Ptychoparia striata
かつてはプティコパリア目の頭目のような顔をしていた本種だが、いまでは未確定目に他のものといっしょに放り込まれて、もはや昔日の威光はなくなった。
とはいうものの、本種がチェコを代表する三葉虫のひとつであることに変りはない。
けっして稀少種というのではないが、りっぱな標本はやはりそれなりに貴重だ。
R・フォーティはその著「三葉虫の謎」のなかで、本種について「ミスター平均」という呼称を与えている。
三葉虫の基本的なシェイプからの「いかなる方向への誇張もいっさいない」というのだが、どうだろう。
私にはそれほどプリミティヴにはみえないし、むしろボヘミアらしい奇妙な偏向を感じてしまう。
偏向というのは、ボヘミア三葉虫がもっている、一種異様な地下世界的な風情だ。
私にはそれがなぜか鉱山のイメージと重なってくる。
そこに魅力を見出せるかどうかが、この地の三葉虫を鑑賞する際の決め手になるだろう。
全長:48mm
Jince Fm.
MCAM
Czech Repblic
ktr