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十二単衣を着た悪魔
内館牧子さんの小説 二流男の伊藤雷が源氏物語の世界にトリップしてしまう物語。 雷が手を組むのが弘徽殿女御、というのが1番のおもしろさだと思います。 自分のイメージでは、弘徽殿女御=意地悪で嫌な女性でしたが、この小説を読むと、女御の苦労や息子への愛情が伝わり、イメージがガラッと変わりました。 雷も作中で話していましたが、高校時代、文法だけではなくて源氏物語の面白い部分をもっと教えてくれればよかったのに!と思ってしまいました。
小説 幻冬舎 書店bookworm
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アイネクライネナハトムジーク
伊坂幸太郎さんの小説 章によって次々と物語の中心人物が入れ替わっていくのが魅力的。全く知らない人が突然登場する訳ではなくて、それぞれの人物が、何かしらの関係(家族、先生、友人、友人の友人、会社の人、、)を持っているのもおもしろさの一つです。 世間の狭さも感じますが、そこから現実との近さも感じます。 何か悪いことがあっても、いいこともちゃんとあって、それの大きさは小さくても、「明日もなんとかいけそうだ」と思える作品。 人間って案外ポジティブかもしれないとも思いました。
小説 幻冬舎 有隣堂bookworm
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植物図鑑
有川ひろさんの小説 「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。」 と声をかけられてイケメン(いつき・植物オタク)を思わず拾う主人公(さやか) なんて有り得ないと思ってしまう場面からスタート。 雑草と呼ばれてしまうような植物がたくさん登場するのですが、小説を読んでいると自分までその植物たちへの思い入れが積み重なっていきました。
小説 幻冬舎 2014bookworm