Japan Air Transport_1

記念すべきミュージアム400個目のアイテムは日本航空輸送の古いバッゲージタグのご紹介です。同社は逓信省所管の民間航空会社で日本本土各都市間と、中国大陸の日本の租界を結ぶ路線を運航し日本の航空輸送黎明期を支えていたようです。1937年に勃発した第二次上海事変以降は中国大陸への航空輸送の軍事的重要性が高まったこともあり、翌1938年には他社との合併を経て大日本航空という国策会社に改組されます。タグ裏面の上部にある「12.11」は恐らく昭和12年11月の書式であることを示していますのでこのタグが使用されたのは1937(昭和12)年11月以降かつ1938年12月の大日本航空への改称前である1938年7月14日、福岡(福岡第一飛行場)発上海行きの便だと推測されます。搭乗者名には「ハリソン フォーマン」とありますが、こちらもアメリカ合衆国の写真家でありジャーナリストであったHarrison Forman (1904-1978)の可能性が高いです。かの有名な「上海南駅の赤ん坊」が撮影された1937年の第二次上海事変勃発時には彼は既に上海にて取材活動を開始しています。このタグが使用された1938年には刻々と変化する日中間の情勢を取材するために飛び回っていたのかもしれません。輸送に用いられた航空機は恐らくダグラスDC-2、旅客定員14名の小さなものですが、激動の時代の様々な思惑も乗せて飛んでいたかも知れないと思うと感慨深いものです。 #Asia #Japan #JapanAirTransport #circa1930s #Duglas #DC-2 #HarrisonForman