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PENTAX Super-Takumar F1.8/50mm 後期型
PENTAX Super-Takumar F1.8/50mm 後期型 今回のオールドレンズは「ペンタックス Super Takumar F1.8/55mm」(後期型)です。 ペンタックスのオールドレンズのシンボルと言っても過言ではない名品だと思います。 Super-Takumarと言っても多くのモデルが存在しており、 いわゆる初期型と呼ばれているタイプが、1962年に発売され、次に前期型タイプが1963年、後期型タイプが1965年に発売になっています。 1964年に、世界中で400万台以上を売り上げた、有名な一眼レフカメラの「ASAHI PENTAX SP」が、旭光学(ペンタックス)から発売され、主にこのカメラ用として使う目的のレンズだったと思います。 そういった流れから、このレンズも大変多く販売され、結果として中古市場での在庫も多く、非常にリーズナブルな価格で購入できるオールドレンズ代表格のようなレンズとなっています。 「Super-Takumar F1.8/55mm」後期型は、あの有名な別名「アトムレンズ」と呼ばれるレンズを使用しています。 アトムレンズ(トリュウムレンズ)というのはトリュウムという放射性物質を含んだレンズの総称です。トリュウムレンズと呼ばれるものは、カールツァイスが最初に採用したのですが、「Super Takumar 55mm F1.8」後期型以外にも同時期にいろいろなメーカーから発売されています。 使用されていた「酸化トリウム」は、レンズの屈折率の精度をあげる効果があるので描写力を向上させ、色収差を低減させた画像を得る事ができました。しかしこのレンズにも欠点もあり、経年劣化によりレンズが黄ばんでしまう事です。(特に紫外線が当たらない暗所で長い間保管するとより黄変する) レンズが黄色く変色してしまえば、撮る写真も黄色っぽい仕上がりになってしまいます。デジタルカメラで使用する分には、オートホワイトバランス設定で対応できますが、フィルムカメラで使用する場合は、撮る写真が黄色っぽいものになってしまいます。 この「トリウム」は放射性物質なので、被ばくの恐れ(肌身離さず身に着けていない限り問題はない)も心配されたり、黄変の問題などから、段々と使用されなって行きました。 この、「Super-Takumar F1.8/55mm」後期型は、開放値での撮影では、オールドレンズ特有のボケを味わうことが出来、絞り込んでいくときっちりとシャープな画像を得られ、小型軽量でコンパクトなレンズサイズと相まって大変扱いやすい優れたレンズであると思います。 【Super Takumar 55mm F1.8 後期型のスペック】 焦点距離 : 55mm 最短撮影距離 : 0.45m 絞り開放値 : F1.8 レンズ構成 : 5郡6枚 絞り羽根枚数 : 6枚 フィルター径 : 49mm マウント : M42マウント 【初期型・前期型・後期型の見分け方】 初期型と前期型、後期型の見分け方は、レンズ銘の中の製造番号の位置から判断する事ができます。Super-Takumar文字の前に製造番号があるのが初期型と前期型になり、後期型はAsahiの前に製造番号があります。 又、初期型と前期型の見分け方は、ピントの合焦マークで見分けます。丸と棒を組み合わせたマークが初期型、ダイヤマークが前期型となります。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=gKEqUpmkv4E https://www.youtube.com/watch?v=tUd47N_fmvY https://www.youtube.com/watch?v=codMf5mg8g0 https://www.youtube.com/watch?v=r7Yk-zqjDEc https://www.youtube.com/watch?v=4NgXJ7vT2r8
カメラ M42マウント PENTAXta-ke
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PENTAX Super-Takumar F1.4/50mm
PENTAX Super-Takumar F1.4/50mm PENTAX Super Takumar 50mm F1.4は1964年に発売されたAsahi Pentax SP用の標準レンズです。 旭光学としては初めてのF1.4クラスの明るいレンズと言う事になります。 Pentax SPは、一眼レフの傑作機で、東京オリンピックが開催された年にあたる1964.0年に、フォトキナで発表していた大ヒットカメラを、旭光学は満を持して発売したとのことです。 1960年代、一眼レフ用標準レンズでF1.4クラスは各社のフラッグシップレンズといえるものしたが、52mm~58mmといったものが多くい50mmのものは少なかったようです。 国内で50mm F1.4に一番乗りしたのはNikkor-S Auto 50mm F1.4で1962年のことで、Super Takumar 50mm F1.4も50mmレンズとしては比較的早いデビューのレンズであった様です。 初期のこのレンズは6群8枚という複雑な設計を持っていたのですが、比較的早くに再設計されて7枚玉に変更されています。 標準レンズのスペックとレンズ枚数は、50mmF2クラスだと6枚、50mmF1.4クラスだと7枚と似た構成が多いようです。 但し、50mmF1.4で8枚構成は珍しく数えるほどしか存在していない為、貴重なレンズとしてニーズの高い人気レンズとなっています。 一般的にレンズ枚数は増えれば増えるほど修正できる収差も増える為、高性能になる傾向が有るのですが、生産コストが上がってしまうため技術革新に合わせて枚数を減らすことが多いですね。 一口に、Super Takumar 50mm F1.4レンズと言っても、発売時期によってタイプが違ってきます。 ➀ Super Takumar 50mm F1.4 最前期8枚玉 8枚玉の中でも非常に古くシリアルが飛んでいる(通常の前期は96万番台から)為サンプル版やβ版ともいわれている。距離指標の形が異なります。 ➁ Super Takumar 50mm F1.4 前期8枚玉 外観上の特徴は後期型に近いが赤外線指標がF4より開放側にあるため8枚玉であることがわかります。 ➂ Super Takumar 50mm F1.4 後期7枚玉 通常の7枚玉。赤外線の指標がF4とF8の間にあることから7枚玉であることがわかる。7枚玉としては初期のタイプになります。 次の世代よりマルチコーティング化されたスーパー・マルチコーテッド・タクマーとなる。 そして今回取り上げているレンズは、➂のタイプも物となります。 さらに、このタイプのレンズには大きな特徴が有ります。 【黄変するアトムレンズ】 Super-Takumar 50mm F1.4は、製造後期の➂タイプになってから「トリウム」という放射性物質を使用した光学レンズが使用されるようになりました。ファンの間では別名アトムレンズと呼ばれています(人体への影響は無いとされています)。トリュウムレンズは、「風をも写す」ほどの優れた描写力を持っていると言われているのですが、アトムレンズ(トリュウムレンズ)は経年劣化によって黄色く変色してしまうため、写真全体が黄色いフィルターをかけたようになってしまいます。 あえて黄色いまま撮影して、オールドレンズらしいレトロな雰囲気を楽しむというというのも面白いですが、デジタル一眼などの設定でホワイトバランスを調整することで軽減することができます。 又、黄変レンズ自体も、紫外線を照射する事により黄変をもとに戻すことも可能になります。 このレンズの描写特性は、順光で撮影をすると、後ろのボケ感もなめらかで、美しいボケと黄変したレンズのレトロな写りが魅力となります。 現代的な新しいレンズでは表現しづらい様な、オールドレンズらしい独特な描写、温かみを残しつつも解像度もしっかりしています。 諧調の表現力が豊かなポートレート向きと言えるかもしれません。 参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=rCOcKB0BtZE https://www.youtube.com/watch?v=uRklDg-LQiQ https://www.youtube.com/watch?v=zQhG1g4FBNs https://www.youtube.com/watch?v=sG_69I45H2k 【基本仕様】 発売時期 : 1965年 対応マウント : M42マウント フォーカス : MF レンズ構成 : 後期型:6群7枚 絞り羽根枚数 : 6枚 焦点距離 : 50mm 最短撮影距離 : 45.0cm 開放F値 : F1.4〜16.0 フィルター径 : 49mm サイズ : 61.5mm×38.5㎜ 重量 : 252g
カメラ M42マウント PENTAXta-ke