アイテム解説の補助線「Streamline Dragster」
初版 2024/09/07 08:26
改訂 2024/10/13 09:12
以前こんなミニカーを
紹介したことがあります。
この文中において
"Streamline Dragster"
に似ていると書いたのですが、
そもそもそれって何?というのを
自分用の備忘録も兼ねて
ここに書いておきます。
前提としてDragsterとは
何なのかと言いますと、
ホットロッド文化の中で生まれた
ドラッグレース、ゼロヨン
特化型のレースカーのことです。
骨組みのような細い車体に
V8エンジンを乗っけた
独特の形状が特徴。
現在はリアエンジンが主流ですが、
元々はフロントエンジンでした。
当初は
ホットロッドのセオリーに倣い
取れるものは全て取り去るのが
カスタムの鉄板だったのですが、
パワーソースや軽量化だけでなく
空力を活かそうとした開拓も
進められていました。
こうして実現したのが
フレームを流線型のカウルで覆い、
前や後ろのタイヤにカバーを付けた
独特なルックスのドラッグマシン、
Streamline Dragsterです。
車体が受ける空気の流れを
ダウンフォースによる
トラクションの増強であったり
直進安定性の強化に用いる
というコンセプトをもっています。
ドラグスターの歴史において
かなり早い段階から
こうしたマシンは存在しましたが、
ちょうどエンジン位置が
フロントからリアに変わる
1960年代の中期頃に
このブームは最盛期を迎えます。
まだ私のコレクションには
ありませんが、
1970年頃にドラッグレースの王者
Don Prudhommeや
Tom McEwenらが駆った
ウェッジ・ドラグスターは
この系譜に連なるマシンであり、
ミニカー・プラモデルにもなった
非常に有名なマシンでもあります。
(https://www.motortrend.com/features/drag-racings-twilight-zone-streamline-dragsters/)
↑この記事の大部分を意訳して
このLabログを書いてるので
気になったら見てみてください♨︎
このようにして栄えた
ストリームラインですが、
現在のドラグスターを見れば
分かっていただけるように
今やウイング以外の空力装備は
殆ど見られなくなりました。
流麗な見た目とは裏腹に
過剰な空力装備は車重の増加や
気流の不安定化という
逆効果を招く羽目になり、
時代の徒花として消えていき
主流にはならなかったのです。
さて、
改めてMAD FASTを見てみますと。
軽量化の観点から言って
まず無意味なバブルキャノピーや
タイヤ前後のガード、
曲面中心のうねるような造形。
Streamline Dragsterの系譜
と言われれば
そんな感じがしないでもない…
あながち荒唐無稽な
コテコテ謎車とも言いきれない
不思議な魅力がある気がします♨︎