Sao hirsuta
チェコで三葉虫研究史に功績を残したJoachim Barrande(1799-1883)が、本種の成長段階を詳細に記載した図版(※1)が有名です。この書籍には約20もの個体が描かれているのですが、実は成体の完全な個体は描かれていません。当時から成体の状態の良い標本は少なかったと思われます。当時ですら完全体の入手が困難なので、閉鎖産地となった現在、図鑑の中でしか見ることが出来ない様な種類であり、多くのコレクターは名前は知っている物のコレクション出来ていない代表的な種類かと思います。一般的に見れば地味で頭部から胸部まで全身がツブツブで覆われていて、見方によっては不気味で気持ち悪さを覚える方もいるかと思いますが、三葉虫研究史に名を残した種類という事で、募集価値のある種類です。因みにSaoという短い属名は、全三葉虫の中でも最も短い名前です。
※1:SYSTEME SIKURIEN DU CENTRE DE LA BOHEME Vol.Ⅰ.Planches.Crustaces:Trilobites(1852)
Middle Cambrian
Solenopleuridae,Ptychoparioidea,Ptychopariida
TRI-570
Jince
Trilobites