna #2005年 #Reissue #RecordStoreDay2022 #Krautrock #Electronic #Synthesizers #DummyHeadRecording #BonusTrack
Krautrock / Electronic Culture Factory (Virgin Records) 不明Dr K2
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Harmonia “Musik Von Harmonia”
やっと入手しました。独ロック界のスーパーグループの一つHarmoniaのファースト・アルバム”Musik Von Harmonia”をご紹介します。Harmoniaは、簡単に言ってしまえは、「Neu!のMichael Rother+Clusterの2人Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedelius=Harmonia」と言う数式になります。それは置いておいて、簡単にバイオグラフィーを書いておきます。1971年に、Clusterの2人は、西独Weser川の近くの田舎町Forst村に引っ越してきて、そこで古い農家に住んで、音楽制作を始めます。一方、1973年初頭には、Neu!のMichael RotherはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusと会っています。それで、3人でジャム・セッションをやってみて、Rotherはかなり2人との音楽性が気に入り、良いライブバンドになると確信し、3人はForst村のClusterのスタジオで録音を開始します。Harmoniaと言うネーミングは「合唱団」と言う意味の独逸語から半分冗談でつけたらしいです。そこで、Harmonia名義で、2枚のアルバムを作製します。一つが1974年にリリースされた”Musik Von Harmonia”で、もう一つが、1975年にリリースされた”Deluxe”です。特に前者は、旧式のミキサーと3台のテープレコーダーとで録音され、3人がセルフ・プロデュースしています。この後、RotherはNeu!の3枚目のアルバムの録音の為、一旦抜けます。2枚目の”Deluxe”の時は、Conny Plankが共同プロデューサーになって、16トラックの録音機材とミキシング・デスク、それに、Guru GuruのMani Neumeierの生ドラムを加えて作製されています。その為、Clusterの即興的なアプローチよりも、Rotherのロック/ポップな面が強調され、3人の間にも適度な緊張感が生まれたみたいです。ツアーは1976年夏に終わり、3人はそれぞれがソロワークを始めますが、同年9月には再びHarmoniaとして集まります。その時に、Forst村のスタジオに、Brian Enoが訪ねてきて、11日間滞在し、そこでHarmoniaと録音をしています。その時、Enoは、4トラックのレコーダーとVCS3シンセを持ち込んでいました。この時のマスターテープは長い間紛失したと思われていましたが、1997年に見つかり、アルバム”Tracks and Traces”としてリリースされています。その後は、それぞれがソロ活動していきますが、2007年に、アルバム”Live 1974”をリリースして、Harmoniaは再結成されます。そのライブというのが、1974年3月23日に独GriessemのPenny Station Clubでのライブ音源です。そして、2007年11月27日に、BerlinのHaus der Kulturen der Weltで行われたWorldtronics Festivalのオープニングで、また3人でライブも復活させています。その後も、色々なフェスに出演していますが、2009年にHarmoniaとしての活動は停止しています。また、2015年7月に、Dieter Moebiusは他界しています。以上がHarmoniaの足跡です。 それで、本作品でもあるHarmoniaのファースト・アルバムを紹介します。取り敢えず、メンバーは、Michael Rother (G, Piano, Organ, E-Perc), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Kbd, Piano, E-Perc), Dieter Moebius (Synth, G, E-Perc)です。A面に3曲、B面に5収録されています。 ★A1 “Watussi”はリズムマシンの単調なビートにミニマルなシーケンスが土台となり、それに、恐らくRotherによると思われる伸びやかなギターやシンセか乗ってくる曲です。 ★A2 “Sehr Kosmisch”は心臓の鼓動のようなリズムで始まり、やがて不明瞭なリズムか刻まれ、スペーシーなシンセ音とピアノの単音がゆったりと流れ、最後に心音に戻るタイトル通りの曲で、アンビエント色が濃いです。 ★A3 “Sonnenschein”は、一転して、インド音楽のような旋律と跳ねるリズムから成る活発な曲です。 B面に移ります。 ★B1 “Dino”はかなりNeu!っぽいハンマービートから成るロック調の曲ですね。 ★B2 “Ohrwurm”は不気味な唸り声のような音から始まり、シタールのようなギターの音やポツポツとした電子音が絡まるビートレスな曲て、異色ですね。 ★B3 “Ahoi!”もビートレスに近い、非常にゆったりとしたアンビエント調の曲ですが、後半にシーケンスが少し入ってきます。 ★B4 “Veterano”では、また一転して、マシンリズムのビートの効いた曲となりますが、まるでEsplendor Geometricoみたいです。 ★B5 “Hausmusik”では、ピアノの連打とマシンリズムか交互に立ち現れる曲で、ミックスが興味深いです。 と言う内容なんですが、私はもっとアンビエントなのかなぁと思っていましたので、意外にもビートがあったりするところも含めて、個人的に好きなアーティスト3人が作っていると言うだけで、もう感動モノです。EnoもJulian CopeもHarmoniaを1970年代中期で最も重要なバンドと評しているのが、良く分かりました。マスト・アイテムですね‼️ A1 “Watussi” (5:55) A2 “Sehr Kosmisch” (10:50) A3 “Sonnenschein” (3:50) B1 “Dino” (3:30) B2 “Ohrwurm” (5:05) B3 “Ahoi!” (5:00) B4 “Veterano” (3:55) B5 “Hausmusik” (4:30) B1 “Dino” (M. Rother[Neu!+Harmonia] live at Copenhagen) https://youtu.be/Szrnko7NoEU [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n-l8GU6J9Zkz0S2fScrwtE9GQr5l_CNsA #Harmonia #MusikVonHarmonia #BrainRecords #GrönlandRecords #Reissue #Krautrock #Electronic #Neu! #Cluster #Synthesizers #Guitar #RhythmMachine #ForstVillage #1974 #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Brain Record / Grönland Records 3300円Dr K2
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Cluster “Cluster II
漸く手に入れました獨逸の至宝Clusterのセカンド・アルバムです。こちらは”C”の方のClusterになりますので、メンバーはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusのデュオになります、まあ、ここら辺のバイオグラフィーは以前にも書きましたので、省略しますが、3人目のメンバーとして、Conny Plankが関わっていたことは注目すべき点です。それで、本作品ですが、全体的にはアンビエントともスペーシーなロックとも言えない、ちょっと中途半端な感じもするのですが、その一方で、特にA2 “Im Süden”のギターと低音電子楽器の捻れるような絡みと上昇していく曲調は圧巻ですね。また、B3 “Nabitte”のピアノと連打音もカッコいいです。今でこそ、機材が進歩して、安価にこの手の電子楽器(シンセやエフェクター)は入手し易いですし、簡単によく似た音楽も作れるとは思いますが、1972年の時点で、このような電子音楽をやっていた、その熱意と革新性には驚愕しますね。所謂「プロト・インダストリアル」な音楽ですね。そんな電子音楽を体験してみませんか?新たな発見があるかも?是非是非、どうぞ❗️ 曲順: A1 “Plas” A2 “Im Süden” A3 “Für Die Katz'” B1 “Live In Der Fabrik” B2 “Georgel” B3 “Nabitte” A2 “Im Süden” https://youtu.be/6aqr4BlWjlo?si=oeVA901eoQ6a0FZA [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLs9zwqXsceUjsUkkDuYTBX1m7o8jLEaGA&si=iKCxu8zi6UWiUaK6 #Cluster #ClusterII #Brain #GermanRock #Krautrock #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #ConnyPlank #ElectronicMusic #Synthesizers #Guitar
Krautrock / Electronic Brain $20.50Dr K2
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Cluster “Zuckerzeit”
裏ジャケで二人仲睦まじく写っている写真を見るとほっこりしますね。Cの方のClusterです。彼等としては三枚目のアルバムになります。彼等とはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusのことです。電子音楽の始祖とも言える宅録風なアルバムです。もう今までもバイオグラフィーは書いているので省略しますが、二人の個人としてのバイオグラフィーは少し補足しておきます。Dieter Moebiusは、BerlinのAkademie Grafikで絵画を学んでいる学生の時に、バイトしていたレストランで、Conrad Schnitzlerと会います。その時、Conrad Schnitzlerは、Hans-Joachim Roedelius.とZodiak Free Arts Labをやっていました。それでトリオとして1969年にKlusterを始める訳ですが、Conradが、抜けた後、KをCにしてClusterとしてデュオで活動。彼はグラフィック・デザインができたので、Clusterのジャケとかも作っています。一方、Hans-Joachim Roedeliusは若い頃は不本意でしたか、Hitler Jugendでもありました。そんなこともあって戦後、2年間、牢屋に入っていたとか。一度は心理療法師やマッサージ師として働いていましたが、直ぐに嫌なって、自分の好きな音楽をやり始めます。1968年に、彼は「人類」と名付けられた音楽のコミューンを、更にベルリンのアングラ文化の拠点として、Zodiac Free Arts Labをコンセプチュアル・アーティストのConrad Schnitzerと始めます。そこで、Dieter Morbiusと知り合いなり、後は前述の如くです。ここら辺にしておきます。 それで、本作品ですが、全編通して、宅録のような音質で録音された曲が並びます。解説のAsmus Tietchensよると、これは2つのミニアルバムを一枚のアルバムにしたようなものらしいです。一応、担当楽器は、Dieter MoebiusとHans-Joachim Roedelius (G, Hawaiian-G, Piano, Organ, Synth)です。プロデューサーはClusterの2人とNeu!のMichael Rotherですので、そんな仕上がりになったのかもしれませんね。しかし、これを聴いたら、自分もできるんじゃないか?と思う方もあるかもしれてません(例えば、DD. Recordsの鎌田忠さんや鶴田くんなんかもその口ではないでしょうか?)。A面1曲目は、なんだか、ヒカシューの「プヨプヨ」を思い起こすようなベースラインです。何か、妙にチープなリズムボックスが使われていますね。その上をウニョウニョしたシンサの音や自作電子楽器の音がはいずり回ると言うちょっと「変態チック」な曲です。しかし、それも計算の内で、敢えてこんな録音にしていのでは?とも思います。そんなサウンドですが、中々楽しめますので、是非皆さんも❗️因みにタイトルは”Sugar Era (砂糖の時代)とのこと。そんなに甘くはないですよ!この盤は露の再発専門レーベルからのリイシューです。やるなぁ! 曲順(LPとCDは同じです) A1 “Hollywood” A2 “Caramel” A3’”Rote Riki” A4 “Rosa” B1 “Caramba” B2 “Fotschi Tong” B3 “James” B4 “Marzipan” B5 “Rotor” B6 “Heiße Lippen” https://youtu.be/cyQWxFIdarg #Cluster #ZuckerZeit #Brain #Lilith #Reissue #Russia盤 #Krautrock #Electronic #宅録 #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #MichaelRother #RhythmBox #Synthesizers
Krautrock / Electronic Lilith (Brain) 不明Dr K2
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Cluster “USA Live"
でましたよ!”C”の方のCluster!今回は1997年に行われたUSツアーのライブ音源です!オリジナルは”First Encounter Tour 1996”と言うタイトルで、ジャケも違って2枚組CDとして米国Purple Pyramidからリリースされています。本作品はそこから長尺の曲を除き、LPとしてリイシューしたものです。ここで言うClusterとはDieter MoebiusとHans-Joachim Roedeliusのデュオのことです。ただこの時期までにMichael RotherとのトリオでHarmoniaをやったり、 Klaus Dingerとも絡んだり、またMoebius, RoedeliusとRotherで1976年に”Deluxe”を出したり、その後、Brian Enoともコラボして、1977年には”Cluster & Eno”も作製、そのゲストにCanのベーシストHolger CzukayとシンセでAsmus Tietchensも参加したりしてます。それ以外に、それぞれのソロアルバムも出しています。そして忘れてならないのが、Conny Plankとの共同作業です。1981年にClusterはアルバム”Curiosum”を出してから、8年間の沈黙に入ります。沈黙と言っても、ソロ活動はそれぞれが続けております(この間にGuru GuruのMani NeumeierとConny PlankとMoebiusは名作”Zero Set”をリリースしたりしてます。1989年に、Clusterは”Apropos Cluster”を出してリユニオンしてます。1995年にはアルバム”One Hour”をリリースしますが、この後14年間スタジオ録音アルバムは出していません。翌年1996年に日本でツアーをしないか?とのオファーを受けて、敢行。日本でのツアーの内容はCaptain Trip Recordsが”Japan 1996 Live”としてリリース、その後1997年には本作品のオリジナルである米国ツアーの様子をライブ録音したCD”First Encounter Tour 1996”をリリースします。しかし、その後、2人は再び袂を分かちます。因みに、この日本ツアーと米国ツアーではKbdにしたアンビエント作曲家Tim Storyが随伴しています。とまあ、こんな調子でデュオあったり、コラボをしたり、ソロをやったりしている2人の米国ライブ録音である、本作品”USA Live”はアンビエント調の曲で、中々、落ち着いた雰囲気になっています。先ず、2人の使っている機材ですが、Dieter Moebiusは、SynthとしてKorg Prophecy, Proteus FX, Mini-moogの他にも録音済みのテープやEffect-Machine及びMixing Tableを、Hans-Joachim Roedeliusは、SynthsとしてはEnsoniqe TS10と他 にもGrand Piano, Wind Chimes, 録音済みのテープやEffect-Machine, Mixing Table, Samplerも使っています。まだPCではないのですね。また、曲は各都市でのライブ音源の抜粋を集めた内容になっています。音楽的には緩やかで流れるようなゆったりとした曲調で、もろアンビエントですね。まあ好きな人は気にいるでしょうが、それ以外の人にはフックに欠けるようにも聴こえるでしよう。しかし彼等がどの様な過程でこの境地に達したのかは評価すべきでしよう。夜、寝る時に聴くには持ってこいかな?とも思いますが、皆さんはどう感じるでしょう。聴いてみてちょ❗️ 曲順: A1 “USA Live 1 (Eugene,Oregon)” A2 “USA Live 2 (Portland,Oregon)” A3 “USA Live 3 (New York City)” A4 “USA Live 4 (Providence,Rhode Island)” B1 “USA Live 5 (Eugene,Oregon)” B2 “USA Live 6 (Phoenix,Arizona)” B3 “USA Live 7 (Phoenix,Arizona)” B4 “USA Live 8 (New York City)” B5 “USA Live 9 (Minneapolis,Minnesota)” https://youtu.be/B2-kRTFEZS8 #Cluster #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #USALive #FirstEncounterTour1996 #Ambient #Synthesizers #LiveAlbum #Krautrock #Electronic
Krautrock / Electronic Bureau B (Purple Pyramid) 1880円Dr K2
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Cluster “Cluster ‘71”
長々と説明してきました。独逸の”C”の方のClusterになってからのファースト・アルバムです。元々は、1969年にベルリンで、Dieter Moebius, Hans-Joachim RoedeliusとConrad Schnitzlerが”K”の方のKlusterを結成したのがきっかけで、Conradが抜けて、デュオになった時に、名称を”C”の方のClusterに変え、活動を続けていきます。当然、ClusterはConny Plankの協力の元、Connyが亡くなる1987年まて続きます。また、このアルバムは、発売当時は”Cluster”とセルフ・タイトルでしたが、その発売年にあやかって、後々、”Cluster ‘71”と呼ばれるようになります。このアルバムはPhillipsから発売され、当時としてはこのようなメジャーから出ること自体驚きです。ここら辺は後で書きます。その後、セカンド・アルバム”Cluster II”をリリースしますが、ここではConnyの名前が、3人目のメンバーとしてクレジットされています。そして、Brain Recordsと契約し、1975年まで続きます。その後、Korstの田舎に引っ越し、そこに農家を改造した自分達のスタジオを作ります。そこで、2人はNeu!の首謀者の一人であるMichael Rotherと共にHarmoniaを結成し、1974年に”Musik von Harmonia”を、1975年に”Deluxe”と言うアルバムをリリースし、ツアーをしますが、MichaelがKraus DingerとNeu!を本格的に始動する為に抜けます。その間にも、RordeliusとMebiusは、1974年に”Zuckerzeit”をリリース。Clusterにしてはメロもリズムもしっかりした作品となっています。”Deluxe”リリース後に、ClusterとMichaelと彼等に興味を持ったBrian Enoで、”Tracks and Traces”を1976年に作成しますが、この作品は1997年になるまでリリースされませんでした。1976-1979年はClusterにとって最も活動的な時期で、4年間に4枚のアルバムを出しています。1977年に2人は再びBrian EnoとConnyのスタジオでジャム・セッションを行い、そこから、”Cluster & Eno”をリリースします。このアルバムには元CanのHolger Czukay (B)やAsmus Tietchens (Synth)と言うゲストも入ってます。1980年にClusterはJoshi Farnbauerとライブを行い、その記録はBritish York House Recordsより限定カセットでリリースされており、”Live in Vienna”は唯一作品になっています。1981年に”Curiosum”をリリースしますが、ビートも不明瞭になり、メロも変わった感じになってるそうです。そこから8年間、Clusterは活動を休止したいますが、ソロ作品などはリリースしています。これも以前に紹介しましたが、MebiusはConnyと、Guru GuruのDrのMani Neumeierと大傑作”Zero Set”を作ってます。そして、1989年にCluster は再結成します。そんなこんなで、また休止期が来て、再度活動再開になりますが、2010年にロンドンでライブを境に活動停止となります。この間にも2人はソロ作品をリリースしています。ザッとこんなバイオグラフィーになります。 それで本作品ですが、私の持っているのは、オリジナルではなく、仏のBureau Bから再発されてものです。因みに、担当は、H.J. Roedelius (Organ, Cello, Audio Generator, Amplifier, Hellas)とD. Moebius (Organ, Hawaiian-G, Audio Generator, Amplifier)で、まだシンセは使っていないですね。オルガンや自作電子楽器(?)によるインフロヴィゼーションと言えばいいのか、何とも掴みにくい電子音がゆるゆると流れるように絡みついては離れるように流れていきます。長尺の曲が3曲ですが、オフビートなので、不定型なんで、覚えられないんです。ある意味、当時としては、極めて実験的なことを演ってたのかも?と想像します。1980年辺りの電子音楽やノイズ・ミュージックがここから、始まったのではないでしょうか?そんな深読みも楽しいですね。シンセを楽器として使ったのは画期的だったかも?そんな古典にも触れてみてはどうでしようか? 曲順: A1 “7:42” A2 “15:43” B “21:32” https://youtu.be/9qdul2kPZrg #Cluster #Cluster’71 #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #ConnyPlank #Krautrock #Electronic #BrainRecords #BureauB #Reissue #Improvisation #Organ #AudioGenerator
Krautrock / Electronic Bureau B (Sky Records) 不明Dr K2