ちょこ大佐のゲーム三昧11
初版 2020/02/17 13:58
改訂 2020/02/24 20:28
【アルンヘムシステム】(あるんへむしすてむ)
アルンヘムシステム。別名エリアインパルスシステム。
1981年にアバロンヒルから発売された『アルンヘム強襲』。そのシステムは今まで慣れ親しんだへクスマップ上を多数のユニットが自分のユニットを動かしたいだけ全部移動させ、戦闘処理後相手の番になるというシステムとは違い、エリアマップ上でユニットを両プレイヤーが交互に一つずつ移動させるという戦闘級のシミュレート方法の新たなる提案でした。確かに、戦術級というタイムスケールの短い戦闘を再現するには、既存のシステムより、将棋のように相手の動向を見てから細かく対応できるアルンヘムのシステムの方がよりリアルだと感じます。
そのシミュレーション性の高さからその後続々とシステムを受け継いだ作品が発表されました。
『アルンヘム強襲』(AH 1981)
すべてはここから始まった…。
https://muuseo.com/simulationgame/items/65
『サンダーアットカッシーノ』(AH 1987)
1944年のイタリアはモンテカッシーノで行われた戦い。マップが美しいので有名。
『ターニングポイント スターリングラード』(AH 1989)
スターリングラード市街戦を再現。『アルンヘム強襲』では各ユニットは表(未行動)と裏(行動済)の2つの状態しかなかったが、それにレベル1から4までの「混乱状態」という状態が加わった。より作戦に深みがでるようになったと、折角シンプルなルールだったのにという意見が半々。
https://muuseo.com/simulationgame/items/266
『ブレイクアウト ノルマンディー』(AH 1992)
ノルマンディー上陸作戦初期を再現。作戦級でありながらアルンヘムシステムをうまく取り入れている。
『モンティズギャンブル:マーケットガーデン作戦』(MMP 2003)
なんとマーケットガーデン作戦全体を再現したアルンヘムシステムの逸品。
『旅順港強襲』(シミュレーションジャーナル GJ#10付録 2004)
「アルンヘムシステム」+チットプル(順番が交互でなく、チットを引いて決める)システムを採用。
『スターリングラード強襲』(シミュレーションジャーナル GJ#19付録 2006)
「アルンヘムシステム」+カードドリブンシステムを採用。カードドリブンシステムについてはいつか解説…予定。
https://muuseo.com/simulationgame/items/183
『ノットウォーバッドマーダー』(LPS AtO#19 2007)
南北戦争のコールドハーバーの戦いを再現。
『Storm Over Taierzhuang』(LPS AtO#25 2009)
1938年3月の徐州会戦の前哨戦となった台児荘での日本軍と国民革命軍との戦いを再現します。アルンヘムシステム+チットプルを採用しています。
(2020.2.24加筆)
『スターリングラード』(LPS 2017)
スターリングラード攻防を扱っている。
『アラスの戦い』(Revolution Games 2019)
第二次世界大戦でのドイツ軍のフランス侵攻時に行われた戦い。
こうしてみると、現在までそのシステムは脈々と受け継がれているので安心。
(2020.2.21加筆修正)