- ANACHRONORM Museum
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- ANB-001 α PW ALPHA PROGRESS WASH
ANB-001 α PW ALPHA PROGRESS WASH
《William Age66》
4年前の炭鉱火災からこっち、エドの消息は途絶えたまま———。
故郷のペンシルバニアでヤツは俺の家の2軒隣に住んでいて、生まれた時から何をするのも一緒だった。
アーミッシュのアンナをからかっては泣かせてばかりいたエドが、本当は彼女のことを愛していたのも知っている。
12の夏、シカゴ行きの列車に潜り込んでいたのが見つかって二人の脳裏にそれぞれの親父の鉄拳が浮かんだその時、俺たちにとっては運よく、と言っていいのか、強盗騒ぎが起きて地獄行きを免れたんだ。
しみったれた悪さをしては退屈な日々を紛らわせて過ごした10代の終わりに、俺は就職にかこつけて生まれた町を捨て、エドは病気の親父を放っておけないとペンシルバニアに残った。俺が、サンフランシスコに流れ着いて雇われのバーテンで日銭を稼いで暮らしていた頃、ヤツも変わらず地元の炭鉱で真っ黒になりながらその日暮らしをしているらしかった。
10年ほど前、いくらかの借金をして小さいながらもなんとか自分の店を持てた時、差出人不明の荷物が届いた。訝しがりながら開いた包みから出てきたのは、継接ぎだらけのジーンズ一本と一枚のカード。見覚えのある汚い文字で書かれていたのは「命を金に換えて、その金でまた命をつなぐ」という言葉。ヤツなりの祝いだったのだろうか。それにしても使い古した仕事着一つとはあまりにもひどいと笑った。
4年前の炭鉱火災からこっち、エドの消息は途絶えたまま———。
それでも俺は、いつかヤツがふらりと店のドアを開けて入ってくる気がしてならない。根拠はこれっぽっちもないが、そんな白昼夢を連れに今日も一人グラスを磨いている。
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