ギターと服（クラウド・ナイン）

上画像はジョージ・ハリスンの名作「クラウド・ナイン」の裏ジャケである。中学生の頃レンタル屋で物色中にこの写真を初めて見た時、自分の中の何かのスイッチを押されたかのような感覚を覚えた。自分＝ギター、つまりジョージのギタリスト宣言なのだろうか。インタビュー等では自分の腕前を卑下しがちなジョージだが、いくら卑下しようが史上最高のバンドのリードギタリストだったのだから、シンガーソングライターでもあるが、やはり本来の自分はギタリスト！ということか。

この写真からは、それと同時に単なる楽器（＝道具）以上の存在としてのギターへの偏愛も感じた。ジョージのギター愛と言えば、彼は最初に手に入れたギターを毎日ピカピカに磨き上げていたとか。わかる、わかるぜ。すでに大金持ちになってからのインタビューで、ハンブルグでピンクのストラトを買い損ねたことを述懐するジョージ。わかる、わかるぜジョージ。余談だがシェルピンクは超レアなのでいくら金持ちになった後のジョージでも手に入らなかったのかもしれない。

中学生の自分も帰ってからジョージを真似て制服のブレザーをゼンオンのガットギターに着せ、新しい楽しみに目覚めたかのような気分に浸ったものである。なお、この裏ジャケ写真にオンにされたスイッチはいまだオフになっていないようである。

#思い出