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Deiphon fleur
Deiphon、それは世界の三葉虫を収集しているコレクターの中では特別な存在であり、文面が長くなりすぎて、語り尽くせない存在といえます。英国産のD.barrandei(Whittard, 1934)は殿堂的な存在ですが、チェコ産であれば頭鞍だけの標本が入手可能です。特徴的な頬棘があれば確信が持てるのですが、丸いコブだけでは全体像が掴みにくいのは事実です。完全体の収集は不可能と言って良いDeiphonですので、頭鞍だけで三葉虫なの?という状態であっても特別な存在なのは言うまでもありません。
Silurian(Homerian) Cheiruridae,Cheiruroidea,Cheirurina,Phacopida TRI-232 MotelTrilobites
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Pseudophillipsia(Nodiphillipsia) ozawai
かつて日本を代表する産地であり、国産化石を採取や収集している人で知らない物が無い金生山。現在も工業的に石灰岩の採掘が続いており、立入りは禁止されています。金生山で三葉虫が採掘されたのは、1973年(昭和48年)と意外と遅く、ただ以降の僅かな期間だけしか採取できず、現在では三葉虫が採掘できたとされるエリアも消滅していると聞いています。古生代の有孔虫であるフズリナの種類から年代が分かるとされる赤坂石灰岩、三葉虫の尾部の右側に存在する、木の切り株の様な化石がYabeina globosa (Yabe,1906)であり、この層をYabeina globosa Zoneと呼ばれるペルム紀中期の地層から、種類も同定されています。世界的に貴重な最期の三葉虫の一つです。
Permian Phillipsiidae,Proetoidea,Proetina,Proetida TRI-561 -Trilobites
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Peltura scarabaeoides
頭鞍部を中心とした部分化石の佃煮状態の化石です。一見するとAgnostida(目)の様に見えますが、Triarthrusに近縁な仲間です。完全体のイメージは、Triarthrusを少し幅広にした感じで、仮に完全体であっても地味で興味の湧くコレクターも少ないかと思われます。見た目が頭鞍しかないので、Agnostida(目)の様に見えてしまいます。脱皮殻の吹き溜まりの様な場所だったのか、何らかの海底異変に巻き揉まれたのか分かりませんが、産状化石として、興味深い所です。
Upper Cambrian Olenidae,Olenoidea,Ptychopariida TRI-376 Alum ShaleTrilobites
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Triproetus gerthi
インドネシアのティモール島からペルム紀の三葉虫が幾種類か産出していたのは文献等で分かっていたのですが、古い時代の話で新規に産出するような産地で無いため入手は不可能であると思っておりました。現在でも簡単に行けるような場所ではないので、今後も流通することは無いであろうと思われます。1930年代にGriffitides gerthi(GHEYSELINCK1937)として記載され、1970年代にはNeoproetus属に分類する例もあった様です。表記の属名が正しいのか手持ちの資料やWEB検索でも情報が限られるため、謎であります。
Upper Permian Phillipsiidae,Proetoidea,Proetida TRI-573 ManbisseTrilobites