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Illaenus crassicauda
本種については、だいぶ前に丸まった小さいのを手に入れたが、どうしても気に入るに至らず、手放してしまった。 一般的には人気のあるらしいエンロール標本が私にはダメなのは、いったいどうしたわけだろうか。 この Illaenus crassicauda はイレヌスの模式種とされているけれども、じっさいのところイレヌスというよりは、北米で産出する Nanillaenus に近いのではないかと思う。 Nanillaenus は Thaleops と混同されることもあり、最近ある研究者がこのあたりのごちゃごちゃしたのを整理したようだが、ともあれその代表種とされる Nanillaenus americanus を本種 Illaenus crassicauda と比較してみると、その類似には注目すべきものがあるように思う。 いちばん最後にその北米種の写真を入れておいたので、ご覧ください。 全長:33mm
Kukruze level UORD Alexeevka quarry, St. Petersburg region, Russiaktr
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Asaphus kowalewskii
FFストアによれば、けっこうな人気種らしい。 そういえば、SPPLにも本種だけは十分すぎるくらいの在庫がある。 まあ、それだけありきたりなので、とくに欲しいとも思わなかった。 ところが、ちょっとしたきっかけで手に入れてみると、なるほどこれが人気があるのも頷ける。 なんということはないけれども、いつまでも見ていられる。 飽きがこない。 見れば見るほどそのフォルムに引き込まれる。 この標本は本体が母岩の端に寄りすぎていて、標本箱の縁に当って目が折れる危険性があるので、紙粘土で母岩を延長した。 これだけやっておいて、ようやく安心して眺めることができるようになった。 ところで、日本人ならだれでもこれを見るとカネゴンを連想するわけだが、私はカネゴンの回を見逃していて記憶にないので、このたびアマプラで視聴してみた。 古いことは古いが、まったく古びていない。 傑作也。 全長:47mm
Asery level MORD Vilpovitsy quarry, St. Petersburg region, Russiaktr
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Asaphus expansus
Asaphus の模式種がこれだ。 いまではこれに亜種が三つ見つかっているらしい。 私の手に入れたのがそのうちのどれに当るのか、それはまだ調べてみない。 この標本は見るたびに色合や質感が違っているようで、石そのものが季節の影響を受けて変化するのか、それとも光の種類や当り方でそう見えるのか、たんに私の目が頼りないのか、よくわからない。 Asaphus の仲間はどれも同じように見えるが、細かく見ていけば際限なく差異が見出される。 私としてはロシアの Asaphus の標本はこれと A. kowalewskii だけにとどめて、他の細かい差異は図鑑で楽しもうと思っている。 サイズ:68㎜
Kunda Level LORD Voibokalo Quarry, St. Petersburg region, Russiaktr