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Manisa (トルコ)
マニサはトルコ最西部、エーゲ海近くの町です。 セレウコス朝シリアの都市でしたが紀元前190年にローマ統治下になりました。期限1世紀に大地震により壊滅的な打撃を受けますが、ローマ帝国の下再建され、その後継続して東ローマ帝国下でも貨幣鋳造所が置かれるなどして繁栄します。しかし、13世紀前半になるとトルコ系部族の断続的な侵攻を受け、多くの住民が町を離れたことから衰退し、1313年にセルジューク朝トルコの統治下に入ります。15世紀に入るとオスマン・トルコの下皇太子直轄地となることで帝国内で最も豊かな地域として復活します。18世紀前半には綿及び皮革の交易拠点及び東方からの交易キャラバンの終着地点として栄えますが、同時に地方軍閥の台頭から多くのギリシア人やユダヤ人がイズミル等の港湾都市に移住し、繁栄が失われていきます。 掲載の地図はCornelis de Bruyn作の「Reizen van Cornelis de Bruyn door de vermaardste deelen van Klein Asia」(1698年初刊)所収のものです。
Reizen van Cornelis de Bruyn door de vermaardste deelen van Klein Asia 銅版画 41cm × 50cm 1698Roku
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Nagykanizsa (ハンガリー)
ナジカニジャはハンガリー南西部の町です。 元々は13世紀にカニジャ川の中州にこの地方を支配するカニジャ家が城を建設したことが起源です。16世紀前半にはオーストリアのグラーツ及びイタリアとの交易の中心として町が発展します。また、当時勢力を増していたオスマン・トルコに対するハンガリー南部の最重要要塞でしたが、1600年にトルコが占領・支配します。18世紀の初頭にトルコがこの地方から撤退すると城は破却され、一方で交易が再び盛んになります。 掲載の地図はMatthäus Merian作の「Theatrum Europäum」(1639年初刊)所収のものです。
Theatrum Europäum 銅版画 38.8cm × 34.6cm 1698Roku