プラチナキューブ/自然白金
この「プラチナキューブ」ほど私の目を惹きつけたプラチナ結晶はありません。
何故ならば古代文明の遺跡のような、あるいは超金属生命体のオールスパークを思わせる不可思議で別次元的な存在感を纏っているからです。
表面に刻まれた幾何学模様が人工物っぽさを助長していますが、大自然が創造した天然のプラチナであります。
ロシア東部ハバロフスクKonderに存在するアルカリ性超塩基性の山塊より採取された結晶です。
プラチナもまた高い腐食耐性を備えていることから、宝飾用の貴金属として人々を虜にしてきました。
その化学的な安定性に裏打ちされた輝きはゴールドと同等かそれ以上。
金を凌駕する希少価値を持ちながらも光沢は銀のように上品であるため、ゴールドよりもプラチナのほうが好きという方も多いのではないでしょうか。
他方でこのプラチナという金属には、有害物質を無害化するという強力な触媒作用が備わっています。
この性質に着目し、例えば自動車分野においてはエンジンから発生する排ガスを低減するための触媒コンバータに利用されており、浄化装置として組み込まれ環境負荷の低減に一役買っているのです。
私たち人類にとってかけがえのない友人とも呼べる白金。
その美しい外観に違わず、空気までをも綺麗にしてくれるという非常にありがたい存在なのであります。
鉱物標本
4~4.5
Pt
ロシア
テッツァライト