Muuseo Travel Vol.5 スペイン各地を巡る旅 (後編)
Hola !!! ミューゼオ編集部の安藤です。 Muuseoに展示されたコレクションを紹介しながら、世界各地を巡る本連載。 第5回となる今回は、スペイン各地を巡る旅の後編をお届けします。 前編の記事はこちら!➡︎https://muuseo.com/muuseo_staff/diaries/86 後編となる今回は、スペイン南部、アンダルシア地方を巡ります。 今回はどんな場所を訪ねることが出来るでしょうか。 皆さんにミューゼオへ展示頂いたコレクションだけが頼りのこの企画。 それでは参りましょう! アンダルシアについて アンダルシア地方はスペイン南部のエリアに辺り、ジブラルタル海峡を挟みアフリカ大陸と肉薄します(上の地図、一番下にチョロっと見えているのがモロッコ北端、アフリカ大陸の玄関口です)。その立地からイスラム文化圏による支配の歴史が長く、1492年にキリスト教徒による領土奪還(レコンキスタ)が完了するまでに作られたイスラム文化の遺産が数多く残ります。グラナダのアルハンブラ宮殿はその代表格ですね。雨が少ない土地柄で、海岸沿いのエリアはコスタ・デル・ソル(Costa del Sol)、太陽海岸と呼ばれ、スペイン国内でも屈指の観光地域としての役割も担っている地域です。 イスラム帝国最後の街、グラナダとアルハンブラ宮殿 @グラナダ コレクションオーナー:RIKさん https://muuseo.com/rik/items/55 グラナダはアンダルシア地方南東部、内陸の街。 1492年に陥落した、スペインに残った最後のイスラム王朝、ナスル朝グラナダ王国の首都だったことで有名です。 La Alhambra、丘の上に立ち街を見下ろす、荘厳なるアルハンブラ宮殿はこの街の象徴的存在。イスラム文化圏の支配が終わった後も、時代ごとの領主による改修は行われましたが、その姿を現在に残しています。 MS-06RP 試製高機動型ザクⅡ(RP型) コレクションオーナー:Tmo.Atmさん https://muuseo.com/tmo.atm/items/2 スペインの話をしていたのにザクの画像でビックリなのですが、「グラナダ」と聞くと、ジオン公国の月面基地を思い起こしてしまうお兄様も多いのでは無いでしょうか(かく言う私もです・・)。実在の地名が多く用いられる事も特徴の機動戦士ガンダムシリーズですが、特にこの「グラナダ」という地名は幼い頃のミューゼオ編集部員・安藤に強い印象を与えておりまして。実在する土地が、滅亡を迎える帝国の最後の砦の街だったと知った時は「ガンダムはやっぱり良いなあ・・」となった記憶がございます。(何の話でしたっけこれ・・) ピカソの生まれ故郷と地酒の街、マラガ マラガはアンダルシア地方南部、海沿いの街です。ここは偉大なる画家、ピカソが生まれた街として有名な街。ピカソ美術館や、ピカソが生まれた家も現存し、名所となっています。 PICASSO 新潮美術文庫 42 ピカソ コレクションオーナー:ts-r32さん https://muuseo.com/ts-r32/items/991 また、マラガは甘い地酒「マラガ酒」の産地としても知られます。 (写真は編集部員の安藤が個人でマラガを訪ねた時のものです) アンダルシア地方は全域で「フォーティファイドワイン」と呼ばれる、ワインの醸造段階でブランデーを加えて酒精を強化した地酒を生産しており、地元のバルでは1杯1EUROで干し葡萄のように極甘な地酒を一気に飲み干していく地元の老人をよく見かけます(胸焼けしないのか・・?) Macallan 1958 コレクションオーナー:morrisonさん https://muuseo.com/musicalbox_4210/items/26 そんな地酒の数々ですが、保管と熟成に使われた後の樽は、ウィスキーなど蒸留酒の熟成とキャラクター付けに使われるために各国に輸出されていくことになります。 こちらのコレクションのマッカラン1958(すごいですね..)もシェリー酒を作った樽による熟成。甘い香りと風味がウィスキーに移っていきます。欧州の合作ですね。 新大陸発見ゆかりの土地、セビーリャ アンダルシア地方南西部の街、セビーリャ。今日のアンダルシア州都であり、工業都市としても知られる街ですが、大航海時代から16世紀のアメリカ大陸発見に至る、スペインが世界最強国家として黄金期を過ごした時代における文化と経済の中心地だったのがセビーリャです。アメリカ大陸を発見したコロンブスの拠点もこの街におかれました。 スペイン/セビリア万博 1989.02.07【World Topics Stamp Collection】 コレクションオーナー:お気に入り切手ミュージアムさん https://muuseo.com/stamp_collection/items/978 こちらは新大陸発見から500年目の節目にあたる1992年、セビーリャで開かれた万国博覧会の記念切手のコレクションです。 カルメン コレクションオーナー:ts-r32さん https://muuseo.com/ts-r32/items/670 セビーリャの街はメリメ原作、華々しいオペラに昇華した名作「カルメン」の舞台でもあります。作品の中で、情熱的で危険な女性「カルメン」が働く煙草工場は現在も建物が残り、大学校舎に使われています。情熱の国、スペインのイメージを代表するような作品ですが、作家のメリメはフランス人。この時代からアンダルシア地方は欧州各地から「異国感溢れる未知の土地」として見られていたようです。 アンダルシアを舞台とした名作漫画のコレクションも 茄子 アンダルシアの夏 コレクションオーナー:aleviola1926さん https://muuseo.com/aleviola1926/items/998 アンダルシアはその旅情感からか、様々な作品の舞台として描かれてきました。日本の漫画家、黒田硫黄さんの本作品も有名ですね。アンダルシア地方の田舎町出身の青年が、プロの自転車レーサーになった。今回のレースは生まれ故郷の街を通るコースだが、そんな日に現地で行われる結婚式で祝福される二人は・・?みたいなお話です。漫画版もオススメです! 以上、如何でしたでしょうか。 今回はミューゼオに集まったコレクションを頼りに、スペイン南部・アンダルシア地方を巡りました。 皆さんの世界各地にゆかりのコレクション、これからもお待ちしております! #ミューゼオ