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張碓駅の硬券入場券
★共産主義国ゲートウェイ
かつて秘境駅として非常に有名だった張碓駅の入場券です。1995年(平成7年)から予約制で発行されたJR北海道の全駅入場券セットから抜き出した1枚です。この入場券セットは通販により希望者全員に販売された為、そんなにレアではないようですが、発行された時代が悪かったようで、特に道南・道央など前期に発行されたものに茶色く変色する現象が見られるのが大変残念です。しかし、この駅名の切符は状態や年代・発行形態を問わず、かなり人気があると思われます。
この切符は入手時の状況が特異だったので数ある北海道の入場券から選定しました。まず、この入場券の券面日付は平成7年8月1日で、入場券の有効期間は当日1回限りとなっています。つまり、この券で実際に駅に入場する事は非現実的な事と思われます。
だがしかし!この日はどこで何をしていかたと言うと・・・
自分の車で北海道より先、ロシア・サハリン州へ渡航するにあたり、小樽での税関手続きの待ち時間が発生した為、この時間を利用して小樽駅から張碓駅まで往復したのです!鉄道で言うと間合い運用といった所でしょうか?張碓駅への訪問は昭和61年に続き2回目ですが、丁度発行された硬券入場券の券面日付に訪れる事ができる!ラッキー!!となる・・・はずでした。
肝心の入場券が手元に無い!
自家用車で浜松から関東の実家を経て小樽からソ連崩壊後間もないロシアへ乗り入れる、という無謀な旅故に、通販での販売で切符が北海道から自宅へ届く前に出発してしまったのです。現在もこの手の入場券で実際に当該の駅(無人駅に限る)に入場する事を"儀式"と称して行っているのですが、入場券が手元に届く前に駅へ行ってしまい、入場するという"エア儀式"をやったのは後にも先にもこの張碓駅だけです。
2度目の下車なのでワクワク感は余りありませんでしたが、既に海水浴シーズンのみ営業の臨時駅となり、停車する列車も1日3往復、前回はあった硬券乗車券の臨発も無く、先は短そうだな、という印象をこの当時既に抱いていました。
やがて張碓駅は通年休止を経て廃駅となり、この旅が最後の張碓駅訪問となってしまいました。でもせっかくの張碓駅訪問だというのに、頭の中はその先の未知なる大地、ソ連が崩壊してから4年弱という、社会主義・共産主義の残滓たっぷりなサハリンへのワクワク感で一杯だったのは残念です。でも、まあ仕方無いか。