Homalopteon murchisoni
可愛らしい三葉虫、英国ウェールズのホマロプテオン・マーチソニ (Homalopteon murchisoni) です。黒色の母岩に黒色の本体、しかも15mmと小型なので目立たず地味な標本ではあります。本種にしては珍しく、左自由頬が残っております。写真4枚目はnega標本です。
分かりづらいですが、アサフス目(Asaphida) に分類される種です。
同属異種として、ホマロプテオン・ラディアンス (Homalopteon radians) が知られており、本種を産出するLlanfawr Middle Quarryで共に見つかるようです。提供者によると、産出数はラディアンス > マーチソニで、マーチソニの方がより希産とのこと。
実際、英国三葉虫の決定版図鑑『TRILOBITES of THE BRITISH ISLES』では、ラディアンスの複数体標本が2プレート掲載されているのに対し、マーチソニは単体標本のみが唯一掲載されています。
派手さがある訳でなければ、お世辞にも優美な種という訳でも無いのですが、ここまで外形が丸っこい種というのはあるようで、それほどない気もするのです。パッと思い浮かぶのは、若干毛色は違いますが、ロシアやモロッコのスティジナ (stygina) ぐらいでしょうか。
(※ ただし本種は、もう少し大きいサイズとなると、前後に伸び楕円形に近くなります)
言い過ぎかもしれませんが、ある意味、三葉虫の形態の多様さを知ることが出来る種では無いでしょうか。
Ordovician
Llanfawr Mudstone group, Builth, Wales
Homalopteon murchisoni
15mm
trilobite.person (orm)