1/87 KOMATSU コマツ アーティキュレートダンプトラック HM400-5

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日本では普段あまり見る機会のない、アーティキュレートタイプのダンプトラックのミニチュア。

一見するとボンネットタイプの6輪ダンプトラックに見えるが、すでに紹介しているリジッドタイプダンプトラック(HD325-8)が自動車と同じく前輪操舵する一方、この機体はホイールローダーやモーターグレーダーと同様の車体屈折機構をフレームに設けることで、フレームごとステアリング操作が可能だ。さらに、前部フレームと後部フレームを繋ぐ屈折接合部はねじれ方向にも動作するという非常に特殊な構造を持つ。

リジッドタイプのダンプトラックが堅い路面で比較的速度を上げて走行できるのに対し、アーティキュレートタイプのダンプトラックは、この特殊なフレーム構造により、軟弱地での走破性に非常に優れている。計6輪のタイヤとフレームのねじれ動作が加わることで、凹凸のあるぬかるみでも3次元的にタイヤの接地面を創り出し、高い駆動力を発揮することができるのだ。日本では、運が良ければ河川工事などでその姿を見ることができるだろう。

ミニチュアでは実機と同様にシリンダーが伸縮し、ベッセル(荷台)を上下に可動させることができる。また、屈折機構を用いた左右方向へのステアリングのほか、大きくねじりを加えることができる接合部を搭載した機体を、1/87というスケールで忠実に再現している。
株主優待感謝品シリーズの2020年度の記念品となり、現在オークションあるいはフリマサイトでは1500~2000円ほどで取引されているが、満足感はそれ以上だろう。ぜひこのミニチュアを手に取って、その構造を楽しんでいただくことをおすすめする。

ボンネット周辺は、前方から向かって左側はエアークリーナー、右側はキャビンまでの昇降ステップとなっており、アシンメトリーなデザインも特徴のひとつだ。
なお、前方から見てキャビン内やや左側に運転席およびステアリングホイールが配置されているが、これは、座席のすぐ脇(前方から向かって右側)に補助席が配置されているのを再現したためで、不良ではない。まさにその再現度、忠実度を示した格好となる。

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