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近鉄ク6572
■モデルについて 名古屋線元特急車のモデルです。昭和40年代半ばの製品だと思います。このモデルも2灯化、中央に両扉を増設した姿ですが、当時は実車もまだまだ急行に活躍していた時代でした。正面窓がHゴムになっていますが、Hゴムになったのは2次車からなので製造エラーです。お気に入りのモデルなのですがペアの電動車がないのがとても残念です。 ■実車について 昭和28年、大阪線2250系に呼応して狭軌だった名古屋線に投入された特急車でした。原形は大型1灯、2扉でしたが昭和38年に格下げされると3扉化されさらに2灯化されたため優美なスタイルを崩しました。晩年は養老線に転籍しましたが、最後までセミクロスシートで特急の面影を残していました。第1編成が大井川鐵道に譲渡されましたがすでに廃車になっており現存しません。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄ク6562
■モデルについて 名古屋線で活躍した急行用車輌のモデルです。昭和40年代後半の製品だと思います。昭和43年に2灯化された姿になっています。実車が制御車のみの形式であり、完成品としてのモデルは珍しいと思います。キットでは発売されていなかったのでロコモデル私鉄館にこの車輌のキットを発注したことがあります。注文キットにもかかわらず価格は割増しもなく、手作業で図面を描きポンチで窓抜きをして納品してくれる商売は今では考えられないことです。 ■実車について 6301系をはじめとした中型車の電動車が多く在籍した名古屋線の制御車として昭和27年に5輛製造されました。 仲間のうちク6561は6421系と編成するため特急車サ6531に格上げ改造されました。晩年は養老線に転籍しましたが、ク6562は電動化されモ6562になっています。モ6562+ク6563の整った編成を見ることなく昭和59年に廃車されました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄モ6241
■モデルについて 旧伊勢電鉄モハニ231の事故復旧車のモデルです。昭和40年代後半の製品だと思います。6301、6311、6331、6401系とほぼ同形で型紙も同じものが使われていますが、両運転台で好ましいスタイルのこの車輌はロコモデル社長の好みだったようで完成品は幾度となく販売されています。系譜では同じクニ6481をトレーラーに従えた姿をモデルで再現しました。 ■実車について 旧伊勢電鉄モハニ231のうち231,238を火災で焼失したため、昭和14年に6301と同車体を新造して生まれた車輌で付番し直されています。モーターも旧車流用のため出力が小さく同形車の6301系などとは共用されることはなく常に2輛ペアで運用されていました。昭和46年に養老線に移籍し、モ6241は電装解除されク6241になっています。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄クニ6481
■モデルについて 旧伊勢電鉄本線主力車の晩年のモデルです。昭和40年代後半の製品だと思います。このモデルもキットが発売されていますが、相棒の同形電動車がないため制御車のみの完成品は珍しいと思います。運転室側の正面窓は木枠とHゴム化された車輌と存在していましたのでモデルでも作り分けされています。ロコモデル社長の手書きである「手荷物」のロゴと行き先サボが長閑だった養老線の雰囲気を醸し出しています。 ■実車について 旧伊勢電鉄の元モハニ231です。昭和5年製で転換クロスシートを備えた優れた高速車でした。戦後近鉄となって電装が解かれ荷物室がついたままトレーラーとなりました。名古屋線では6301系などの制御車のない電動車と編成されていましたが、仲間の4輛は南大阪線の5820系「特急かもしか号」になっています。晩年は養老線、伊賀線に転出しました。養老線では荷物運用もあり荷物室には手荷物ではなく農家から出荷されたヒヨコが載せられていたのには驚きました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄ク3111
■モデルについて モ2227のトレーラーで昭和40年代後半の製品だと思います。電動車とはトイレか運転室かの違いだけで基本的には同じ型紙が使われています。実車は昭和40年に3扉化されていますが、ダークグリーンからマルーンへの塗装変更も実施されていましたので、マルーン色の2扉車が実在したかどうかは資料がないため未だ不明です。モデルとしてはモ2227と2輛セットでとても整っています。安達製作所よりブラスモデルが発売されています。 ■実車について 昭和16年製で5輛製造された2227系の制御車です。それにもかかわらず同形電動車と組んで運用されることは少なく、1400系や2000系など他形式車輌と編成して大阪近郊の通勤輸送に使用されました。昭和40年に両開の客扉を中央に設け、優美なスタイルは崩れました。皮肉なことにこの頃から同形電動車と編成されることもありました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄サ3006
■モデルについて 2200系中間車のモデルで、昭和40年代後半の製品だと思います。2200系の編成モノでは欠かせない車輌なのですが、模型では中間車は人気がありませんでした。ある日、地元の模型店で親子連れの客がロコモデル製の名古屋線6301系17m中型車を買い、さらにそのトレーラーを探してもらっていました。しかし中型車のトレーラーはあるはずもなく、この20m車のサ3000を見つけて買っていきました。編成上釣り合いがとれないのに走らせて遊ぶことを考えていたのでしょう。まだ電子ゲームもなく、親子で楽しむ遊びとしての鉄道模型だったことが長閑な昭和時代を感じさせます。 ■実車について 昭和5年に製造された2200系の中間車です。客扉が両端に寄せられているため国鉄客車さながらのスタイルになっています。戦後一部の車輌がクリームイエロー+ダークブルーの特急に格上げになりました。昭和30年代後半から3扉化され、昭和40年代前半にはタンク式トイレを設置しています。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 4,200円塩浜検車区
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近鉄モ2227
■モデルについて 元祖近鉄特急となった2227系モデルです。昭和40年代後半の製品だと思います。2200系の増備車ですがフルモデルチェンジしたようなスタイルになりました。ロコモデルでも2200系シリーズとして早くから製品化しています。再販も多かったのですが、その都度、違った表情のモデルになっています。その中で、このモデルは艶ありレッドマルーン色の晩年仕様で良好な仕上がりになっています。昭和59年にブラスモデルがモデル8から発売されています。 ■実車について 参宮急行電鉄が昭和14年に投入した2200系の増備車で20輛製造されました。客扉位置を変え、張り上げ屋根となったため2200系とはスタイルが大きく変わり2227系あるいは2200新系と別名で呼ばれています。昭和14年製は正面に縦樋を付けていました。昭和22年から大阪-伊勢宇治山田間特急車に格上げとなっています。様々な車体更新を受けていますが、3扉化はされていません。昭和52年に2237が事業用車になり形式消滅しました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄ク5911
■モデルについて モ5945のトレーラーです。これも昭和40年代後半の製品だと思います。実車の雰囲気をよく捉えたロコモデルらしい仕上がりになっています。 地元の模型店で初めて買ったのはこの車の兄弟のク5931でした。完成車体をいくつか見せてもらったその中で見つけた珍しい完成品で、近鉄電車で初めて見た小柄で格好のよいスタイルが気に入り子供ながらに真っ先に欲しくなったモデルでした。このモデルは残念ながら遊び尽くして傷みが激しく若い頃に手放してしまいましたが、老年になってから再び同型車のモデルを手にすることができ感激しました。 ■実車について 旧三重交通が所有していたク601です。いわゆる張り上げ屋根のスタイル、ロングシート、手動開閉式の2扉車で合併して近鉄所有になりク5911に改番されました。合併前に正面に貫通扉を設けました。志摩線広軌化後は転籍先もなく廃車になりました。張り上げ屋根なので雨水が垂れないように扉直上に直線上の水切りを付けているのが特徴ですが、現在の近鉄車輌に同じ水切りが設けられたのは1998年頃からです。この車輌は1952年製ですが46年前にすでに乗客に優しい設計がされていたことに驚かされます。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区
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近鉄モ5945
■モデルについて 旧三重交通志摩線からの引継車で、昭和40年代後半の製品だと思います。多くの私鉄を合併した近鉄が所有する車輌の中にあって、異彩を放つ近代的なデザインでありながらどこか地方観光鉄道の匂いが漂う、お気に入りのモデルです。窓サッシは丁寧に作られた紙製で別貼りになっています。真鍮パイプに付けた大きなダイヤカットのライトレンズがとてもマッチしています。台車は日光モデルD-14でインサイドギア駆動です。夏草生い茂る志摩の真夏、入り江に沿って敷かれた急カーブに車体を軋ませながら走る光景が思い浮かびます。 ■実車について 昭和35年に旧型車モニ552の機器を流用し車体のみ新造して誕生した車輌で、上半クリーム、下半グリーンの三重交通色でした。種車は荷物室を備えたロングシート車でしたが、全金製自動2扉のセミクロスシート車へ生まれ変わったことから、漁港町の生活線から観光路線への変貌が窺い知れます。志摩半島の観光開発を背景に、近鉄は合併した三重交通志摩線と終点だった宇治山田を結び広軌化して最終的に賢島まで特急乗り入れを果たすことになりますが、その過渡期にあって近鉄マルーン色に塗り替えて広軌化されるまで5年間運行されました。その後は付随車化されて養老線へ転出しました。養老線では初めてのセミクロスシート車として使用されました。
鉄道模型 16番ゲージ ロコモデル 1973年頃塩浜検車区