修復は慎重に

初版 2020/12/27 14:17

改訂 2022/09/18 14:27

業者に修復を頼んだ色紙が逆に傷物になって返ってきた。

当たり前だが1度壊れた物はもう元には戻らない。

他社に再修復も依頼したがお断りされてしまった。

「ここまでされてしまっては弊社ではもう無理です」と。

私はこの色紙を見る度にこの件を思い出すのだろう。

2020年6月に手に入れた色紙はとにかく変色とシミのひどい状態だった。

30年以上前に描かれたもので、ずっと店内に飾ってあったので当然と言えば当然なのかもしれないが、せっかくご縁あって私の元に来たのだし修復して長期保存に耐えられるようにしようと思い広島県にある表具処に依頼した。

ここに依頼した理由はただ1つ。料金が相場より安かったから。

修復ははっきり言って安くはない。

何でもそうだが、料金=技術料と安心料だ。

分かってはいるができるだけ安くしたいと思うのは当然のこと。

そしてわずかな料金を惜しんでしまったが為に、色紙にも心にも一生消えない傷を負うことになってしまった。

・目視で分かるほど金枠よりも内側に小さく化粧立ちされ

・それにより描かれているイラストの欠損

・また滲み止め処理が甘く、滲んでしまい

・濃いめに滲み止め処理をされたことで不自然なテカりが出た

・変色が全く修復されていない

・etc……

修復は初めてではない。

良い業者は見積もりや問い合わせに対して連絡が早かった。

悪い業者はとにかく連絡が遅い。

返信がなく再度問合せしてから数日後とか、電話してやっと連絡が取れるという状態だった。

今思えばこの時点で辞めるべきだった。

依頼をしてしまったことがただただ悔しい。

大切な物だからこそ修復しようと思った。

だが結果は半年近く待たされ、メールを送っても返信もなく、その間モヤモヤして、そして肝心の色紙は逆に傷物にされてしまった。

わずかな金額を惜しんだばかりに。

なのでもし色紙修復を考えている人がいたらこの2点だけはお伝えしたい。

・相場より安い所に依頼してはいけない

・返信が遅い所にも依頼してはいけない

1度壊れた物はもう元には戻らない。

修復は慎重に。

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