見栄は張っていません! ~ 重要文化財 三重県庁舎
初版 2024/08/14 16:46
改訂 2024/08/17 23:14
引き続き1丁目、重要文化財「三重県庁舎」にやってきました。
明治12年に建てられた間口(幅)54メートル、左右対称の堂々たる建物です。大きく羽根を広げた様な姿は「平等院鳳凰堂」を思わせます。
均整のとれたこの美しい建物は、「三重県尋常師範学校」と同じく三重県土木掛の清水義八の設計です。「地方の技術者が明治初期に建築した擬洋風建物の秀作」と言われたそうですが、「ひとの優秀さに地方も中央もないわ。大きなお世話じゃ!」と思います(笑)。
施工は9世伊藤平左衛門(1829-1913)の手によるもの。平左衛門は重要文化財である旧見付学校、東本願寺御影堂などを作った名工です。幕末にはすでに棟梁として活躍していましたが、維新後の明治5年(1872)に門生と共に東京・横浜へ行って西洋建築技法を学び、帰郷後、各官衙学校などの建築に応用しました。こういう向上心がこの時代の人の偉いと思わされるところです。
二階バルコニーから入口を臨みます。
正面の基壇・礎石・円柱はギリシャ・ローマの神殿を模したもの。
二階右翼のホール。
二階中央にある知事室。広くて日当たり抜群です。不規則ですが、これも「格天井」というようです。
知事室の椅子に実際に座ることができ、外の風景を眺めてみました。この机で知事が決裁の印を押したりしていたのでしょうね。
知事室横の会議室。モダンで美しい空間です。
これだけ光が燦々と降り注ぐ部屋なら、会議の結論も明るいものになるような気がします。
知事室となりの上局。
レモンイエローの品の良いソファです。お花のディスプレイもきれいですね。
シャンデリアの基盤がまた立派。
明治村は明治42年(1909)に竣工した「東宮御所(現迎賓館赤坂離宮)」創建当初の家具を数多く所蔵しています。この三重県庁舎左翼一階には、当時撮影された東宮御所写真帖の古写真と一緒にこれらの家具が展示されています。
東宮御所「孔雀の間」に置かれていた肘掛椅子。
「孔雀ノ間」に置かれていたテーブル。上の椅子もこの古写真に写っています。
「孔雀ノ間」に置かれていた小肘掛椅子。
孔雀ノ間の古写真と共に...。
「紅ノ間」に置かれていた長椅子。
同じく「紅ノ間」に置かれていた肘掛椅子。
「紅ノ間」の写真。
「朝日之間」のサイドボード。
「朝日之間」の古写真。調度を含め、当時の東宮御所は素晴らしい建物だったのでしょうね。
連続テレビ小説「虎に翼」のロケにこの建物が使われています。
https://www.meijimura.com/meiji-note/post/%e6%98%8e%e6%b2%bb%e6%9d%91%e3%81%af%e3%80%81%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%83%bb%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%9e%e3%81%ae%e3%83%ad%e3%82%b1%e5%9c%b0%e3%81%ae%e8%81%96%e5%9c%b0%ef%bc%81nhk%e9%80%a3%e7%b6%9a/
1990年3月に行ったロンドンで、初めてエドワードグリーンのドーバーを購入しました。以来、ここの靴の虜になりました。質の良いしっとりとしたカーフ、美しい木型、無い物ねだりと分かりながら、この時代のエドワードグリーンの靴を今も追い求めてしまいます。
他に古い靴も修理して履いています。特に戦前の英国靴は素晴らしいと実感しています。
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