キヤノン T80 は失敗作なのか?

初版 2021/11/07 17:38

改訂 2021/11/21 11:08



キヤノン T80

https://muuseo.com/hiromaro99/items/156

hiromaro99

キヤノン初の本格AF一眼レフカメラ


アートロボ


とサブネームがつけられましたが、

T50のオートマン

T70のインテリジェントシューター

後に出るT90のタンク


そう呼んでいた人は多かったのでしょうか?(笑)


ニコンもF3がスーパーニコン

FM系がマニュアルニコン

FE系がシンプルニコン

EMがリトルニコン

FGがプログラムニコン

FAがマルチニコン

FG-20はライトニコンだったかな?


そう呼んでいた人いますか?(笑)


それはさておき。


T80は基本はプログラム

絵文字はピクトグラフと呼ばれた後々ピクチャーセレクトだの絵文字モードだの

いわれるシーン別のプログラムモードの先駆者だろう。


選択されているモードが濃く表示される液晶パネル


PROGRAM

は通常のプログラムAE

ピクトグラフの左から深度深くするディープフォーカス

動態を止めるように高速シャッター優先のストップアクション

被写界深度を浅くするシャローフォーカス

流し撮りなどをするフローイング

意図を反映できるプログラムラインを持ったプログラムAEで、

フローイングではシャッタースピードも限定的ながら選択できるある意味

限定機能シャッター優先AEとでも。

基本ACレンズは絞りリングがないのだが、カメラ側で制御すればT90のように

フルモードにできたのかもしれない。

もしかしたら、T80が結構売れてたりしたら、T90は今の形ではなく

ACレンズを駆動できるフルモードAF一眼レフだったのかもしれない。


結果論としてはキヤノンがFDマウントに見切りをつけ、

EFマウントのAF一眼レフの開発にむかったのだからいいのか?

FD、とくに締め付けリングじゃないNewFDレンズ群は非常に構造が

複雑で、マウント面のデータのやり取りのレバーや突起部分は回らず、

装着時は固定のまま鏡胴のガワ部分が回転する構造。


それらの制約を振り切り、新設計の大口径マウントしかも機械的な

ボディとレンズのやり取りのない電子マウントを作れたのだから良かったのかもしれない。


T80でFDマウントのユーザーにある意味見切りをつけてしまい、

それでも最後のサービスに開発中だったNewA-1をTシリーズの新機種として

コンセプトを合流させたT90を出してくれたのだ。

いやありがたい。

それもある意味、T90のインターフェイスになじませて、

操作性をほとんど同じEOSにユーザーを移行させたのならすごいことだ。


まるで最初から描いたシナリオのようである。(笑)


さて、本題のT80に戻ろう。


AF一眼レフ

センサーはCCDラインセンサー

マルチプログラム+実絞りAE

電源は単4電池4本 6V

ファインダーは倍率0.83倍、視野率=上下92%、左右93%

となかなかのもの。


オートフォーカスはα-7000の位相差方式ではなく、

コントラスト検知方式。

合わせに行くときはジージージーと小刻みに寄せてくる。

一気に合わせに行くオートフォーカスではないので、

ちょっと不慣れな人には遅く感じると思う。

まあ、実際に遅いと思う。(笑)


ファインダーのクロススプリットプリズムを備えたレーザーマットは

特筆もの。

通常上下スプリットや機種や交換スクリーンで斜め45度のスプリットはあるが

クロススプリットを標準装備したカメラって唯一ではないだろうか?

カメラを傾けることなく縦線横線が上下合致式でマニュアルフォーカス可能。

ほかのメーカーにも交換スクリーンであっただろうか?


マニュアルフォーカス時のACレンズは

レンズの前の左右のスリットからリングを操作するものだが、

トルクが軽いため、AF時の誤作動(駆動時指で押さえてしまわないように)

防止の意味もあるのだと思う。


基本的にフルオートで使うカメラという考えなのだろう。




珍しい純正フィルターと、フード、レンズキャップ付きでした。




ただし、レンズフードを取り付けるとフォーカシングリングに触れません。(笑)

フードもキャップもバヨネット装着です。


レンズに直接キャップを装着したらこう

フードのリングの先にも延長的なリングがありそこにキャップを装着可能。


こういうのってカタログや仕様にはないものなのだが、

フォーカシングリングが隠れるけれどもちょっといい機能。

そういえば、京セラのAF一眼レフ用のフードもフォーカシングリングを隠すものだったような覚えが・・・。


ストラップ取り付け部分がちょっと面白い

構造的にも面白いグリップ部分。


強度的にどうかな?

とも思うしホコリもたまるので微妙。



そこら辺にあったTシリーズ用スピードライトの244Tを装着してみました。


あと、比較されたライバルのα7000が液晶漏れだのグリップ崩壊だので

劣化しているのに対して、このT80はコマンドバックの液晶のふちに漏れが出ているだけで、アイカップもフードのラバーも劣化なしで快調に?動いています。

残りの二本のACレンズが欲しい今日この頃です。

ボディも増えてもいいかな(笑)


結論として、失敗作ではないが、比較対象になったカメラが悪かった

不運なカメラですね。

非常に低い評価を受けていますが、

AFオンリーのレンズだったり、

初心者用のプログラムオンリーだったAF一眼レフも多数あるので、

このカメラはこう言いうものだと理解して手元に置くのでなけらば

別にどうでもいいカメラっていっぱいあるはずですね。(笑)


カメラって使用用途で選べばいい。

普通にスナップ撮るのならT80で必要十分。

多機能のうちどのくらいの機能を使っているのか?

見失っている人がカメラを評価しても説得力はない。

と思います。


T80を愛してくれるユーザーさんのもとにあればいいのです。


(2021/11/21 加筆修正)


#コレクションログ

あれこれ好きなものが多い、多趣味なのか浮気性なのか?

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