思い出の車たち(19)
スズキ キャリイ https://muuseo.com/akio_kitano/items/718 北野晶夫 しばらく間が空いてしまったが、実際のカーライフでも約10年の空白期に入ってしまう。グレー企業に7年半、木の花ファミリーに2年半。グレー企業ではシーマ、フーガ、マーチ、ADバン他。木の花ファミリーでは主に軽トラと軽ワゴン、いすゞエルフ、カローラⅡ、スズキKei、日産エクストレイルなどいろいろな車に乗ったが、やはり印象的だったのは4WDの軽トラである。これまでいろいろな車に乗ってきたが軽トラックは初めてだった。なんといってもドライビングポジションが特殊で前輪軸上に座っているのだからハンドルを切るとまず自分が回転し始める。いままでの車の鼻先が動くという感覚を修正する必要がある。(そもそも鼻先がない。)さらにエンジンもほとんど車の真ん中にあり、本当の「ミッドシップマウント」である。空荷では前輪荷重状態だが、積載時には積み方によって前後の荷重状態がかなり変化する。このような状況で、どんな積載状態でもそれなりのハンドリングを実現するのはかなり難しいと思う。軽トラの開発者はすごいと思う。(えごまの収穫や堆肥の散布などで考えられないくらいの過重積載をした時にはさすがにサスペンションが底を打ち、曲がれない状態も経験できたが。)さらに農道はたいてい狭く、下手をすると畑や側溝に落ちる。自分は狭いところの取り回しが本当に下手で何回か落とした。車幅ぎりぎりのビニールハウスにバックミラーを倒してバックで車を入れたり、板を渡して畑に下りたりなどは毎回冷や汗ものだった。しかし、本当に上手な人間はいるもので畑の若いQueenのひろみちゃんは、私が軽トラで苦労して曲がる畦道をいすゞエルフで平然と入ってきたのには驚いた。あと記憶に残っているのは「便利屋」で4トントラックに介護用ベットを満載し、鹿児島まで片道18時間、約1,250Kmを往復したことだ。これは人生の最長ロングドライブ記録である。相棒の30代のひろっちが最後には根をあげてしまったが、さすが若い頃に徹夜マージャンで鍛え上げた?自分は結構平気だった。