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Pyrite パイライト(2)
パイライト(1)参照
FeS2 奈良県桜井市 針道大峠 6~6.5 等軸晶形誌稀京兵
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Pyrite パイライト(1)
一番普通に産出する硫化鉱物である。 パイライトはあらゆる岩石に含まれており、特に温泉作用を受けて変質した岩石中にはよく見られる。 粘土や粘土質の岩石の中にできる事も多く、化石がパイライト化している事もある。 パイライトは結晶しやすい鉱物で、その形は立方体が多い。 結晶面には条線がある事が多く、色は淡い真鍮色である。
FeS2 黄鉄鉱 不明 6~6.5誌稀京兵
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Almandine アルマンディン(1)
アルマンディンはガーネット・グループで一番普通に産出する。 鉄とアルミニウムを主成分とするが、パイロープとの中間的なものや、スペサルチン柱状に近いものなどいろいろ変化する。 色は濃赤色が多く、透明なものは宝石に用いられる。 研磨剤としても広く利用されていた。 結晶する事が多く、二十四面体が典型的。 語源は産地Alabandaより「Alabandicus」と呼ばれていたものが、後に「Almandine」に変化したものと考えられている。
Fe3Al2(SiO4)3 鉄礬石榴石 Mitkof Island, Southeast Alaska, U.S.A. 7~7.5誌稀京兵
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Grossular グロッシュラー(2)
蛇紋岩体に伴われる塊状のグロッシュラーは、普通白色であるが、時に緑色、ピンク色になる。 結晶は純粋なものでは斜方十二面体が標準で、鉄分が多くなると二十四面体の面が加わり、結晶面の数が多くなる。 色は緑色系と褐色系が普通だが、無色、白色、ピンク色などもあり、透明感がある。 写真の標本でも、緑色の結晶と無色の結晶が混在していることがわかる。
Ca3Al2(SiO4)3 灰礬石榴石 Black Lake mine, Thetford,Quebec,Canada 6.5~7誌稀京兵
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Uvarovite ウバロバイト(1)
クロムとカルシウムを主成分とする。 普通はクロム鉄鉱中に皮膜条で産出することが多いが、ときに十二面体式結晶を成し、稀に二十四面体式結晶になることもある。 結晶のサイズは普通3mm以下。 最初ロシアのウラルで発見された時の文部大臣で鉱物コレクターのウバァーロフにちなんで1832年に命名された。
Ca3Cr2(SiO4)3 灰クロム石榴石 Saranovsk Mine, Ural 6.5~7誌稀京兵
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Spinel スピネル(1)
母岩はカルサイトである。 本来は無色透明だが、鉄、クロム、亜鉛、マンガンなどの元素がアルミニウム、マグネシウムを置換して様々な化学成分のスピネルを作り、それらは赤色、緑色、黒色と多彩な色を持つ。 中でも少量のクロムと鉄によって紅色になったスピネルは、古くから宝石に利用されている。 マグネシウム分の多い大理石中に含まれている産状が典型的で、スリランカやミャンマーではその岩石が風化し・崩壊した土砂の中に見ることができる。 ルビーも同じ産状で出るため、ルビーと赤色のスピネルは混同され、間違われる。 英国王室の「黒太子のルビー」が実はスピネルだったと言う話は有名である。 スピネルは正八面体やスピネル式と言われる三角板状の双晶になり、六角形に結晶するルビーとは結晶の形が違う。 スピネル型の結晶構造を持ち、化学組成の異なる21種類の鉱物があり、まとめてスピネル族の鉱物と呼んでいる。
MgAl2O4 尖晶石 Mogok, Myanmar 7.5~8誌稀京兵
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Grossular グロッシュラー(1)
和名を「灰礬石榴石」と言い、「灰」は石灰、「礬」はアルミニウムを意味する。 英名のグロッシュラーは西洋スグリに一種「Grossularia」に由来している。 グロッシュラーは純粋なものは色となる元素を持っていないので無色だが、置換する元素によって幅広い色を示す。 ラズベリーガーネットの紅色は少量のマンガンに起因する。 メキシコのSieraa de las Cruces地域でしか産出しないピンク色のグロッシュラーは、色合いからラズベリーガーネットと呼ばれる。 部分的に黒色になっているところは、鉄とチタンが含まれた黒いグロッシュラーのメラナイトである。
Ca3Al2(SiO4)3 灰礬石榴石 ラズベリーガーネット Sieraa De Cruz, Coahuila Mexico誌稀京兵
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Sphalerite スファレライト(1)
亜鉛の鉱石として利用される重要な鉱物。 英名は「Sphalerite」だが、「Zincblende」と言う呼び名もある。 「Zinc」は亜鉛の意味、「Blende」は混合すると言う意味があるが、語源的に「わからなくする」「欺く」と言う意味がある。 閃亜鉛鉱は方鉛鉱と共出する。 方鉛鉱は鉛を取るが、閃亜鉛鉱は昔は利用出来なかった。 そのため「役立たずのまがい物」と言う意味で「Blende」と言った。 さらに副成分として含まれる鉄の量によって、真っ黒で不透明なものから、黄褐色で透明、稀に緑色やほとんど白色に近いものまであり、鑑定が難しい。 こうして人を騙すので、「Blende」の名が付いたとも言える。 鑑定のコツの一つとして、斜め方向にいくつもの劈開があることが目安になる。 褐色で緻密な層状のものはシャーレンブレンドと言う鉱石名が付いており、鉄分が多く、黒いものは「鉄閃亜鉛鉱」とも呼ばれる。 黄褐色のものは日本では「べっ甲亜鉛」とも呼ばれる。
ZnS 閃亜鉛鉱 Spain 3.5~4誌稀京兵
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Gold ゴールド(1)
金には砂金と山金がある。 この標本は砂金である。 砂金の大型のものを「ナゲット」と呼ぶ。 日本では北海道枝幸のウソタンナイ川で明治時代に769kgのナゲットが発見された。 私も川でパンニングをしたことがあるが、最高記録は約2mmのものである。
Au 砂金(Placer Gold) Mary River,Kimberley, Western Australia 2.5~3誌稀京兵
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Galena ガレナ(1)
鉛の鉱物でずっしりと重い。 約86%の鉛、14%の硫黄が主な成分で、鉛を採取するために取られるが、0.1%程度の銀を含有することがあって、かつては銀の鉱石としても利用された。 蛍石、重晶石、閃亜鉛鉱、輝銅鉱、黄鉄鉱、石英と共生する。 天武天皇(673年ー686年)の時代に現在の長崎県で含銀方鉛鉱が採掘され銀を精錬しており、これが我が国最初の鉱山の始まりとされている。
PbS 方鉛鉱 Missouri, U.S.A. 2~3誌稀京兵
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Fluorite フローライト(1)
弗素とカルシウムからならハロゲン化鉱物で、溶鉱炉の融剤などに広く利用されている。 紫外線を当てると光る蛍光現象(Fluorescence)はこの石から発見されたのだが、実際に蛍光するフローライトは少ない。 ただし、熱するとすべてのフローライトは発光するが、石が割れて飛ぶことがある。 純粋なフローライトは無色透明だが、天然では稀で、普通は緑色、紫色が多く、稀に黄色、ピンク色などもある。 フローライトは結晶しやすく、立方体、正八面体がある。
CaF2 蛍石 illinois, U.S.A. 4誌稀京兵
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Diamond ダイアモンド(1)
炭素からできている元素鉱物である。 ダイアモンドのほとんどはキンバレー岩と言う岩石の中で生成される。 ダイアモンドの採掘は、このキンバレー岩を破砕し、この中からダイアモンドを選別するため、母岩に入ったダイアモンドの標本はほとんどない。 この標本も、キンバレー岩にダイアモンドが接着されている。 ダイアモンドは灰色、黒色のものが多く、これらは工業用として使われ、黄色、紅色、紫色、緑色などの有色で美しいものは宝石として加工される。 日本ではまだダイアモンドは発見されていない。
C 金剛石 South Africa 10誌稀京兵