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DIIV / Oshin - Captured Tracks – CT-350 RE-MASTERD world wide 2022
寝起き早々たまたまDIIVのスイスでの1H30Mのライヴを観た。今日まで映像でみるのは初めてで、ぐいぐいと引き込まれて結局最後まで観ていた。早速レコードスペースから彼らのレコード数枚を引っ張り出して久しぶりに聴いた。どのアルバムもギターもヴォーカルも全体のトーンは変わらないのだけど微妙な変化(テンポやリズム?)で飽きさせないようになっている。ニューオーダーや最近ではドライクリーニングと、どこかで聴いたことある感じもあるのだけど彼らのオリジナルなサウンド。なんか掴みどころのない変なバンド(人たち)なのだが気持ちがいい。たまたまライヴを観てなければ、改めて聴くこともなかったかもしれないのでよかった。車の窓全開にして大音量で海沿いを走ったら気持ちいいだろうなあ。このアルバムは2012年に発売された彼らのファーストアルバムのリマスター盤。音もだけど、若き当時の彼らのライヴ写真も美しい。ニューヨーク出身。現在も活動中。アンドリューベイリーのギターはかなり変わっている。大手物販のレコードガイドで現在のシューゲイザーを代表するバンドとか言われているがマイヴラやライドなどのバンドと一緒くたにされたら可哀そうだ。まったく違う。
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BIKINI GIRLS / BIKINI GIRLS - Kill Rock Stars – KRS-204 U.S 1992
1992年に発売されたビキニキルのファーストシングル。キャスリーンハンナが大好きだ。当時北米ツアー中に世界中で一番嫌われているバンドだと思ったぐらい孤独で、サーストンとキムが自宅に泊めてくれていろんな話をしてくれて本当に救われたとソニックユースのDVDで話していたけど、当時保守的なアメリカに対してライオットガールバンドの先駆的存在だったから、その叩かれ方も半端ないものだったらしい。こういう連帯的な運動は最初だけですぐ衰退していくから、その先はそういう目でバンド名や音楽も囚われがちだけど(そして誰からも見向き去れなくなる)彼女たちの音楽は今もこれからも聴き続けられる力を持っていて、このレコードが2022年に再発されたのも理由の一つだと感じる。ジャケットの写真はモデストマウスのツアーを撮影していたパットグラハム。彼は90年代のアメリカのローカルなバンドを愛情をもって撮影していた。ジーザスリザードのライブハウスの写真なんか結構すごい。ビキニキルの他のアルバムのジャケットの写真も彼が撮影したのがある。このアルバムはファーストシングルだけあってラストアルバムの”リジェクトオールアメリカン”(タイトルが凄い)と比べるとゴリゴリの手触りで、爆発したくてもしきれないフラストレーションを抱えたまま全力でライヴしているのが伝わってくる。
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LYDIA LUNCH / HYSTERIE Widowspeak Productions Records WSP-8 U.K 1987
リディアランチのレーベルから1986年にリリースされた彼女のバンド(またはユニット)のコンピレーション。ティーンエイジジーザス、ベイルートスランプ、8アイスパイ、ロウランドハワード、ダイハウト、ソートソルとの楽曲が収録されている。ベイルートスランプを除けば、彼女の声の遍歴が簡単に追えるようになっている。なかでもティーンエイジジーザスの1978年のORPHANSから1979年までに発表された3枚のシングルの楽曲がほぼ収録されていているのに加え、2001年に死んだ、バースデイパーティーのギタリスト、ローランドハワードとの曲I FEEL IN LOVE WITH A GHOST (4ADから1982年に発表された12インチシングル)が収録されているのがいい。アメリカンゴシックの元祖みたいに言われることが多いが、今もニューヨークは当然、ヨーロッパでもツアーを行っている。この人はサーストンムーア、ニックケイヴ、ローランドハワードなど豊かな才能と人脈を自分に取り込むのが上手い。キムゴードンは彼女をあまり好きじゃなかったみたいだけど。
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NICK LOWE / THE ROSE OF ENGLAND - Columbia – FC 39958 1985 U.S
ただただシンプルなビートと美しいメロディで部屋を満たすロックンロール。昔っから料理するときによくかけていた。イギリス人から評判は悪いらしいが、他のニックロウのアルバムを聴く気にならないくらい全曲口ずさめるポップアルバム。メンバーにポールキャラックも。タイトルソングのROSE OF ENGLAND , 大声で歌ってしまうSHE DON'T LOVE NOBODY などなど。全曲ご機嫌な(パブ)ロックで埋め尽くされている。料理が下手でもなんか作ったパスタがおいしくできそうな気がするから不思議。
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BECK / THE NEW POLLUTION - DGC12-22300BONG LOAD U.S 1997
ずば抜けた才能。12インチシングルでこの完成度は凄い。エイフェックスのリミックスを含む。
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JULIANA HATFIELD / BECOME WHAT YOU ARE - Mammoth Records – 4509-93529-1 EU 1993
変わることのないという言葉しか思い浮かばないアルバム。いつも傍らにあるレコード。孤高のというのは本当は彼女にあてはまるような気もする。メロディーメイカーとしてのジュリアナハットフィールド全開のアルバム。この当時のライブをもし体験出来るなら徹夜してでも最前列に行きたい。とはいえ作品を発表し続けていて今もアメリカをツアー中なのでいつか日本にくるかもしれない。1993年のこのアルバムはブレイクベイビーズからの最初のソロアルバムで金太郎飴のようにどの曲もジュリアナハットフィールドでたまらない。アメリカのモダントラックスチャートでNo.1を獲得した一度聴いたら忘れることの出来ない名曲、MY SISTERを収録。
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the slits / Cut - antilles records AN 7077 1979 U.S
未だにこのレコードというか音楽がたくさんの人たちに、音楽家に影響を与えているのは当然だろうと思う。このファーストを発表したときヴォーカルのアリは17歳。で、このサウンド。のちのライオットガールの、といわれるのもわかるけれど、それ以上にとにかく音楽がずば抜けている。素晴らしく完成度が高いアルバムで、天才ドラマーのちのスージーアンドバンシーズに参加するバッジー、テッサポリットのベースが強烈。ヴィヴのギターセンスも半端ない。プロデュースはあのデニスボーヴェル。そしてレコーディングは、あのリッジファームスタジオ。どうしてこんなレコードが作れたのだろう。
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THE CRAMPS / PSYCHEDERLIC JUNGLE - I.R.S RECORDS SP70016 U.S 1981
ガレージにずっと憧れていた。子供の時からガレージの無い家に住んでいたからかもしれないけれどガレージという言葉には、子供ながらに神秘的な何かが起こるような何かを起こせるような、そんな響きがあった。スティーヴンキングの小説にもガレージを感じるしソニックユースの音楽にもガレージを感じる。ガレージの神秘を想像させるものが大好きだ。アメリカはカリフォルニア出身のガレージもガレージ、最高のガレージバンド、クランプス。何をやってもどのアルバムもシングルも変わることないガレージサウンド。ラックスの死をもってバンドは解散したが、永久不滅のガレージバンドのセカンドアルバム。バックサイドのジャケ写真はアントン・コービン。モノクロのトーンがいつも同じで飽きる写真家だし被写体で過大評価されすぎてると思うけど。でも初期のこの写真は面白い。音楽は最高。A-2 にはキラーチューン、GOO GOO MUCK 収録。
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THE DELTA 72 / THE R&B MEMBERSHIP - TOUCH AND GO TG172 U.S 1996
ライブを見たい。きっとライブは凄かったに違いない。フィラデルフィア出身のバンドTHE DELTA 72 のファーストアルバム。これだけの音を鳴らしていてほとんど知名度が無いのがアメリカの凄いところ。パットグラハムの写真集(2枚ともサラだけど)もいい。で、そのハモンドのサラ・ストルファがキーマンで彼女の問答無用のグルーヴ。写真家でもありバーテンとして働いていた時に撮影した写真集 the regulars を発表している。これもまたいい。そしてフロントマンだったグレッグフォアマンは、解散後キャットパワーのメンバー。アメリカのガレージパンクブルースバンドの筆頭。最初から最後までガレージグルーヴのオンパレード。まさに大音量で。
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PJ HARVEY / STORIES FROM THE CITY, STORIES FROM THE SEA - ILPS 8099/548 144-1 E.U 2000
その時の気持ちや体調や日によってその音楽がどう聴こえるかは変化するものだが、過去の体験においてパーフェクトだったレコードが今までずっと完璧であり続けているレコードはそうあるものではない。自分の作品をアパートの一室に閉じこもり作り続けていた当時、このアルバムに出会いこのCDを何度も何度も聴いていた。そのときの感覚は今も身体に染み付いて記憶している。タイトル通り「物語」を音楽でここまで表現している作品もそうないだろうと思う。このアルバムから受けた心象風景は強烈で、このアルバムによって自分はとてもとても助けられた。 そんな特別なアルバムだったのでずっとオリジナルのレコードを探していて数年後やっと見つけた時は当時のそんな情熱はすっかりなくなっていたけれど「物語」としても「音楽」としても完璧なアルバムであることには今も変わりなく気が付くとターンテーブルに乗せている。 SIDE B-1 THIS MESS WE'RE IN ではトムヨークも参加、プロデュースはPJ、ロブエリスそしてミックハーヴェイ。PJはこのアルバムで女性として2001年初めてマーキュリー賞を受賞した。
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THE FALL / BEND SINISTER - BEGGARS BANQUET BEGA75 NZ 1986
1986年に発売されたフォールの9枚目のアルバム。そしてプロデューサー、マークEとの大喧嘩の末ジョンレッキーが関わった最後のアルバム。それでもこのアルバムは恐らくそれまでのどのアルバムより各国盤がリリースされていたと思う。前作のTHIS NATION'S SAVING GRACE に比べるとアルバムのトーンは重いのだけれど、U.S 80'S-90'SやSHOULDER PADS#1、一度聴いたら忘れられないフレーズが。これ以降のフォールを象徴する曲も多い。たまにB52’Sと友達か?というくらいフレーズが似ているときがあって驚くのだけど。まさかね。
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MUDHONEY / THIS GIFT 1989 GRITTER HOUSE RECORDS WEST GERMANEY
1989年のこの年、マッドハニーは11月からヨーロッパツアー。そしてTADとNIRVANAもジョイントでヨーロッパツアーを行っている。その時のツアーチラシがこれ。ニルヴァーナは当時サブポップでファーストをリリースしたばかりでTADのほうが扱いが上だった(TADはサブポップと一番最初に契約したバンドで1999年に解散した)。MUDHONEYのファーストアルバムのグリッターハウスレコード盤にもこのチラシが入っていた。ライブスケジュールをみると今のバンドとは比較にならないハードさで、当時ネットのない時代ヨーロッパでもアメリカでもひたすらツアーに明け暮れるバンドの実態が垣間見れるチラシで貴重。チラシのデザインもいいのがたくさんあった。紙の質も違ってた。このシングルは何といってもREVOLUTIONがラストに入っていること。ダントツにかっこいい。実はこの曲、スペースメン3のカバーだった。
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MUDHONEY / Piece Of Cake Reprise Records 1992 - 2024 MASTERING BY BOB WESTON
1992年REPRISE RECORDSから発売された3枚目のアルバムで、この2024年SUCK YOU DRY 盤でのカッティングはSHELLACのギタリストでありエンジニアのボブ・ウェストンが行っているみたいで、あまりに音がいいので納得。音からジャケットから写真からデザインからすべて完璧。ターンテーブル乗せた瞬間に幸福な時間が始まる。
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Mudhoney / Suck You Dry The Reprise Years - Rhino RVC 726195/081227883539 NETHERLAND 2024
2024年(今年!)RSDに各国で発売されたマッドハニーの5枚組LP。まずなにが最高ってこのセットのすべてのデザインを手掛けたイラストレーターのエドウィンホザグラハム。かれのイラストとマッドのレコードを持っているだけで心臓が高鳴る。リプライズから発表した3枚のレコードとライブ音源、そしてアルバム未収録未発売の音源。よくあるそんじょそこらの似たようなセットとなにが違うんですか? というとそれは音が半端なくいいということ。ライブサイドの音源も。自分も多くの人の類にもれずできるだけそのバンドのオリジナルのレコードを聴きたいほうだけどこういうのがあるから自分の直感を信じるしかない。ピンときたらそれはいいレコードだと。ニルヴァーナなきグランジの大御所とか言われて(た)るけど見当外れもいいとこでマッドハニーは今もずっとただただかっこいいロックバンドなだけだとおもう。 Mudhoney / Suck You Dry The Reprise Years - Rhino RVC 726195/081227883539 NETHERLAND 2024
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THE MUFFS / NO ACTION - SYMPATHY FOR THE RECORD INDUSTRY SFTRI592 2000 U.S 7inch VINYL
MUFFSのシングル。A面はエルビスコステロのカバー。B面は自身のバンドだったパンドラスのカバー。松葉づえをついたキムのジャケット。強烈で完璧な7インチシングル。キムが加入したばかりのピクシーズのベースを解雇されたのは、ライブのラストで観客席にダイビングしてライブ終了後マネージャーから「ピクシーズはそういうバンドではない」と言われその年に馘になったというエピソードが本当に好きだ。なぜならそれがキムシャタックだから。そのときのフランシスの顔を見たかった。2019年にALSで亡くなるまでその音楽でたくさんの人たちをハッピーにしたパンクロッカー。ライブを見たかったなあ。下北のシェルターでライブしたんだよね.....。うー。
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