ベーゴマ加工学②

初版 2022/06/15 09:35

改訂 2022/06/15 09:35

⑤全面削り

一瞬旋盤ベー(機械で芯出ししたもの)と見間違うぐらいの加工。

4角⇒8角⇒16角⇒32角

のように削っていった究極の形といえる。

回してみると、驚くべき精度で芯がでているものもあり、その当時の子どもたちの技術の高さが伺える。

※というか、ほんまに工場などでやって貰った旋盤ベーかもしれんw


のっけ(蝋)

⑥のっけ

重さを増して飛ばされないように、様々な工夫をした。それらをまとめて「のっけ」とジャンルわけしてみる。上の写真は蝋燭を溶かして表面にのっけたものでどの家庭の仏壇に備えてあった蝋は手に入れやすく、加工材料としてもスタンダードなものだったと考えられる


コインやワッシャを貼り付ける


コイン埋め込み・ワッシャ埋め込み

「はりつけ・埋め込み」

コインやワッシャをはりつけ重さを増したものがあった。

下の写真は重さを増すために、コインやワッシャを埋め込んでかつ蝋で固めている


鉛のっけ

「鉛のっけ」

鉛を溶かして表面にのっけたもの。ほかの金属のようなものもあった。

鉛は比較的融点が低く、子どもたちでもカンカンに入れてコンロに掛けるだけで溶けるので扱いやすい。ほかの金属は近隣の工場で大人にやってもらった可能性が大きい。こどもの遊びに対して多くの大人がしれっと環境や技術、備品の応援をしていることは大きい。背中がかっこいい親父達だ。


鉛ベー

⑦鉛べー

これが何かわかるだろうか

こち亀(こちら亀有公園前派出所)の両さんのエピソードにでてくる。かつて粘土質の地面にベーゴマを踏みつけて型を取り、そこに鉛を溶かしてオリジナルベーゴマを作ったというのだ。

何を隠そう。そのエピソードをよんで、私は大学時代に、鉛を溶かしてオリジナルベーゴマを鋳造した。室内でやり過ぎて鉛中毒だったのかぶっ倒れて大学の先生に迷惑を掛けたw

自分以外が作ったほんまもんを初めてみた

しかも、自分が作ったものより鉛が硬い。何が違うのだろう。もしや

三ノ宮の今はなき東急ハンズの鉛インゴットの質が悪かったのか?

それとも、訛りだけでなく、ほかの金属も一緒にとかして強度をあげたのかもしれん。

が倒れた思い出が悪夢として蘇るのでもうやらないw



⑧画鋲ベー

葛飾コレクションの中に、裏面が真っ直ぐ平坦になっているものが複数確認された。

これはなんだ??

削りすぎて嫌になったものか?

とも考えたが、複数出てきた。

そして、のちのちにふたつ元の形が確認された。

これは今回初めて確認だ。ハリケツの亜種である

画鋲ベーと名付ける

平坦に加工したところに、画鋲を取り付け

先端を低く調整する

これぞほんまもんの針ケツ

これがひとりの子どもがやっていたか、どこかの地域で発明されたかは今となっては知る由もない。しかし天才的だ。いまうちの学童がやってたら抱きしめて即SNSにあげ、〇〇式画鋲針ケツスペシャルなどと名前をつけた名付けをするレベルだ。

これだからベーゴマは深い

これだからベーゴマはおもしろい

まだまだ研究はつづく


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