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サロン(40本入・50本入)
「サロン」は、は口付タバコの「かをり」とともに、専売制度創始25周年を記念して販売された記念銘柄の一つです。普及しはじめた洋風生活をイメージさせる、各種のアイテムをデザインしています。縦に伸びる直線を多用することで、缶そのものを「高く」見せる視覚的効果を狙っていることも特筆されます。 当初は、40本入でブリキ缶に直接印刷されましたが、一般銘柄としての再発売時には、50本入りに改装され紙ラベル貼に仕様が改められました。 記念銘柄であるということの他にはあまり情報が伝わっていませんが、同時期に発売されていたその他の両切銘柄と比較して高価格品であることがわかっています。オリエント葉3品種(ナイル・アルマ・オリエント)が、売価10本当たり37銭~23銭であったころ、「サロン」は10本当たり25銭で、バージニア葉を使用する明治以来の高級品であった「スター」が12銭です。サロンはその倍に相当することから、バージニア葉の比率を高めた高級品を目指していたのではないかと思われます。 それが理由であるかは判然としませんが、昭和恐慌後の高価格品整理の際に整理対象となり、製造中止となりました。 ☆25年記念(ブリキ缶直接印刷) ・1922年9月26日~ 40本入1円で発売開始 ・1927年2月4日 製造中止 ☆改装再発売(50本入りラベル貼り缶) 1927年2月4日~ ・50本入1円50円銭で発売開始【画像1】 ・部分拡大【画像2】 1931年8月20日製造中止
プリント缶→ラベル貼縦缶 不明 1922年9月26日 1931年8月20日shirotanino
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かをり (20本入)
かをりは、専売制度創始25周年を記念して販売された記念銘柄の一つで、同時に両切の「サロン」が缶入りで発売されています。スズランを意匠の中心においたもので、それまでの口付銘柄のもつ重厚なイメージから離れた、新しいデザイン様式を採用したものです。 この当時、スズランが流行し、そのことでデザインに選ばれたのではないかという推測が関係者から聞かれます。それであれば、流行に関する事物を取り上げた初期の例でないかと思われます。しかしながら、「女学生趣味」などと評価され、あまり評判の良いものではありませんでした。 同時に記念銘柄として発売された「サロン」が、同時期の他の両切銘柄に比較して高級品であったのと同様に、かをりもその他の「敷島」(15銭)・「朝日」(12銭)より高級品として販売されました。 1922年9月26日~ ・20銭で発売開始【画像1】 ・表面部分拡大 【画像2】 1923年3月31日 製造中止
縦型打抜包装 懸賞入選作品 1922年9月26日 1923年3月31日shirotanino