Crotalocephalus gibbus
デボン紀の芋虫三葉虫こと、クロタロセファルス・ギブス (Crotalocephalus gibbus) です。うねうねとした、今にも動き出しそうな何かの幼虫のような外見は、私的には可愛らしいのですが、あまりにも生々しく、人によっては気持ち悪いという印象を持つ方もいるでしょう。
その衝撃的な見た目で、多くの人々の度肝を抜き、ともすると彼らを三葉虫コレクターの世界に誘った功労種とも言える三葉虫の一つです。私も約10年ほど前に、ミネラルショーで本種の姿を初めて見た際には、つくりものだと勘違いしてしまいました。
この標本は、右頬が欠損してはおりますが、細部のクリーニングは素晴らしく、特徴的な頭鞍の黒い斑点模様 (筋肉付着痕という説あり) 、軸葉表面の小さな突起、尾部中心にある表層の細かな鳥肌様のぶつぶつなど、全て良好に残っています。側葉と尾部のみ浮かせた、最近の流行りの部分的浮かせプレップが施されています。見栄えが良くない事は承知の上、破損が怖いので、購入時の台座に固定したまま今も置いております。
コレクター入門者には驚きの種ですが、他方、年季の入ったコレクターからすれば、多産する本種は見慣れすぎていて、「なんだまたクロタロか」と感じてしまうかもしれません。
しかしそれでも、三葉虫界広しといえど、この独特の造形は唯一無二のものであり、いつまでも色褪せることがない、魅力的な種と言えるのではないのかなと思います。
Devonian
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Oufaten area, Morocco
Crotalocephalus gibbus
trilobite.person (orm)