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Menomonia sahratiani
Weeksの新しい研究ですとMenomonia sahratiani(Robison & Babcock, 2011)となりましたが、Nephalicephalus beebeiの名称で馴染みがあります。この標本を超える保存状態の良い本種は余りなく、個人的には最高レベルでないのかと思っています。尾部は極小で胸部が非常に長く、体節が20を超えて数えきれないほど並びます。この種は、三葉虫に余り興味が無い一般の方が見ると、特徴の少ない地味な種に感じると思いますが、三葉虫コレクターであれば一目置く存在の凄い標本だと捉え方が異なると思っています。
Middle Cambrian Menomoniidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-637 WeeksTrilobites
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Solenopleuropsis rouayrouxi
本種は、スペインなど他の欧州のカンブリア紀でも産出する仲間です。何といっても特徴的なのが頭部の顆粒です。顆粒は、頭部だけにあり規則正しく隙間なく埋められているのですが、胸部や尾部には見られません。派手な棘も無く、地味な三葉虫ではあるのですが、特徴的なデザインであると思います。 【標本リンク】Extinctions,inc http://www.trilobites.com/site_arc/index.cfm?action=item&prod_id=636&
Middle Cambrian Solenopleuridae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-248 CouloumaTrilobites
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Conocoryphe gerlinda
眼の無い種類であるConocorypheは、チェコ、ボヘミア地方からも幾つかの種類が産出しますが、種類の違いが分かり難く、カンブリア紀のチェコ産らしい特徴の無い地味な感じの種類です。C.gerlindaは、頭部に一面細かいブツブツがあるので比較的分かりやすい種類です。入手できるチェコのConocorypheのもう一つの見分けの方法が、母岩の色です。本種は褐色系、C.sulzeriは焦茶系、C.sulzeriは黄土色系と何故か分かりやすく区別できます。
Middle Cambrian Conocoryphidae,Ptychoparioidea,Ptychopariida TRI-370 JinceTrilobites
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Eoredlichia intermedia
2012年にユネスコ世界自然遺産「澄江の化石産地(Chengjiang Fossil Site)」として登録され、世界的に貴重なカンブリア紀における重要な位置づけの澄江動物群、その中の代表的な三葉虫であるEorelichiaです。澄江動物群の化石は、現在は新規入手など出来ませんが、この標本は世界遺産登録前に流出したものになります。澄江動物群の中で三葉虫は、それ程多くを相を占めている訳ではありませんでしたが、澄江動物群の中でも初期に発生した三葉虫の一つです。この種は、右の頬棘と胸部からの長い棘が本来はありますが、この標本において、それ以外は完璧に保存されています。また尾部周辺には、軟体部と思われる僅かに確認できます。澄江のEorelichiaは、なかなか状態の良い標本に巡り合えませんので、この状態では相当レベルの高い標本であります。Eorelichiaは眼を持った初期の生命の一つで、見た目も均整のとれた美しい姿をしています。
Middle Cambrian Redlichiidae,Redlichioidea,Redlichiina,Redlichida TRI-212 Heilinpu(黒林鋪累層)Trilobites
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Flexicalymene granulosa
Flexicalymeneは、オハイオ州で産出するF.retrosaが多産していたこともあり、ポピュラーな種類の印象を受けますが、ペンシルヴァニア州から産出する、この種類は桁違いに貴重です。全体的に茶系の渋い色合いをしており、同じ年代のScotlandのGirvanの化石のように見えます。この標本自体も「Extinctions,INC.」のネットミュージアムにも登場する標本です。 【標本リンク】Extinctions,INC. http://www.fossil.net/site_arc/index.cfm?action=item&prod_id=699&site_acr=tr&
Upper Ordovician Calymenidae,Calymenoidea,Calymenina,Phacopida TRI-392 MartinsburgTrilobites