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やよひ (20本入)
ロシア風細巻のタバコ。ロシア風とは、口紙の部分が比較的長いものをそのように称していました。 本邦初の女性向けタバコ、とくに「女学生むけ」として企画されました。当時、喫煙習慣のある女性はいましたが、「人前」で嗜むことが憚られたため、愛用者はさほど広がりませんでした。 ただ、刻みタバコからこの「やよひ」に移行する花柳界の女性が多かったといわれ、細巻の華奢な姿と相まって「芸者タバコ」というあだ名がついたといわれています。 春の草花を盛った花かごを、洋画風に描いたのが特徴。点描式の多色刷りを採用し、印刷色数が多い8色刷。のちに印刷方式を改めたため、終売近くには色数が落ちて当初の彩りをなくしました。 1910年5月25日~ 10銭で発売開始 1917年12月1日~ 12銭へ価格改正【画像1・2】 1919年8月6日~ 15銭へ価格改正 1921年~ ☆デザイン一部改正 1924年11月7日~ 18銭へ価格改正【画像3】 1929年~ ☆デザイン一部改正・色数変更【画像4】 1931年5月20日 製造中止 [1947 清川]
縦型打抜包装 大串喜代治 1910年5月25日 1931年8月20日shirotanino
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エアーシップ(50本入)
日本で初めて動力飛行機が飛んだのは1910年で、この年に発売されたのが「エアーシップ」である。「エアーシップ」発売が5月、初飛行が12月なのでタバコの方が先んじてはいるが、大空への関心の高まりを意識した商品名であることは間違いないだろう。 大正期には10本入りの小箱が発売されるようになるが、缶デザインに描かれたクラシックな複葉機が単葉機に描きかえられるなど、技術の進歩が意匠に反映されるのはまことに興味深い。発売当初、デザインは缶に直接印刷されていたが、紙ラベル貼りに変更された。 ・1910年5月25日~ 35銭で発売開始 ・1917年12月1日~ 45銭へ価格改正 【画像1-4】1919年8月6日~ 50銭へ価格改正 ・1925年11月7日~ 60銭へ価格改正 ・1926年3月22日~ 包装形態変更 ・1936年11月11日~ 75銭へ価格改正 ・1938年1月31日~ 90銭へ価格改正 ※価格改正の告知のみで実際には販売されていなかったと思われる。 ・1938年8月31日には製造中止
プリント缶→ラベル貼縦缶 本多 功 1938年8月31日 1910年5月25日shirotanino