ライカ(クラシック カメラ)の楽しみ方(2004年頃のHPから)

初版 2020/05/25 09:21

 私流ライカ(クラシックカメラ)の楽しみ方(2004年頃のHPから)

 

 ライカブームだということを聞いてから久しくなります。若い女性がM2やM3を肩からぶら下げている姿を見かけることがあります。出版物の方もそれに合わせたようにいろいろと入門書、指南書の類を数多くだしています。雑誌など写真誌以外でも特集を組んだりしてある程度目を楽しませてくれています。


 しかしながら、それらの多くは ただブームに便乗して話題性のみを求め、うわべだけを並べているにすぎないものが多いようです。これらがライカ(クラシックカメラ)の本当の楽しみ方についてどれほど参考になるか疑問に思うものも多いです。もちろん中にはご自分の地道な研究成果を発表されている書物もありますがそれは極めて少数です。


 本拙文はこれからライカを集めようとしている方、あるいは既に何台かのライカをお持ちでこれからさらに充実させたいと考えている方にとって、無理なくゆとりをもって ご自分だけのライカアルバムを作りながらライカを楽しんでいただきたいと考えて書くものです。文中のライカをお気に入りのクラシックカメラと置きかえてもそのまま通用すると思います。なおこのアルバムをつくるにあたってアフォーダブル コレクションという小さいが内容の豊かな良著を参考としました。これは1993年にアメリカで出版された小冊子 The Affordable Collection (James Munro著)で、残念ながら全訳は紹介できませんが、さすがに「豊かな国」アメリカのゆとりある人の趣味の話だと感心せざるを得ません。


 ライカを例にしたこの本を幹として拙い経験を枝葉に、クラシック カメラをこれから収集しようとしている人 あるいは既にいくつかもっていて今後どのようにしていこうかと考えている方にとって、何らかのヒントとなればよいと思い筆を執りました。実は、この The Affordable Collection が出版された当初は、それほど興味が涌きませんでした。ほかの本のついでにこれを取り寄せ読み進めていくうちに、このような本が30年程前にあったなら、自分のライカはもっと充実していただろうに、と感じるようになり全訳をしてみました。この本には本当のライカの楽しみ方が述べられている気がします。人によって、実用的なボディーとレンズ、アクセサリーを徐々に集め撮影を楽しんだり、極上のもののみを書斎に飾るのも、珍しいものだけを手に入れたり、文献を充実させるのもさらに全種類を集めたりするのも自由です。あなたならどのようにコレクションを楽しみますか。


 では、ライカのコレクションを始めることにしましょう。まず、この コレクション の名称を「ゆとりあるコレクション」と決めます。 よくきかれる質問に「ライカの中で一番良いものは何か」というのがあります。多くの方はM3と答えるでしょう。ここで「一番良い」という言葉の中身について考えなくてはなりません。つまり、その人の目的が何かを知らなくては明言できません。撮影、機械的完成度を愛でる・・・撮影なら、その人の撮影スタイルによっても選択する機種が変わってきます。私は50mm以上のレンズしか使わないという人であっても、コストを考えると、果たして現行のM6 TTL 0.85 以上のM3を手に入れることが妥当かどうか。「M3がいい」と口で言うのはたやすいですが「良く整備されたM3が良い」と言うのは簡単ですが、良く整備されて価格が妥当な、普段用に使っても惜しくない程度の価格のM3を手に入れるというのは 普通は かなり難しいことです。修理や部品交換のことまで考えると現行のM6TTL0.85が使うならM3よりもお買得です。 主に35mmや28mmを使うと考えるなら0.72倍ファインダー付きか最近の0.58倍のものとなるでしょうが現時点で格安のものは0.72倍のもので、価格差を考慮にいれれば何もTTLフラッシュが使えなくても差し支えないでしょう。 いきなり本題から入ってしまいましたが、それは まず実際に一番使いやすい機種とレンズでライカを使う喜びを味わっていただきたいためであって、この後さらに充実させたいと考えたなら以下をお読みいただければよいと思います。広大なライカの世界に入り込むかそれとも背を向けるかはまず一つ選んで使ってみてからにしましょう。


  初めてライカを買うとき何にすべきかは当然のことながら、その人の目的によって異なります。撮影が目的ならRかM、ふだんの撮影は国産の一眼レフというならMかスクリューマウントでしょう。ここでは後者ということにして話をすすめます。「ゆとり」とは金銭的にも気持ちのうえでもつかえるなかなかいい言葉だと思います。まず、「気持ちのうえで」ととってできるだけゆったりとした気分でライカ各型を眺めてみることにしましょう。 スクリューマウントの各機種については初めての購入であるならⅢfが一番のお薦めです。


 その理由は、Ⅰ(A、B、C型)、スタンダード、Ⅱ、Ⅲ(DⅢ)、Ⅲa(DⅢa)、Ⅲbの各機種は板金のため、また発売後長期間たっており、いろいろな手を経ているものと考えられ、狂いが生じているものが多く、よほどきちんと整備されていると保証されているもの以外には手をださないほうが無難であるからです。このようなもののそうした保証付きのものは当然のことながら高価になります。Ⅲcはダイキャストボディーとなり、精密度はそれ以前のものに比べ遥かに増しますがシンクロ接点のことを考えると、やはり一台目のライカとしては二の足を踏んでしまいます。Ⅲgは最後のスクリューマウントライカとして人気があるのか実力以上に高価格となってしまっており、Ⅱfはスローシャッターがないという理由で万能ではないので 使うためのコレクションの初めには選ばないのが賢明でしょう。

 

 Mマウントの機種では だれもが名品と推すM3、ファインダーを簡略化したが35mmのフレームのついたM2、M4、大きいと人は言うがTTL露出計内蔵で便利だったM5(実際 私はこのM5を縦につるしてよく使いましたが実に使い良く、ほかのカメラでも縦につるす工夫をしました)、もう一度M4の大きさに戻ってセルフタイマーを省略しホットシューをつけたM4-2(ライカの歴史、中川一夫著 写真工業出版刊の著者は出版記念講演会でM4-2はM4-2と言っていました。)、M4-2に28mmと75mmのフレームを内蔵したM4-P、M4-PにTTL露出計を内蔵したM6、さらにM6にTTLフラッシュ機構を内蔵した現行機種のM6-TTL、絞り優先AEのM7というところが一般的なライカMで、少し前までは最小の費用でMをとなるとM4-2か充分使われたM2、M3と言えました。しかしM6-TTL、M7が発売され時間も経ち、0.58倍ファインダー付きまででた現在では、M6の実用的なものが格安で手に入れることができるようになりました。つくりのことをとやかく言っている書物がいろいろとありますが、一台目として実際に思いっきり使えるのはM6だと考えます。M6は1984年の発売以来16年にわたって製造されていたので細かい点で外観、内部機構に変化が見られます。ライツからライカへ変更、TTLメーター回路の改良(フィルムを巻き上げ軽くシャッターボタンに触れてメーターをオンにし、レンズ先端を手でさえぎってファインダーを覗いたときにLEDが点滅すれば改良品)。ストラップ取り付け金具の上のプラスティック板、LEICA M6となっていたところがただM6と大きくなったもの、そして再びLEICA M6ともとに戻っています。正面中央の赤丸の中の文字がLeitzからLeicaに変更され同時にファインダーカバー接眼部寄りにあったERNST LEITZ WETZLARがなくなった。などが挙げられます。M6には種々の記念モデルもありますが場合によってはこれらのうちの一つを選んでもいいでしょう。最小の費用でMをとなると現在ではM6、M4-2かM2となります。M2は発売後長期間たっているのでその程度は千差万別と言っていいほどあり購入には細心の注意が必要です。そこへいくとM4-2はあまり人気のでなかった機種でしかも比較的新しく、ふだん用に購入するには適当かと思います。コレクションとしての価値はないとベテランのコレクターは言うかも知れません。しかし、安くライカのレンズを楽しむのには一番好都合でありました。ありましたと言うのは最近M6TTL、M7がでて従来のM6が格安であり場合によってはM6の方が良いことも多くなってきました。つまりM6が2004年現在のところ一番のお薦め機種です。

 

 以上の理由でM型を考えているなら、M6が入門用に適当と考えますが、特別なチャンスによってM3、M2、M4、M5、M4-P、M4-2の各型の堀り出し物に出会わせたなら、それを一番先にするのがいいでしょう。いずれは一台だけでは済まないのですから、自分のコレクションに入ってくる順番が多少変わってこようとも何ら差し支えないのであります。常に気持ちにゆとりをもってライカに接することです。自然に逆らわないのがいいです。


さて、コレクションの一番目としてスクリューマウントライカを選んだとしたら、それはまずⅢfと決めましたが、ここでもまた何かの縁でⅢgが先にきたとしても同様の理由で一向に構いませんがⅢc以前の機種は一番目の選択とはしません。さきに紹介したアフォーダブル コレクション(1993年)ではⅢfをコレクション第一号として選んでいます。その理由の一つに比較的程度のよいものが容易に手に入れやすいとあげています。このような、ありふれた機種をコレクションの第一号に選ぶのは気がひけるかもしれませんい。コレクションの価値が下がるのではないかと心配するかもしれませんが、このⅢfこそが使用者にとって現在のカメラの必要条件をすべて備えた最初のライカであり、大判の写真雑誌の黄金時代にローライの二眼レフとともに第一線のカメラマン、フォトジャーナリストによって使われていたことを忘れてはなりません。つまらぬ陰口に惑わされずⅢfを選ぶべきです。余裕があればセルフタイマーのついたレッドシンクロのものがいいですがセルフタイマーがつかないブラックシンクロでも何ら差し支えありません。当面は十分に楽しめるはずです。その差額をレンズの方に割り当てたほうが賢いと思います。 ライカM6を手にして最初のレンズは何かといったら35mmのズミクロンでしょう。現在、新製品として非球面レンズを使用したズミクロン35mmアスフェリカルがでているので旧タイプのものは価格的にこれからこなれていくでしょう。この35mmズミクロンは歴史が長く、初めのタイプは1958年から1969年まで、第2のタイプは1969年から1979年まで、第3のタイプが1979年以降現在まで続いていました。1997年にモールドタイプの非球面レンズを一枚使ったものがでました。どのタイプのレンズでもその写りには満足するでしょう。とにかく一本使ってみることです。このレンズを基準として次にスクリューマウントの35mmエルマー、ズマロンなどを試すのもいいし、あるいは国産その他のスクリューマウントレンズを適当な価格で手に入れて比べるのもおもしろいでしょう。実際に自分の手にしているレンズと雑誌や本などに書かれている文章と比較すると良くも悪しくも大変な違いがあるものです。ズマロン35mmにはこんな話もあります。1954年7月1日、本田宗一郎さんと佐貫亦男さんがシュツットガルトでスクーターを製造しているハインケル博士の自宅を訪ねたとき、「みなそろって記念撮影をしようと本田さんがニコン50mmをのぞきながら後ずさりして手早くシャッターを切ったのに対し、ハインケル博士の四男カール君は平気な顔で前に立ってフラッシュをたこうとするので私が「みな入りますか」と聞くと、だまってM3のレンズを指した。それはズマロン35mmの新型広角レンズであった。」(佐貫亦男著 追憶のドイツ 鶺鴒社 1991年)M3用ファインダーアタッチメントがついた35mmのズマロンは実際には1958年の市販であるから どのタイプのズマロンが使用されていたかは不明ですがちょっと面白いエピソードです。Mボディーの良いところは最新のMマウントレンズのほかにスクリューマウントレンズアダプターを介して多種多様なレンズを使用できる点であり、それゆえに、たとえM6やM4-2という人気のないボディーであっても往年の名レンズを経験することができる事実です。ファインダーの見え方についてはその当時のⅢなどとは比較にならないくらい遥かに良くしかも35mmのフレームが内蔵されているまことに実用的な点です。またM4-2は最初の95台前後はライツの赤丸シールがM4-Pのようにボディー前面についていました。このシールつきボディーはその数が圧倒的に少なく1468001から1468100までのうちに見られます。最近ボディーナンバーはこのうちに入るがトップカバーの刻印が量産型の2番目のタイプにあたるメイド イン カナダとトップカバー上部シャッターダイアル左側に3行に刻印されているものを見ました。一台は1997年秋の伊勢丹の中古市でもう一台は1997年10月9日のクリスティーズのオークションカタログでです。伊勢丹のものにはM4-2の箱がついていましたがボディーナンバーのついていた部分はシールが剥がされたのか汚れていました。箱の中にはM4-PとR4(だったと思いますが)の2枚のパンフレットが入っていました。店員もそんなに少ないものだったらオリジナルであるわけがないと言っていました。オリジナルのボディーナンバーは初めポルトガルライツのR3用に割り当てられ後にM4-2にあてられたようです。この少数のM4-2の刻印はヨドバシカメラのライカヒストリー、中村信一著ライカコレクションによるとトップカバー上部には見られません。トップカバー後ろ側巻きあげレバー下にメイドバイライツカナダとなっているようです。またアイレット(吊り革用金具)はどちらも黒色です。ついでにM4-2の刻印のバリエーションをあげておきます。全部で6種類あげているものもあります。ほかにもあるかもしれません。こんなこともライカコレクションのおもしろいところでしょう。すっかり横道にそれてしまいましたが将来もっと深くライカのコレクションをしようと思われたならこのようなことにも留意された方がよいでしょう。


さてライカのボディーと35mmのレンズをもってひととおり写真を撮ることを楽しんだ後、次には50mmレンズを選びます。価格の点でズマール、ズミタール、エルマー(旧型)などにも気をとられるかもしれませんが、まずズミクロンを選択します。このレンズにひとまず慣れてから、エルマー、ズミタール、国産レンズ群、外国産レンズ群、ズマールと巡り会うチャンスなどによって多少の順序は都合で代えても勿論差し支えりませんが試されると良いでしょう。初めのレンズにエルマーを選ぶのであればF3.5、赤エルマー、F2.8の順でしょうが、古いエルマーはよく覗いてみないと曇っているもの、傷のあるもの、カビを拭き取った跡のあるものなどが多いので注意が肝要です。できれば初心者はレンズ部分のきれいなもの、ヘリコイドの回転がスムーズなものをよくテストして購入すべきです。最近ではエルマーの曇ったレンズを外して新しいレンズを嵌め込んだものがあると聞いています。カビはすすむとレンズのガラス部分そのものを腐食してしまうので注意しなければなりません。以上のような理由で古いエルマーよりはズミクロンの方が安心して使えると考えこれを選びましたがズミクロンも初期のものでは随分と時間が経っているのでエルマーのときと同様な注意をしたい。ただ1994年にM6Jを発売したときに限定で作ったF2.8のエルマーがその後量産されてでているのでこのレンズを第一候補としてもよいでしょう。これはまったくの新しいレンズで価格も安く安心して使用できます。近い将来スクリューマウントのボディーⅢfを購入予定であるなら50mmレンズにエルマー、ズミクロンのスクリューマウントレンズを選んでもよいでしょうが先に述べたとおりよく吟味した後に購入するのが賢明です。ライツの他のスクリューマウントのレンズは最近だされた35mm、50mm以外すべて古いからです。35mmと50mmのレンズを何本か手元においたなら、そろそろ参考書が必要になるでしょう。まず第一に挙げなくてはならないのは、中川一夫著ライカの歴史(写真工業刊)です。この本はタイトルの色に違いがあります。こげ茶色の最初のものが良いです紺色のものは中の写真の質が悪いの文章だけを読むのでなければお勧めしません。


この本を手元において実際に使っているボディー、レンズについての記述を熟読しましょう。次に何を自分のコレクションに加えるべきか見当がつきます。Leica the first 70 years は邦訳がでていますができればいろいろな理由で原著で読みたいものです。レンズの本として同じ著者のライカとライカフレックスレンズ。ライカのポケットブックの最新版は3冊ともつねに手元においておきます。


最近刊行された中川一夫著ライカ物語も必携です。これだけあればまず困りません。目を楽しませる書物としては、中村信一 ライカ コレクション、Paul Henry van Hasbroeck のライカ、James Lager ライカなどがあり、ライカ研究書としてはライカコレクターズガイド、ライカスクリューマウントボディー、ライカMマウントボディー、ライカヒストリカなどがあります。また、P-H van Hasbroeckの新著ライカ イン カラー、J. Lager の Leica Accessoriesがあります。これらの単行本以外に中古カメラの情報を得るために雑誌が必要となります。一番よいと思うのはシャッターバグでインターネットなどで最新情報を得られるならば船便でそうでなければ航空便での定期購読を勧めます。(2004年当時の話です。)また日本のカメラ雑誌にも広告がでている海外の中古カメラ店からダイレクトメールを送ってもらってもいいです。 本やカタログなどを見ていると、もっとライカのレンズが欲しくなります。当然です。ただ 最近では インターネットの発達が進んで 居ながらにして これらの情報が手に入ります。eBayなどのオークションも盛んです。これらも利用次第では 思わぬ買い物をすることができます。そのためにも 普段書物などで準備しておく必要があります。


 そこで、35mmレンズの種類を簡単にあげておきましょう。エルマー、ズマロン、ズミクロン、ズミルックスがあり、それぞれ長い製造期間に、あるときはレンズそのもの、あるときは外観のみと改良を受けているのでこれだけでもすべての種類を集めようとするとかなりの数となります。50mmレンズはどうかというと、もっと種類も数も豊富です。ライツアナスティグマット、エルマックス、エルマー、ヘクトール、ズマール、クセノン、ズミタール、ズマリット、ズミクロン、ズミルックス、ノクチルックスがあり、種々の変更を受けているものも多いです。気長に気に入ったものから手に入れていけば長い間にはかなりの数が集まり、テスト撮影などにお気に入りの被写体を風景であれ人物であれ決めておけば、よいデータが得られるし記録としても立派なものになります。 そろそろ2台目のライカが欲しくなるころでしょう。2台目には何が適当か。初めのボディーがM6ならM7、M6TTL0.85か0.58あるいはM4、M2、M3が妥当なところだと思います。初めのボディーがⅢfであったなら、そしてまだスクリューマウントライカにこだわるならもう一台のⅢf(いま持っていないタイプ)かⅡfでしょう。MマウントでよいならM6を選びます。そして、28mmレンズを探し始めましょう。28mmレンズにはヘクトール、ズマロン、エルマリートがあります。シャッターバグの広告欄を眺めていくと必ずいくつかは「これは」と思う品にあたります。値段が手頃なら早速ファックス(2004年当時の話で今ならe-mailでしょう)で注文してみます。なしのつぶてのこともあるし、在庫しているとの返事を受け取ることもあります。在庫ぎれとの返事がくるかもしれません。乱暴ないいかたのようですけどとにかく行動に移さなければすすみません。運よく在庫していると返事があったならファックスで送料共の費用を聞き送金の手配をします。一番便利なのはクレジットカードですが不安なら送金小切手などを作って郵送します。(今ならペイパルでしょう)どんな品物が送られてくるか待つのもまた楽しいものです。運悪く頼んだものがこちらの期待に反したものであったら遠慮なくクレームをファックス(e-mail)で送って返品します。 何回かあまり価格の張らない品物で海外からのメールオーダーを経験すると中には思わぬ買い物をすることがあります。特にアクセサリー類は国内よりはるかに豊富でしかも値段が極めて安いです。 少しは自信がつき、程度の基準もある程度見当がついたなら、いよいよレンズやボディーを注文します。クリスティーズのオークションカタログで入札するのもおもしろいです。 このようにして28mmを手に入れたなら、つぎは90mmのエルマーがいいでしょう。とくに二台目に0.85倍のファインダーをもつM7、M6TTLを選んだなら是非お薦めします。もちろんエルマリート、ズミクロン、テレエルマリートでも適当なものが初めに見つかればそれでもいいでしょう。90mmエルマーは50mm、35mm、135mmについで歴史のあるレンズのうちの一つで種類も程度も月とスッポンほど違います。これもなかなかおもしろいです。とにかく一本使ってみて次のと比べることです。つぎは135mmヘクトールです。これも古いレンズですが最近見直されてきていていろいろな本に登場しています。まだまだアメリカでは安いレンズです。135mmにはエルマーもあります。比較的新しいレンズとしてはエルマリート、テレエルマーがあります。ライカはよく広角レンズをつけてスナップ用に良いと言われていますが、私は75mm、90mm、135mmをつけて学会や講演会会場で盛んに撮影しました。シャッター音が小さいこと必要な部分を切り取れることで好都合です。つぎはいよいよ大物レンズ21mmスーパーアンギュロンの番でしょう。まず現行のライカ社のファインダーを手に入れておきます。この専用ファインダーを覗いた瞬間にこのレンズの購入を決意していたとしても当然でありましょうが、少々使いにくいなら(使う機会が少なそうだと感じたなら)24mmでもいいでしょう。もちろん専用ファインダーは真っ先に買っておきます。スーパーアンギュロンにはF4とF3.4とがあります。F4のものにはスクリューマウントのものとMマウントのものがります。このほかに21mmにはエルマリートもあります。まずeBayやクリスティーズのオークションカタログ、シャッターバグを丹念に調べたり、中古カメラ市に通って探します。穴場はeBayやクリスティーズだと思います。適当なものが載っています。専用ファインダーは常に頭の片隅にいれておいて機会があるたびに注意しておきます。望遠側には200mmを持ちましょう。テリートにはF4.5とF4があります。コンパクトさを求めるならF4.5、重くても性能を重視するならF4のレンズということになるでしょう。どちらもそれ程高価ではありません(とくにアメリカでは)。このレンズはヴィゾフレックスにつけて使用しますが専用のチューブを使い直接ボディーにつけることもできます。ただしこのときは距離計に連動しません。 21mmまで手に入れ、ボディーを2台、28mm、35mm、50mm、90mm、135mm、200mmのレンズを何本かもっていたとしたら、そして、ここが大事なことだと思うのですが、十分に特徴をつかみながら使っているとしたなら、あなたはもう立派なライカ使いだといえましょうしコレクターだともいえます。 今ではコピー機が普及してカメラで複写など特別なこと(スライド作り これも最近ではコンピューターで処理したほうが奇麗で便利になってしまいました)がないとしないかもしれませんが、機構的におもしろいアクセサリーに接写装置 がいろいろとでています。雑誌や中古カメラ市に適当なものがあったならコレクションに加えておきましょう。ヴィゾフレックスを既にもっているのなら65mmエルマーはいつかは手に入れておくべきレンズです。


望遠レンズは一眼レフだけのものと思われるかもしれませんが、室内で静粛性を要求されるような場合にはよく整備されたライカに優るものはないと思います。280mm、400mmなどヴィゾフレックスと共に使う不便さはありますがまた楽しいものです。 以上で一通りの機材がそろったと言えましょうが、次には少々特殊目的のための機材であるⅠf、MD、MDa、MD2のうちのどれかを求めヴィゾフレックス用としましょう。ここまできたら、あなたはスクリューマウントライカが好きかそれともMマウントライカが好きか好みが分かってくるでしょう。もしスクリューマウントライカをもっと深くコレクションしたいと思ったなら73mmヘクトール、85mmズマレックス、90mmタンバール、125mmヘクトールの各レンズがあります。もしMマウントライカなら15mmホロゴン、24mmエルマリート、35mmズミルックス アスフェリカル、50mmF1.2ノクチルックス、75mmズミルックス、180mmテレエルマリートなどのレンズがあります(2004年当時)。また同名で時期が違うとレンズ構成が違うもの外観のみ違うものその他のバリエーションがあり、カメラボディー本体やアクセサリーにも及びなかなか奥が深く一冊二冊の専門書では間に合わなくなります。また、変わり種としては33mmステマー、35mmステレオエルマーなどもあります。実際にライカを使いだすとすぐにボディー、レンズとともに集めたくなるのはその豊富なアクセサリー類でしょう。レンズフード、フィルター、ケースなどからフィルムワインダー、接写装置さらには引き伸ばし機、スライドプロジェクターなど撮影から仕上げ、鑑賞用のものまでライカのごく初期の段階から幅広くそろっています。システムカメラの元祖といわれる所以です。ごく一般的なものが終わりに近づくと特殊なものに関心が移って来るのは当然です。ライカには古くから軍用として市販のものと異なるシリーズがあります。また特定のディーラーや愛好者の集まり、団体、イベントを記念して特別の刻印を彫ったものもたくさんあります。 市販はされたが評判が芳しくなく少数に止まってしまったものなどもあります。このほかにプロトタイプのボディーとレンズなども是非いつかは手に入れたいと思うでしょう。大事なことは焦らずゆとりをもって永く続けることです。ながい間には いろいろなことがあります。決して無理をせず そのときの 状況に合わせて 続けることが いいでしょう。そうすれば いつか きっと すばらしい コレクションが あなたのものになります。ライカだけでなく あなたのお気に入りのカメラ、レンズ、アクセサリーでコレクションができます。 SLOW BUT STEADY で楽しみましょう。 ながくて拙い文章をここまで読んで頂いて 有難うございました。

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Author
Aiymnm53

ldnakkun

小児歯科医。いまだにメディカル-ニッコール120㎜を使っています。以前はライカと関連用品の希少な物を集めていました。現在は接写写真撮影に興味を持っています。

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