三葉虫の真の王

初版 2024/04/06 10:41

モロッコ三葉虫の王様と聞かれたら、あなたは何を思い浮かべるでしょうか

ワリセロプス?

ディクラヌルス?

モロッコ三葉虫はその種類の豊富さもあり、王になるに相応しい三葉虫は多種に渡り存在します。豪奢な装飾は正に王に相応しいアクセサリー。しかし地味な三葉虫も案外王様に相応しかったりするもの。その地味目な三葉虫の中で最も王に相応しいと思うのが

ファコプス。つい最近色々な種類に分けられ今ではモロコプスになりました。一見じみーなダンゴムシに少し愛嬌を持たせた様な彼。しかしモロコプスの産出量は他の三葉虫と比較し圧倒的に多く、即ちこれは生物ときて大成功したといえます。同期が棘を張り巡らせてみたり目を巨大化させてみたりと、色々試行錯誤しド派手な見た目になったのに対し、モロコプスはただダンゴムシよろしく丸くなるだけ。ただ丸くるだけ。本当にただ丸くなるだけ。イカつい装備に頼らず丸くなるだけで大成功し、外敵のみならず土砂から身を守る為丸くなり、そして現代通常エンロール共々多数採掘されている。変に冒険せず最小限のままだ強かに生きる事で繁栄を極めた。これぞ正しく王者と言った所でしょう

そして忘れてはいけないのが知名度の高さ。モロコプスは教科書で引っ張りだこなくらい三葉虫の代表として登場します。その人気ぶりは凄まじく、他の三葉虫が地味に見えてくるほど。そう、一見人気のありそうなあの三葉虫もモロコプスと比べると、非常に影の薄い存在なんです。三葉虫のほとんどは三葉虫について少しでも調べないと、名前どころか影すらわからないものばかり。その知識に無知なまま知る種類といえば、エルラシアやカリメネくらいでしょう。大部分...というか9.9割近い種類の三葉虫の上で輝くモロコプスは、正に三葉虫の王様と呼ぶに相応しい存在なのではないでしょうか

「地味だけどすごいやつ」が世界には一定数存在します。そんな地味だけどすごいやつにモロコプスは入っているのかもしれません

今思うと三葉虫に惚れたのは運命だったのかもしれません

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