パロットクリソベリル/金緑石
インド南東部に位置するオリッサ州・チンタバリ鉱山で産出する特別な金緑石です。
この石は1997年~2003年という、ごく僅かな期間しか採掘されませんでした。
そのため新しい原石が供給される望みは殆どなく、現在の流通品やストックで最後と言っても過言ではありません。
クリソベリルはギリシャ語の“金色/chrysos”を語源とするだけあってライトイエローが持ち味の鉱物ですが、その中でも特に異彩を放っているのが、この『パロットクリソベリル』ではないでしょうか。
接頭のパロットは“オウム/parrot”という意味。
その名の通りオウムの体色を思わせるストロングトーンの緑が特徴であり、蛍光していると錯覚してしまうほどの高彩度を誇ります。
ちなみに鳥類を含め一部の動物の中には、繁殖期を迎えると異性の目を惹くための『婚姻色』を纏う者たちがいます。
もしこの石の放つ色がその婚姻色なのだとしたら、その目的は一人でも多くの人間を惹きつけることなのだと思います。
私はすっかり魅了されてしまったので、彼らの目論見は上手いこと達成されたのでしょう。
#クリソベリル
宝石
鉱物標本
8.5
2015年
テッツァライト