はじまりの宝石

初版 2019/11/03 00:40

改訂 2019/11/04 19:37

デルトラクエスト

オーストラリアの作家、エミリー・ロッダ氏による児童書です。

日本国内では2002年より発行。


侵略の魔手から王国を救うため、各地に散らばってしまった『7つの宝石』を巡る冒険の旅を描いたファンタジー作品です。

おもて表紙にはホイルカードを彷彿とさせる特殊加工が特徴的で、これがまたとにかく目を引くデザインなのでした。

その当時、図書室に置かれていたという小学校も多かったようで、このギラギラした輝きに魅せられて思わず手に取ったという小学生も多かったことと思います。

表紙に描かれたクリーチャーも少年心を刺激するもので、私の学校では男子たちの間で大人気でした。


かくいう私もそのうちの一人で、知力・体力・気力を駆使して困難に立ち向かう主人公一行の姿を夢中になって追いかけました。

この表紙を目にするだけでも未だにワクワク感が蘇ります。


本シリーズは第1編が全8巻、第2編が全3巻、第3編が全4巻で構成されています。

個人的なお気に入りはもちろん、宝石探しが主眼となる第1シリーズです。


物語に登場する宝石は7種類。


1巻「沈黙の森」のトパーズ

2巻「嘆きの湖」のルビー

3巻「ネズミの街」のオパール

4巻「うごめく砂」のラピスラズリ

5巻「恐怖の山」のエメラルド

6巻「魔物の洞窟」のアメジスト

7巻「いましめの谷」のダイアモンド


作中世界における伝承では以下のように語られています。


“黄金色に輝くのは、誠実の象徴『トパーズ』。

真実をつかさどる『アメジスト』は、デル川の岸辺に咲くすみれのような紫色だ。

氷のように透明な輝きを持つ『ダイアモンド』は、純潔と力の象徴。

若草を思わせる緑色は、名誉をあらわす『エメラルド』。

群青色の地に点々と、夜空の星のようにあらわれているのは『ラピスラズリ』、神力の象徴。

幸福のしるし『ルビー』は、血のように赤く、

希望の象徴『オパール』は、虹の七色に輝いている。”


ちなみにこれらの宝石の頭文字を取ると『DELTORA』の文字列が浮かび上がります。

この並びが作中で重要な意味を帯びているのですが、それはまた読んでのお楽しみです。


当初の私はダイヤモンドやルビー程度しか知らなかったもので、この物語のお陰で新たに5つの宝石を覚えることができました。


思えばこの本との出会いこそが、まだ見ぬ鉱物の世界への門口だったのかもしれません。

最初の1巻を読み終えたテッツァ坊主は流れるように百科事典を引っ張り出し、真っ先に鉱物のページを開いて、主人公らが追い求めた黄金色の宝石の姿を探していました。


ほんの些細な出来事でしたが、しかしこれがのちに、とある石との邂逅へと繋がって行くのでした。

https://muuseo.com/tezzarite/items/1


シャンパン・トパーズ/黄玉 | MUUSEO(ミューゼオ)

https://muuseo.com/tezzarite/items/1

テッツァライト

#思い出 #鉱物 #デルトラクエスト

子供の頃から石ッコで原石派です。無闇矢鱈に買い増やすより、質や結晶形をしっかり吟味し慎重にコレクションするよう心掛けています。

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