さよなら 私鉄に一矢報い、山陽地区の輸送を支えた近郊型 117系

初版 2023/09/24 22:22

改訂 2023/09/25 23:28

今月 ある近郊型電車が最後の役目を終え帰らぬ片道切符を下げ幡生へ回送された

117系 国鉄が関西圏のハイレベルな旅客獲得競争に参入し現在のJR西日本として快適性を向上した車両を投入していくきっかけを作った電車である。それまでの国鉄近郊型はボックス席を主体とした車内構成のため狭く快適性も低い事に加え、値上げラッシュでサービスも悪く評判が良いとは言えませんでした。私鉄に流れる客をなんとしても食い止めたい国鉄が世に送り出したのがこの117系であり、当時の国鉄近郊型としては破格のサービスであったことも加わり、関西圏における国鉄の地位向上に大きく貢献し、国鉄最後のダイヤ改正では外側線へ進出した 更に国鉄民営化寸前に、当時製造されていた211系などの台車を履かせた100番台を追加製造し、JR西日本にバトンを渡した。

京阪神地区を担当するJR西日本では朝晩にも新快速を走らせ増客をする戦略に走った。しかし、それは117系を新快速として継続使用することが不可能であった。ドアが足りなかったのである。 この記事を読むような物好きな方は分かるであろう。混雑する朝晩に2扉の転換クロスシート車を入れたら到底ダイヤが持たないわけである。問題と感じたJR西日本は3扉の221系や223系を投入 次第に117系は福知山線や奈良線、紀勢本線、山陽本線岡山地区などの地方線区や115系3000番台の中間である115系3500番台に姿を変え京阪神から散って行った。

福知山線に転出した117系は一部をロングシートに変更し混雑の緩和に一役買うかと思われたが沿線の開発やATS-P整備に伴う車両転属に巻き込まれ2000年代中盤に引退。奈良線も早い段階で転属されたため、アーバンネットワークエリアでは湖西線・草津線を除き御役御免になっていました  一方、和歌山に送られた117系は特急街道の紀勢本線区間に充当された為か あまり問題にはならなかった。

一方、うまく使いこなせていた?山陽地区。サンライナーという岡山ー福山(ー三原)を結ぶ快速電車用の車両として1992年から活躍した 間合い運用として広島ー福山(ー東福山)をノンストップで走るスーパーラビットや普通電車としても活躍 しかし2009年には昼間の時間帯に 2019年には朝の時間帯にサンライナーが廃止され暗雲が立ち込む そしてついに2022年 サンライナー廃止 山陽本線の岡山地区から快速電車は去っていった

この他、山陽本線下関口では福知山線でATS-Pが取り付けられなかった300番台と、岡山に貸し出されたが汚物処理設備が整っていないため便所を封印していた100番台がそれぞれ転属、下関ー新山口のみの区間であるが、他の115系などに混じって活躍した。

やはり117系は腐っても近郊形であった と同時に近郊形としての使い勝手は最悪であった 2ドア転換クロスシート ドア横のスペースさえ殆どない 座れれば快適、立てばつり革も無い中程はストレスの溜まり場と挙げればキリがない 静粛性も今となっては、お世話にも良いとは言えない

しかし、京阪神地区での国鉄の立場が弱ければJR西日本の上場が遅くなり、利益優先主義の歪みがより酷くなっていたかもしれない(現在もかなり酷いと思うが) 117系はそういう意味では救世主だったかもしれない

そして、 山陽本線下関口からは2016年、紀勢本線からは2019年 湖西・琵琶湖線と山陽本線岡山地区からは2023年に引退した 京都の車はまだ、向日町に何本が残っているそうであるが、岡山の車は随時幡生に送られている また、1本だけ、一部寝台夜行特急電車に改造されWEST EXPRESS銀河として生き残る車両も出た しかし、特急型電車になってしまった以上、彼らの近郊形電車としての活躍の終点はまもなくである

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存在が産業廃棄物

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    Railwayfan

    2023/09/25 - 編集済み

    岡山に転属する前の下関口にいる時代の117系で通学してました。懐かしいです。
    山口県はただでさえ利用客が少ないのに新山口〜下関の4+4の長編成は斬新に感じました。

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      2023/09/25

      コメント頂きありがとうございます
      下関口の117系 確かに懐かしいです
      2回だけ生で見れましたが、前面幕や側面の一部幕を使用停止していた姿は115系と違った魅力が有りました。
      4+4の編成は乗れませんでしたが、逆に朝ラッシュ時の2両の115系に当たった時は学生さんや通勤する人がどっと乗ってきた為、すごく混んでいた記憶は残っています

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      Railwayfan

      2023/09/25

      下関口には8両の115系もいましたね。休日ダイヤの時なんかは貸切状態でしたよ。
      2両の編成は食パンの中間車改造ですね。あれは転換式の座席では無かったので、地元の学生からは不評でした(^^;;
      まだ山口県は利用客も少なくサービス改善要望もあまり聞かず国鉄天国のままの状態です。
      今のところ貴重な車両たちはしばらく安泰ですが、いずれ117系みたいに置き換えられる日も近いのでしょう。

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      2023/09/25

      返信いただきありがとうございます
      115系の8両 懐かしいですね
      運用の都合でたしか夜にもあったと記憶しています。まだ1時間に2本有った頃はそれこそ閑古鳥が泣くレベルに乗客もまばらでしたが、今の毎事1本だと昼間でも立ち客が出ることもしばしば有り、なんとも言えない感じにはなります。山口県はなんだかんだ最後まで国鉄電車が走りそうですが、宇部・小野田の方も路線ごとなくなればそれまでですし、山陽本線もいつまで安泰か少し不安ではあります。
      山陽本線の115系については拙い記事になるかもしれませんが、近日中に公開できればと想います。

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      Railwayfan

      2023/09/25

      この写真の115系濃黄は私にとってお馴染みの車両であります。
      山口線なんかはキハ40・47ばかりですが、つい最近にバッテリーカーが試験走行し始めたのでいよいよかという感じです。
      宇部線・小野田線はBRTにしようと前々から話があります。
      山陽線の115系は馴染み深いので記事を楽しみにしてます!!

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