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Remopleurides deani
遊泳型三葉虫の防御態勢化石です。頭鞍部には大きな複眼の痕跡があり、視覚に優れた三葉虫とされています。 素人の私よりも参考になるリンクがあるので、以下ご参考下さい。 参考:静岡大学鈴木先生の研究グループによる、Remopleurides複眼のジャイロ機能検証と進化の裏付け https://www.sci.shizuoka.ac.jp/news/1434.html 参考:Remopleurides の分類(本標本の種名について命名者本人が解説しています) http://www.geologi.no/images/NJG_articles/NGT_62_4_231-329.pdf
Upper Ordovician Acton Scott Beds Acton Scott, Shropshire, UK Remopleurides deani (Nikolaisen 1983)tatsutoy
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Modocia whiteleyi
Elrathiaと共にユタ州を代表する三葉虫、Modocia属は種類が多く同定が難しいです。Modocia属の種名特定を更に困難にしているのは裸名の存在です。一見、正式な学名に見えてもその実、記載事項が不十分で、学名に至っていない名前がこのModociaには多く与えられてしまっています。入手時、Modocia weeksensisだったのですが、これは裸名でした。採取地の名称が充てられおり、それっぽいのですが、どうやらM whiteleyiの模様です。 誤っていた場合はご指摘下さい。 ちなみにこの標本、両頬が後加工で母岩に貼り合わせていました。
Middle Cambrian Weeks House Range, Millard County,Utah,USA Modocia whiteleyitatsutoy
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Encrinurus onniensis
シルル紀地層から産出するイギリス産イチゴ頭の三葉虫です。エンクリヌルスの仲間は英国以外では北欧やアメリカ、カナダのアンティコスティ島などで見つかります。加えて日本でも部分化石ながら東北で見つかることは興味深いです。各種類に関しては頭部のポコポコした結節の数と配置で鑑別されています。 当標本の種名は産出場所のOnny River, Cheney Longvilleに因んでいると思います。
Lower Silurian Purple Hughley Shales Wenlock, Shropshire, UK Encrinurus onniensistatsutoy
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Michaspis librata
ロシア連邦サハ共和国はシベリアに位置し、日本の8倍の国土である一方、人口は1/100。加えて土地が凍土という別世界です。ダイヤモンドや金など採掘資源が豊富な場所だから、そのノウハウを生かして採掘や研究が進んでいるかと思いきや、あまりその様な印象はありません。現場の写真は見た事がないのですが、長い冬は凍りつき、夏は氷が融け水浸し、と掘れる環境ではないのかもしれません。カンブリア紀化石はアナバル川やレナ川とその支流周辺の路頭で採れるとの事です。画像右にうっすらと浮かぶ三葉虫はHatangia scitaです。
Middle Cambrian Hatanga Siberia, Russia Michaspis libratatatsutoy
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Spaherocoryphe globiceps
部分化石で二本の長い尾部が欠損しています。特徴的なボール型の頭鞍部を持っており、他の三葉虫と区別がつき易いです。Girvan, Ayreshireの化石表面はボロボロしており、見た目が良くないのですが、英国北部の代表的産地であり、かつ南部とは異なる種類が産出する事から、ブリテン諸島の北部と南部の間にはかつて大洋が広がっており異なる環境が存在したという根拠の一例として重要な役割を果たしています。
Upper Ordovician (Ashgill Series) South Threave near Girvan, Ayrshire, Scotland Spaherocoryphe globicepstatsutoy
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Viaphacops sp. (aff. bombifrons)
標本裏面にBLACK CAT MAUNTAIN 2004と"銘入り"の化石です。僅か2cmのファコプスにもかかわらず丁寧にクリーニングされています。種名が当時のものなので、現在は変更になっているはずです。ご指摘頂ければ幸いです。
Lower Devonian Bois D'Arc Carter County, southern Oklahoma, USA Viaphacops sp. (aff. bombifrons)tatsutoy