コレクションについて

初版 2019/08/11 15:06

 皆さん素晴らしいコレクターが集うミューゼオにおいて「コレクションについて」などという”釈迦に説法”的な話をするなど恥知らずもいいところですが、自分のコレクションについて、こうありたいと思うところを書いてみます。

 私の古道具趣味は10年ほど前から続いています。貧乏人であるがゆえに、これさえあれば何もいらないと思えるような高価な大名品など縁がなく、数百円~数万円と小遣いの範囲で気に入ったものを買っていました。買ったものといえば伊万里の蕎麦猪口や版画、椅子、簪、ガラスなど多種多様で、いまでは「なんでこんなん買ったかな~。」と思うようなものも数多くあります。「物の価値は値段じゃない!安くてもいいものはあるんだ。」と手当たり次第に買い集めていましたが、ふと周りを見渡すと物であふれ、好きなものを美しく飾るスペースさえない状況に気付きました。

 そんな時、ある方から「ある程度コレクションの数が増えてくると量より質が大事だと気付く時が来る」と言われ、はたして自分は何が好きで何に興味を持ち、何を集めているのか。単に直感で物を集めてきただけで、コレクションのテーマが存在しないことにその時初めて気付きました。それから何をテーマにするか考えた結果、「ガラスコップ」というテーマが決まりました。

 今では量より質という自戒の念を持ちつつ買うようにしていますが、やはり好きなものは好きで蒐集の本筋でないものを買ってしまうこともあります。ですが、以前に比べ買ったことを後悔したり、興味を失ってしまうような事は格段に少なくなりました。私のような貧乏人のコレクションでは、なるべくテーマを狭くした方がいいのかもしれません。狭く深いコレクションが理想です。最近では戦前のノベルティコップ、特にサイダーに的を絞って集めてみようかと考えています。


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M.S

主に戦前のノベルティーコップやイギリスのグラス、富山県の焼物「越中瀬戸焼」など、心の琴線に触れたモノたちをコレクションしています。渋いモノや古くて可愛いモノ、郷愁を感じるモノに心惹かれます。ミュージアム名は「森尻屋」。実家の屋号です。

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