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Austerops sp.
鮮やかな赤い外殻と黄色の複眼を持つHamar Laghdadのアウステロプスです。 鉄分に含まれる不純物の多寡で複眼の色が緑や黄色に変化するのだそうですが、不思議なのはHamar Laghdad のアウステロプスはそのほとんどが黄色い複眼ということです。周辺環境ではなく種によって色が異なるとすれば、この黄色は複眼の構造的な違いから生まれたものか、或いは生きていた時の名残りかもしれません。 プレップの素晴らしさと赤と黄のコントラストによって独特の存在感を放つ標本です。 #三葉虫 #trilobite #化石
Middle Devonian #20 Morocco Hamar Laghdadxiu_trilobite
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Kayserops megaspina
頬棘と尾板の棘が非常に長い派手な見た目をした三葉虫です。 このBou Lachrhalという産地では、別種と思われる棘の短いタイプのカイセロプスも産出します。また同じBou LachrhalのK.megaspinaとされる標本でも棘の長さにはかなりの個体差があるところが面白い点です。 この長い棘は岩場など狭い所に逃げ込むにもかなり不便そうですし、異性に対するアピールなど、外敵からの防御以外の装飾的な意味合いがあったのかもしれません。 #三葉虫 #trilobite #化石
Middle Devonian #60 Morocco -xiu_trilobite
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Phacops tafilaltensis
非常に美しい標本です。特に複眼は少し見たことがないような透明感があり、左右とも一点の欠けもない良好な保存状態です。 種名は購入元の情報となりますが、Phacops tafilaltensisの複眼は横方向が16〜18列、縦方向が5〜6列とされています。一方、この個体の複眼は横方向に14列、縦方向が4〜5列と少し相違があります。別種かなと考えていますが、私にはファコプスの見分けはなかなか難しく同定できておりません。 ガラス質の硬そうな母岩で、Jorfの標本に近いものを感じます。Jorf以外でもこの様な質感の標本が採取できるのでしょうか? #三葉虫 #trilobite #化石
Middle Devonian #56 Morocco -xiu_trilobite
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Morocops granulops
言わずと知れたHamar Laghdadの赤い三葉虫です。有名プレパレーター・ハミー氏の標本で、この産地の特徴である深緑の複眼も非常に美しく剖出されています。Orthocerasや他の小さな生物の残骸も残したジオラマ風標本になっています。 外殻が赤くなるのはもともとの外殻組織に取って代わったシリカが周辺の鉄化合物によって赤く染色されたためです。一方、複眼の元々の組成とされる方解石はシリカへの置換が起こりにくく方解石のまま維持されたことで、体表と色の違いが生じたことが示唆されています。(三葉虫の複眼が方解石であったという説には異論もあります。) 大変ユニークで魅力的な産地ですが、残念ながら既に枯渇状態で、標本を見る機会はこの数年でも減ってきているのを実感しています。 #三葉虫 #trilobite #化石
Middle Devonian #73 Morocco Hamar Laghdadxiu_trilobite