チョコ大佐のゲーム三昧12

初版 2020/02/23 10:50

【フラットトレイに物申す!】

 ~サイモンセンに踊らされた男の話~


フラットトレイとは、SPI社がかって販売していたゲームのパッケージのひとつで、

マップ等のアートディレクターであり、事業センス抜群のコストカッターであったサイモンセン氏が考案したものです。サイモンセンはフラットトレイ以外にもゲーム制作に関わる作業の殆どのシステム化に着手し、同時進行しているゲーム制作のサブルーチン化、効率化を進めました。例えばこのフラットトレイもそうですが、ルールの書き方の共通化、マップの色数を絞るなど、その手腕は決して楽ではないSPI社の経営に大きく貢献していました。当時のSPI社は天才ゲームデザイナーのダニガンと天才経営家のサイモンセンの両輪で動いていたことは間違いありません。彼がいなければ、SPIの終焉はもっと早く訪れていたでしょう。まあ,それはともかく、ホビージャパンの陰謀によりSPIのゲームは、国産ゲームやAHのゲームより高尚だ、素晴らしいぞというのが刷り込まれた当時のゲーマー達は、ちゃちな作りながら高価なSPIのフラットトレイのゲームに強いあこがれを感じていました。持っているだけであいつはすごいゲーマーだという、一種のステータスアイテムとなっていたのです。

そして多くの中堅ゲーマーは無理して高価な(当時は1ドル=300円の固定相場でした)SPIのフラットトレイゲームを購入し、ぶいぶい言わせていたのです。


…が、時は経ち、皆が冷静になってみて、持っているフラットトレイゲームを眺めると、


「だまされたー!」


と叫ばずには居られません。

まずは、蓋が薄いプラスティック製ゆえ、バキバキに割れます。潰れます。蓋としての機能はすぐに無くなります。

そのため、着物の帯紐のようなゴムでトレイを止めていました。ちなみに、ゲームに輪ゴムは天敵です。カードを輪ゴムで止めていて、時間が経つと輪ゴムが溶けてカードにひっついてカードが使用不可になるという不運を味わったゲーマーを何人も見てきました。


また、トレイ裏ですが、薄っぺらい紙をプラスティック製のトレイの裏に接着剤でつけているだけなので、すぐ外れます。底蓋の意味を成していません。


更にトレイの蓋ですが、凹凸部分が浅く、作りも小さいため、パカパカ外れます。そのため、何もしないとすぐ外れて中身のカウンターが飛び散ります。サークルの会合に持っていって、開けてみたら悲惨な状況、というのはよくある光景でした。対策のため、弱粘のテープで四隅を止める人が多かったです。


幻想から醒めた今、サイモンセンのコストカットの産物に踊らされていたんだなあということをしみじみと感じます。が、でも、いいんです。当時はとてもとても楽しい夢を見させて貰っていたんですから。手のかかる子ほど可愛いと言いますしね。


#ゲーム三昧

#フラットトレイ


ひとりこつこつとヒストリカルSLGをやっています。

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