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Bohemoharpes cf. acuminatus
スウェーデン、ゴットランド島のシルル紀の地層から産出したハルぺスの仲間です。ボヘミアのハルぺスという属名ですが、この属名のハルぺスはデボン紀までの時代と割と広範囲のハルぺスに用いられ、見た目も差異が感じられない程に似通っています。ゴットランドは、シルル紀の世界的代表産地ながら、一部の種を除けば入手が難しい事はコレクターなら理解できると思います。この地の他の種類同様に小型の個体であり、分離している物の同一個体と分かる胸部と尾部が近くに並ぶ産状です。この標本は、メキシコの「The Back to the Past Museum」の元コレクションでした。 【標本リンク】The Back to the Past Museum Trilobite viewer https://esribelux.maps.arcgis.com/apps/MapJournal/index.html?appid=621ca59bf5444d3d8d444638e61c1d1f
Middle Silurian Harpetidae,Harpetioidea,Harpida TRI-702 Hemse MarlTrilobites
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Harpes perradiatus
Harpesという種類は、古生物と言うよりは未来的なデザインだと思います。大きな鍔が後方にかけて緩やかにカーブを描いて流線形をとり、未来の乗り物みたいです。この鍔ですが、無数の細かい孔(貫通はしていない)がびっしりと並んでいます。この種類、モロッコ産でも一般的なHarpesですが、コレクターなら探していて分かると思いますが、状態の良い標本が本当に少ないです。この標本は、鍔の細かい孔が荒れずに残っていて、更に蛇腹状の細かい体節も真直ぐ伸びている奇跡的な保存状態で、見ていて惚れ惚れします。
Middle Devonian Harpetidae,Harpetioidea,Harpida TRI-7 -Trilobites
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Eoharpes sp.
巷にあるモロッコ産Eoharpesは、オルドビス期とされるものが優勢に思いますが、石質や産地のMarakibなど考慮していくとデボン期で合ってる様です。EoharpesはHarpetida(目)の中では希少なタイプであり、丸く膨らんだ鰐の形状も、細かく見ていくと幾つかのタイプがあります。産状は鍔(頭部)の部分だけである事が圧倒的に多い産状です。特徴の鰐の小孔は、貫通はしておらず、何か生活するのに役立っていたのか不明であります。因みにEoharpesという属名は通称で呼ばれていて、正式には何も記載されていません。
Lower Devonian Harpetidae,Harpetioidea,Harpida TRI-387 -Trilobites
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Bohemoharpes ungula
完全ではない頭部のみの部分化石のネガですが、この種類の本当に完全体など世界に数点あるかないかのレベルだと思われます。ボヘミア地方(Bohemia)のHarpesという意味の名称由来だと思われ、チェコ産の図鑑を見てみると体形はEoharpesとそっくりですが、頭部のツブツブがBohemoharpesの方が細かいことが分かります。裏側(3,4枚目)にも頭部の一部が残されています。
Upper Silurian Harpetidae,Harpetioidea,Harpida TRI-435 KopaninaTrilobites