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Apophyllite アポフィライト(1)
結晶が正方錐形または柱状で、柱面には縦に条線がある。柱が短くなって立方体に見えることや、板状になることもある。 柱の方向から見ると白く輝いて見えることから和名が魚眼石となった。 これは明治時代の鉱物学者の命名だが、欧米で「Fish-eye stone」と言う別名が古くからあり、その翻訳だと思われる。 「Apophyllite」は「葉片状に割れる」と言うギリシャ語からとったもので、熱した時の性質から命名された。 アポフィライトはカリウム、弗素、水酸基を含むカルシウムの珪酸塩鉱物で、弗素の多い弗素魚眼石と、水酸基の多い水酸魚眼石があるが、肉眼では区別がつかない。 標本として出回っている9割以上が弗素魚眼石である。
KCa4(Si4O10)2(F,OH)•8H2O 魚眼石 Poona, India 4.5~5誌稀京兵
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Scolecite スコレサイト(1)
結晶を熱すると「虫」の様に曲がることから、1813年にギリシャ語の虫から「 Scolezit」、後に現在のスペルに改められた。 ぢし、必ずしも曲がるわけではなく、曲がらないスコレス沸石もある。 中沸石、ソーダ沸石とは肉眼で区別し難いが、石英やケイ酸分に富む沸石(モルデン沸石など)とは共生しない。
Ca(Al2Si3O10)•3H2O スコレス沸石 Poona, India 5誌稀京兵
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Okenite オケナイト(1)
フワフワの触感で、ウサギの毛のようであり、鉱物という感じがしない。 19世紀の鉱物書にはすでにプーナ産のオーケン石が紹介されている。 グリーンランドのディスコ島で発見され、ドイツの自然研究家オーケンに因んで「Ockenite」と名付けられたが、後に「Okenite」に変更された。
Ca5Si9O23•9H2O オーケン石 Poona, India 4.5~5誌稀京兵